第5話 対決の行方
先手を取られた。
これでは領主の命令に正面から逆らわない限り逃げられないではないか。
僕は戦士では無い。勝てるかどうか分からない一対一の対決なんて絶対にごめんだ!
そもそも「勝てるかどうか分からない」ではなく「敗色濃厚」なのがダル・ダーレ・ダレンとの戦力差だ。
僕はヤツを神化をはたしたばかりの神だと思い込んでいた。僕よりほんの少しだけ先へ行った若い神だと。ちょっと見であんまり強くなさそうだと思ったのがそれの根拠だ。だけどタケル君の話によればかなりの歴史を持った神ではないか。
ヤツは力の大半をどこか別の所に隠しているのか?
そうでなく長らく封印されていた事で弱っているのだとしても、僕とヤツの経験の差は明らかだ。戦って勝てる要素がカケラも見当たらない。
逃げちゃダメだという想いもあるにはある。が、正直な話、逃げ出したい。
そんな僕に向かってカルナックが言う。
「フォリン様。申し上げにくいのですが、逃げ出した方が……」
「うん、そうしたいけど、そうは行かない」
「ですね。もう遅いようです」
?
話が通じているような、通じていないような。
カルナックはどうして僕の少し上を見ている?
イタタタ!
いきなり襟首をひっ捕まえられた。僕の足が半分くらい宙に浮いている。
こんな事をするのは祟り神の配下、では無いな。見なくとも分かる。祟り神以上の祟り神、屋敷のメイド長にして僕の教育係、正真正銘のおばさんであるモトネラさんだ。そのぶっとい腕からは僕では魔法でも使わない限り逃げられそうにない。
カルナックは一分の隙もない完璧な動作で敬礼した。
「ではフォリン様。ご武運をお祈りいたしております」
いや、助けろよ。
……無理か。
僕の身体が振り向かされ、モトネラさんの迫力のある顔と正対させられる。
「フォリン様、もう逃げられないと観念なさっているようで何よりです。それでどうしてフォリン様はこの様な所へいらしているのでしょうか?」
「それはもちろん、町の外から迫る敵にいち早く気がついて援軍に駆けつけたのですよ」
嘘だけど。
モトネラさんも嘘だと気づいているだろうけど、状況的に否定は出来ない。
「何かに気づいたのでしたら、まずお父上に連絡するべきでした。それに、何ですか、そのお召し物は? 旅の間でしたら男装するのも理解します。ですが、はじめて人前に出るのにその様な格好をするなど、正気の沙汰とも思えません! わたくしめはフォリン様をその様に育てた覚えはございませんよ!」
僕も彼女に育てられた覚えはない。
僕が住んでいたのは主に王都の別邸で、当時は彼女と顔を合わせることはほとんど無かった。
赤ん坊の頃に世話をされたりはしているかもしれないけれど。
「前線に出るのにスカートを履くほうがどうかと思う」
「いいえ、性別を誤解される様な服装をなさるべきではございません! その様な事だから家督を狙っていると心配されるのですよ!」
え?
ああ、そうか。
男子だと思われるとハイム兄上の対抗馬として担ぎ上げられやすくなるのか。それは考えなかった。
「それについては後ほど反省するとして、下ろしてくれないかな?」
「後ほどではなく、今、反省してください」
僕の踵は地面から離れたままだ。
「お客様ですよ」
効果は劇的だった。
モトネラさんは一瞬で表情をとり繕い、三歩下がって丁寧にお辞儀した。
「失礼いたしました」
「こちらは神皇国から来たシキ・タケル様。武家の人間ですからこちらの身分で言うなら準貴族にあたります」
「ハジメマシテ」
それは貴族の血縁者でありながらマントを得られない者の呼び名。それなりに魔法を使える者の呼び名でもある。本物の貴族から見れば格下だが、ただの平民よりははるかに偉い。
「そして、そっちの女の子はトーレちゃん。未確認ですが僕の姪かも知れません。そのつもりで世話をしてください」
モトネラさんは息を呑んだ。
幼子の顔をマジマジと見る。何かを納得した様だった。
「かしこまりました。屋敷に部屋を用意させます」
「それと、兄上はこの町を襲った怪物と交戦して、以後行方不明です。もしかすると家督はその子に行くかも知れませんよ」
「滅多なことを言うものではありません、フォリン様」
その小言は僕が家督を継がない事について? それとも兄上の安否について?
ま、両方だと思っておこう。
「と言うことなので、お説教を受けている暇はありません」
「そうですね。後ほど深く反省すると約束するならば……」
「約束しましょう」
ただの口約束だけど。
時はすぎる。
僕よりもモトネラさんの方がよほど張り切っていた。タケル君たちのお部屋の手配に僕の服装のコーディネートと八面六臂の活躍だ。
タケル君たちは暖かい食事と新しい服にありつき、人心地ついた様だった。
一方、僕は現在動けるただ一人の領主一族として人前に出ていた。クルセルクの町の各街区の取りまとめ役になんて初めて会った。怪物が再度来襲する事への不安なんか僕に訴えられても困るのだけど、領主一族としてはニッコリ笑って安心させない訳にはいかない。
それにしても、モトネラさん。僕のこの衣装は無いんじゃない⁈
旅装束として使っていた男装のままではダメだと言っても、コレはない! 膝丈のスカートとヒラヒラのフリル、ロングソックス。
愛用のサーベルは服装に合わないと取り上げられた。これでは不測の事態に対応出来ないだろう! 装飾性の高い短剣の装備は認めさせた。
……。
衣装については完全に着せ替え人形にされて弄ばれている気がする。このパターンだと、次はヌイグルミでも抱えさせられるのでは無いだろうか? 王都の下町をイロイロ荒らし回っていた僕にはそんな趣味はない。いや、中味を武器庫にした仕込みヌイグルミを開発すればそれもアリか? サーベルを隠せるほど大きなヌイグルミは手元には無いけど。
夕食の前に少しだけ時間がとれた。
逃げ出せないのなら、と対決の準備をする。
短剣の一本に神の力を込めておく。考えてみれば神の奇跡を使えば大きさなど自在なのだから、無理にサーベルを持ち込む必要はないか。短剣の刀身を伸ばせばよい。
傭兵隊長のブレンが挨拶に来た。後ろに大柄な女性を連れている。
隊長は僕から微妙に視線をずらし、女性は火傷の跡のある顔を恥ずかしそうにそむけている。これがあるから着飾るのは嫌いなんだ。僕は顔を汚してボロを着ているぐらいがちょうどいい。
「フォリン様、先ほどはご助力ありがとうございました。私だけの力ではあのダルと名乗った怪物には太刀打ちできませんでした」
「僕の槍が役に立ったようで何よりです。これからもお力をお貸しください」
「わが命続く限り」
ブレンはビシッと敬礼した。
彼は横へ動いてその後ろに隠れ気味だった女戦士へ視線を通す。
「リリミヤです。わが部下の中でも一番の腕利きです」
「覚えています。ハンマーを振るっての戦いは見事でした。……あなたにも何か褒美を出さなければなりませんね」
「い、いえ、そのような……」
「もったいないお言葉です」
言い淀んだリリミヤの後をブレンが引き継いだ。強壮な女戦士も礼儀作法は苦手のようだ。
彼女に渡す褒美は何が良いだろう?
普通に考えれば火傷の跡の治療だろうけど、僕からそれを切り出すのはなんとなく地雷な気がする。
僕は彼女にニッコリと微笑んだ。
「望みがあるなら可能な限り叶えましょう。何が良いか考えておいてください」
「あ、ありがとうございます」
彼女はブレンの事をチラリと見た。どことなく後ろめたそうだ。
「彼にはすでに神槍フォルニウスを下賜しましたから。あれ以上の褒美を望まれても困ります」
「ハッ、あれこそは至高の槍です」
「あれを渡したから、と言うわけではありませんが、お二人にお願いがあります」
「何でしょう?」
ブレンは警戒心を持ったようだ。僕を探るように見る。
僕と父がいささか不仲なのは特に秘密ではない。クーデターでも起こすつもりだと思われたか?
父の配下の傭兵隊長に過分な褒美を与えて自分の手駒にする。
うん、そう思われても仕方ないな。
「何かしてくれとは言いません。ただ、今夜は武装を整えた上でこの屋敷に詰めていていただきたいのです」
「まだ、何かあるとお考えですか?」
「父の様子が少し変なので」
真実の一部だけを口に出した。
ブレンは目を細める。僕の言葉を疑いつつも否定は出来ない、といった所か。
「念のため申し上げておきますが、もしお父上と争うのでしたらフォリン様の味方はできません。傭兵にも仁義というものがありますから」
「もし父が明らかに正気を失っていても?」
「その場合でも、ご領主様に危害を加える訳にはいきません。……昔、酔って暴れていた雇い主をブン殴って気絶させた事はありますが」
「その程度で構いません。待機してもらうのは万が一に備えてです。父ならばあの怪物の影響ぐらい、自力で振りほどくかも知れませんし」
「そう願いたいですね」
厳しいと思う。
神の憑依を振り払うのは腕の良い魔法使いでも容易ではないはずだ。
これで最低限の布石は置いた。
一人だけで夕食をとった。緊張で味はわからなかったし量も食べられなかった。しかし、モトネラさんも特に不思議には思わなかった様だ。
僕がこれまで入った事があるのは父の執務室までだ。
その奥の寝室に通される時、音が漏れないような分厚い扉にゲンナリする。理由をつけて屋敷の中に残っていると言っても、ブレンたちの助けを期待するのは無理かも知れない。この扉の向こうでの出来事はすべて自力で何とかするしかないだろう。
「失礼します」
「よく来たな、フォリン。……もっと近づいたらどうだ?」
バッカス・ユーノクスの姿をした者はベッドの上に半身を起こした姿勢で僕を迎えた。
神である僕は人でしかない父を恐れた事などない。が、今の彼に近づくには勇気を振り絞る必要があった。
沈黙の時間が流れた。
僕の方からは何を言ったら良いかわからない。かわりになるべく短い動作で短剣を抜くにはどう動けばいいか脳内でシミュレートする。
短剣を抜く所までは良いが、それを敵に突き立てるのはかなり無理がある。短剣程度の武器を持っていたところで、か弱い女の子では成人男性には勝てはしないのだ。
「フォリンよ、私は良い父親では無かったな」
「父上⁈」
バッカスがようやく発した言葉に僕は驚いた。
今の発言者は誰だ? 祟り神ダル・ダーレ・ダレンではない?
「私はお前の事が怖かった。ほんの赤ん坊の頃からここではない何処か遠い所を見ている様だったお前が。この世の事は何も見ていないのにすべてを見通している様だったお前が」
「異能はそれなりに隠しているつもりだったのですが」
「子供が親に隠し事をしても、そうそう上手く行くものか。もっとも、こんな隠し事だったとは想像もしていなかったが」
彼は笑った。
今の発言者はバッカスだ。そう考えて良いだろう。しかし、祟り神の影響を受けているのも間違い無さそうだ。
バッカスが取り憑いてきたダル・ダーレ・ダレンを逆に支配しかけている?
そんな事があり得るのだろうか?
「お前がボンヤリと空を見上げていた時、お前が見ていたのはこんな風景だったのだな」
いや、そんな時に見ていたのは異世界の娯楽用映像だった様な気がする。ソレも含めて色々と知識を得ていたのも間違いじゃないけど。
「父上、あなたは本当に父上なのですか?」
「おかしな事を言う。この肉体は間違いなくバッカス・ユーノクスの物だぞ」
「僕が伺いたいのは今話しているあなたが、自分のことを何者であると定義しているかです。あなたは何者ですか?」
「我にとっての真実などそなたにはどうでも良かろう。そなたはそなたの真実を見れば良い。なぁ、幼き女神よ」
今度の発言者はダル神だ。
父と祟り神が融合している?
これだとどう対応すればいいんだ? 祟り神本体のみで無いなら、交渉が可能だろうか?
「父上、父上はこれから何をなさるおつもりなのですか?」
「漠然としすぎる質問だな。何が知りたい?」
「父上はバッカス・ユーノクスとしてこの地を治める予定ですか? それとも異郷の神として死と破壊を撒き散らすのですか?」
父らしき男はニタリと嗤った。
記憶にある父上らしい嫌らしい嗤いだ。
「そうさな。私には大望と呼べるものは特にないな。そこそこに出世して、いい女を抱き、うまいものを食べる。それだけで満足できる平和な人物だ」
「素晴らしい事ではないですか。神の力を手に入れても驕らずに、父上には是非ともそのままでいてもらいたい」
「私、に大きな望みがない以上、我の思いが優先される。……世界を守ることだ」
「信じられませんが」
「我は人間を守るとは言っていない。我が守るのは世界だ!」
人間ではなく世界を守る。
つまりあの『無』の拡大を食い止めるのがダル・ダーレ・ダレンの行動方針か。
「その割には、あなたが前にいた土地は『無』に呑まれたと聞きましたが?」
「よく知っているな」
祟り神はバッカスの顔を歪めた。
「そうだ。我はあの忌々しい半人に破れて封印された。その地でふてくされて寝ておったよ。周囲がどうなっているかまったく顧みることなくな。気が付いた時には『無』の中に取り残され、あわや消滅するところであった。かろうじて逃げ出したが……」
「その体験から『無』の拡大防止を主目的にしたと?」
「そうだ」
『無』の拡大を食い止めるためにより大きな神の力が必要になった。それを得るための手っ取り早い手段として虐殺に走った、という事か。
それならば妥協点はある、か?
『無』に対抗するだけの力を、信仰を手に入れられれば良い。
そのための手段は彼はすでに持っているはずだ。この地を守る領主バッカス・ユーノクスとして。
「納得したようだな。では、我の方から質問させてもらおうか」
「何でしょう?」
「お前はどうするのだ、幼き女神よ。我が軍門に下り、その神力を差し出すか?」
「そんなつもりはありません」
「おとなしく力を差し出すならば人としてつつがなく生きられるようにはしてやるぞ」
「殺し、奪い、踏みにじる。それがあなたの本質ですか?」
「おうよ。我は世を地獄に変えると詠われる邪神であるぞ」
共栄共存は考えないのか、こいつは!
僕は身構えようとした。が、僕の両腕を背後から押さえつける者がいた。とても硬く冷たい手が僕の両腕を捕まえていた。
僕はもがくが、その腕はびくともしない。
首をひねって後ろを見ると、無表情な人形に変えられたクセル・ニードフォートの顔があった。
「教えてやろう、幼き女神よ。不用意に他の神の神域に足を踏み入れるものではないぞ。相手の神域では持てる力が制限されてしまうからな。……ま、この場合は避けようがないが。なにせ、領主であるバッカス・ユーノクスと一体化したことで、我はクルセルク領のすべてを我が神域としたのだからな」
では、この窮地、神の力を使って逃れることも出来ないのか?
「本来であればお前の心臓を抉り出してその力を我がものとするのだが、私が邪魔をする。せめて命だけでも残せとな。いじましい親心ではある」
「父上!」
「だが、その方がつらいかも知れんぞ」
バッカスの姿をした者は立ち上がった。
押さえつけられた僕の前に立ち、フリフリドレスの胸元に手をかける。
服を破かれた。
白い胸があらわになる。
ブラジャー? 必要ありませんが、何か?
「何をする!」
「ナニをだよ。女神が相手なら殺さずとも力を奪う方法はある。敗北感と屈辱を限界まで与えれば力は奪える。ならば、奪ってしまえば良いのだ」
理解したくないけど、少しだけ理解できてしまう。
何が親心だ。ロリコン変態のスケベ心じゃないか!
スカートの下に手を突っ込まれる。
そこに隠してあった短剣に気付かれた。腰に差してあった装飾短剣ともども奪われる。部屋の隅に投げ捨てられる。
すきを見て股間を蹴り上げようとするが、狙いがそれた。
逆に殴られる。
ベッドの上に殴り倒された。意識が半分飛んでいる。
バッカスがズボンをおろす。見たくもないものが見えてしまう。
普通のご令嬢だったらここで絶望するかもしれないが、下町育ちを舐めるなよ! この手のトラブルは別に初めてじゃない。「はじめて」をここで経験してやるつもりも無い。
グッタリしたフリをして油断を誘う。すぐに立てそうな気はしないのでこれは別に演技じゃないか。
「ニャアーッ!」
と、猫の鳴き声が窓のすぐ外あたりから聞こえる。
ナイスだ、ライア!
バッカスは動揺してかすかに気をそらした。他の神の関係者を感知し辛いのは僕だけでは無いようだ。
隠し武器を一つしか準備しない、なんてことも無い。ゆったりヒダヒダの服を用意してくれたモトネラさんに感謝だ。
僕が手首をひねると、完全に機械的な機構で手の中にナイフが落ちてくる。
チャンスは今しかない。
僕は小さなナイフをバッカスの露出した急所めがけて突き出した!
手応えあり。
だが、ずれた。
バッカスは直前で身をよじり、脚を持ち上げた。そのせいで、ナイフはヤツの太腿の肉をえぐるだけで終わった。
「お前、どこを狙っている!」
「ソコに決まっているだろう!」
僕が狙った『急所』が萎んでいく。
「僕に屈辱を与える事で神力を奪い取ろうとしたんだろう? ならば、僕も同じことをやり返すまでだ」
「女性のお前が?」
「神話において去勢されて死んだ神って、結構いるんだよ」
バッカスは逃げ腰になった。
正面からの肉弾戦ならまだ彼が有利だろうし、人形にされたクセルも控えている。それなのに内股になって縮こまっている……二重の意味で。
「ま、待て。我はともかく、此奴が使い物にならん。認めよう、この場は我の負けだ」
待てと言われて待つ道理は無い。
相手が動揺し浮き足立っている間にかたをつける。
だが、その時、ダル・ダーレ・ダレンから僕に膨大な量の神の力が流れ込んできた。僕はよく考える前にその力を吸収する。半端な神未満から現人神と名乗っても恥ずかしくないぐらいまでのランクアップ。
僕には利益しかないはずなのに祟り神がニタリとする。
「受け取ったな。この場は、この場だけは我の負けだ」
そのモノを切り落としてやろうとする僕の手が動かない。足が踏み出せない。
「我は敗北を認め、そなたはその代償を受け取った。よって、この場ではお互いに相手を傷つけられない。それがルールだ」
!
僕は第1ラウンドを先取した。が、祟り神は神力を支払うことによってその敗北を第1ラウンドのみのポイントの喪失に限定させた。そういう事か。
僕は神力を得た。
ダル・ダーレ・ダレンは命を繋いだ。
神同士の戦いの駆け引きはやっぱりヤツの方が一枚上だ。
「しばらくの間、直接の殺し合いはできない。幼き女神よ、戦いを次のステージに進めようではないか」
「そのセリフ、下半身丸出しで言っても格好がつかないぞ」
ついでに腹の出た中年太りの体型でもある。
「その貧相な胸もな」
……。
僕の胸には未来がある。
未来にしかない、かも知れないが良いんだよ!