第二話 思い出巡りの散策
ゴールデンウィーク二日目となり私は地元を散策することにした。
毎年一度は帰っているとはいえ、刻々と変化しているところがある。
それ見つける度に何かうれしいような寂しいような気持になりながら、今は高校時代の通学路に足を進めていた。
今は人通りが少なくなってしまったが、昔は栄えていたであろう商店街を歩きながら、
部活からの帰り道にゆっくり部長と一緒に帰っていたことを思い出していた。
1年目のとき私たちは初めて会って、すぐに意気投合し、一番の仲良しだった。
2年夏までさらに仲良くなり、全国のペアプログラミング大会に出場、上位入賞までした。
でも3年生が卒業し、彼女が部長になってしばらくしてから、変わってしまった。
彼女とそりが合わなくなってしまったのだ。
何にしても衝突、だんだんと意思疎通もできなくなっていき、そして2年の冬に別れとなった
以降、顔を合わせることはあっても話すことはなく、卒業し会うこともなくなった。
「初恋だったんだけどね、、」
ぽつりとつぶやいたが、答えてくれるものはなし。
足惜しく気づけば彼女の家近くまで来ていた
いつも一緒に帰ってた。その日あったことや好きなこと、夢などすきなように話して帰っていた。
感傷に浸り足を進めているとふと上を見上げると
「あっ!」
二階の部屋にいる彼女と目が合った。
私は呼吸が一瞬止まったが、すぐに目を背け何も見なかったかのように立ち去ろうとした。
「あん!」
私は急いで駆けつけてきたであろう彼女に呼び止められていた。
昔懐かしの友人でもあり、部活を首にされた部長に会ってしまった。