#01
1.
とある少年はお風呂が好きでした。いえ、お風呂というより入浴剤が。様々な入浴剤を買ってはお風呂にいれ、楽しんでいました。
「おっ、やっぱき○湯はやっぱり体にいいな。」
「香りはやっぱりバ○だよなー。」
「ロマンがあるのはバス○マンだよなー。」
「キター!!シークレットレアのキャラクターのフィギュア。びっくら○まごはいつもびっくりさせられるな。」
そんな、女子みたいな感想を言っては幸せそうに入浴剤を楽しんでいました。
「うわっ、貴方本当に男?」
「うるさい!!いいから説明続けて!」
そんな男は思いました。たまには銭湯でなごみの空間を楽しむのもいいな、と。
そして男はその夜。銭湯に行きました。(一人250円)
しかし、楽しみにしてた男は何もないところで転んで、番台のカウンターの角に頭打って死にました。おーしーまいっと。
「ちょっと待てーーい!!!」
「何よ。それが貴方の死因だけど?」
「いくら何でもカッコ悪すぎでしょ!?てか普通角に頭ぶつけた位で死ぬかな!!!?」
「事実死んでるし…」
「あーもーーーなんでこんなことで死ぬかな俺ーーーー!」
この通り、俺、仙条紫は死にました。昔から名前が女っぽいとか、趣味が入浴剤の入った風呂入るのか女子力(笑)高すぎでしょとか言われ、恥をかいたことはあるが、まさか死ぬ時に一番の恥をかくとは思わなかった…。だって、久しぶりに銭湯いって、何もないところでコケて、番台の角に当たってご臨終とか…。本当に…もう…。
そして、死んだらこの自称天使様(笑)に死因聞かされるし。笑われながら。
「何が自称よ。ぶっとばすわよ?紫(女子力高いw)君?」
「この場合あんたがぶっとばされるのが普通ではないんですかね。」
「この神々しい天使様がぶっとばされるとでも!?あはは、間抜けな人間もよく思い上がったものだわ!!」
ゴッ!!!(←天使の腹に蹴りをいれた音)
「出来ましたが?」
「女の子に手をふるなんてそれでも人間?」
「人間の(強調)女の子にしかそのルールは通用しないんですよ。」
「」
「ていうか、天使だっていうならこの可哀想な私を生き返らせて下さいよ。」
「蹴った相手によくもノウノウとその言葉を言えるわね。まず、貴方より私は貴方が死んだせいで店をたたまなきゃいけなくなった銭湯の方が可哀想って思うのだけどね。だから、生き返らせたくない。」
「ケチ。そんなんだから顔だけ可愛いとか言われるんだよ。」
「なんで後輩の私への評価を貴方が知ってるのよ…」
「えっ?誰でもわかるでしょ。性格で」
「」
「何で生き返らせてくんないんですか。」
「まぁ、これは真剣な話。死人を元の世界に生き返らせるってのは世界の人間の上限ってものがあってそれを越えちゃうからダメなのよね。貴方の地球はもう人でパンパンだから。」
「じゃあどうすればいいんですか俺…」
「でも、他の世界で功績をあげるってんなら考えてあげる。」
「他の世界?」
「えぇ。貴方たちの世界で言う異世界転生ってやつよ。」
「異世界転生?マジっすか!!あんなチート能力や、こんなチート能力や、黒いウサギや、ソードス○ルが使えちゃうやつですか?」
「え…えぇ…(困惑)」
「えーどうしよっかなー。どんな能力もらおうかなー。死に○り?直○の魔眼?それともアンリ○テッドブレ○ドワークス?」
「待て待て待て待て!!そんなチート能力は手に入らないから!!基本装備しかあげられないから!!!」
「えー?じゃあ約束された勝○の剣は?」
「貴方はセ○バーなのかしら?とにかく、私があげられるのは、貴方に関連する装備と基本の武器と必需品だけなのよ。」
「チッ…(舌打ち)。じゃあどんな世界に転生されられるんですか?」
「そうね。町なみや世界のベースは中世な感じでお城とか騎士とかがいるかんじね。そこでは、昔転生した人間が生き返ることを諦めてもうすぐ寿命で死にそうだった魔王の後を継いだせいで人類が危機にさらわれてるわ。」
「いやいや、ちょっと!!なんで勇者のはずが闇落ち支店ですか!?」
「…さぁ?」
「何だその沈黙は…!?」
「とにかく、行ってみればわかるから!!」
「えっ?えっ?ちょっと押さないで下さいよ!!!!」
「あっ!!最後にステータスは指先に集中してタッチすれば見れるから!!」
「あっ!!ちょっと待って!!スキルとかは?」
と聞いた瞬間に目の前が真っ白に光った
「はっ…!?一体何が?」
気付くと自分は街の中にいた。本当に異世界に転生したらしく、天使のいう通り街は中世の面影を残しており、海外にきたかのようだった。
「そんなことより、ステータスだよステータス。」
(えーっと。指先に集中してっと。)
そうすると目の前に半透明の文字列があらわれた。
自分の名前とHP(2500/2500)、MP(3000/3000)の表示。そして所持金(100000G)と書いてあり、所持品の剣、銃、その他もろもろ…。
「重要なのはスキルだよなー。」
ステータスのスキルと書いてあるボタンを押す。そこには、片手剣、片手銃、格闘スキルなど基本のものが備わっていて、
(extraスキルはーっ…てえ?)
extraスキルの欄には『入浴剤』と書いてあった…
「関連する装備ってそういうことかーーー!!!!!」
仙条紫・職業、入浴剤魔術師。
それが彼の特別な能力。
「くっそがー!!!!!」