山から眺める夜景
ハッとするように煌びやかなネオン。昼は気持ち悪いくらいにグレーだったはずなのに、今は暗闇に煌々と光だけを灯している。
山から眺める夜景は綺麗だ。
今夜、この山には俺ともう一人しかいない。都会はコンクリートでグレーな上に、人の善悪にもグレーなのだ。
俺は目的地に着いたので、車を止めた。
雰囲気作りに小さく流していたジャズも止める。
俺はトランクからスコップと、透き通るように白い肌をしたもう一人を取り出した。
お前のことは少しも愛していなかった。でも今は、その首に輪のようについた痣だけは愛おしく思える。
さっき聴いていたジャズの続きを鼻歌で口ずさみながら、俺はスコップを土に突き刺した。
安眠なんてするなよ。