第四話 人は武器を選べない
皆さんは、体育というものをご存じだろうか。
体育、それは主に小、中、高等学校において体づくりの一環として行われるものだ。内容としては、スポーツや体操と様々だ。一般的に知られている体育とはこう言ったものだと思いますが……
「全軍突撃!!」
「駄目です、押し切られます!」
「死ぬな!しっかりしろ!」
「俺帰ったら結婚するんだ。グハッ!」
ここは、戦場か何かだろうか。
時は一時間前に遡る。
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入学式から一週間がたちクラス内でもそれなりにグループが出来上がりつつあった。そんな中僕は未だに夢見と学校内で過ごすことが多くなっていた。学内の序列がきまっていない以上能力検診の結果でクラス内のグループが決まっててしまう。そんな中、能力検診でDランクなんて診断されてしまった僕はクラス内でもかなり浮いた存在になってしまいな中に気まずい高校生活のスタートとなってしまった。
「はー、どうしていつもいつもこううまくいかないんだ。僕だって自分なりに努力してるのに何でこうもうまくいかないのかなー?」
「いつもマイナスに考えすぎなんだよ。もっと気楽にいかないと」
机に突っ伏しながら不満を漏らしていると聞き覚えのある声が僕の耳に入ってきた。案の定振り向くと、そこには夢見が缶ジュースをもって立っていた。
夢見も能力検診で新入生にしてAランクなんて取ってしまったせいか、僕とはまた違った意味で生徒からは一目置かれている。顔もそこそこイケメンなことからかなり女子受けもいいらしい。なんにせよ僕とは全くの正反対の立場にいるということになる。
「そういえばたっちゃん、最近なんかこの街に変な幽霊が出るっていう都市伝説見た?何か結構ネットとかで盛り上がてるらしいよ。」
「僕あんまり幽霊とか信じてないからそういうの興味ないかなぁ」
「でも結構目撃者も多いし俺はあながち噂じゃないと思うな。他にも学園地下の謎の研究所とか、あと俺が今押してるのはこれ、能力を持たない能力者とか他にも・・・」
そう、唯一夢見が残念なところと言えば幽霊やらUMAやらといったオカルトにドがつくほどはまり易いということぐらいだがこれをなくせば非の打ち所がないくらいただのイケメンになってしまうのである意味ギャップとしては丁度いいのかもしれない。
そんなどうでもいいような会話をしていると教室のドアを勢いよく開き姫野先生が不機嫌そうな顔で入ってきた。
うん、そんな顔もやはり素敵だ、独身だといいなー。
僕は心は読めないがこのクラスの大半の男子はきっとそう思っているだろう。
そんなことを考えていると姫野先生はため息をつき口を開き話始めた。
「今日はホームルームに入る前に君たちに渡しておくものがある、一人ずつ前に来て受け取るように。」
そう言うと姫野先生はクラス全員に黒いリストバンドのようなもの手渡した。
「それは、IGSと言って頭の中で考えたものをシステムの範囲内で具現化することができる。今日の体育は他クラスと合同の模擬試験を行うようなので全員馴らしておくようにだそうだ。」
そう言うと姫野先生は溜め息をつきながら教室を後にした。
その後、クラス内では生徒たちが各々IGSの性能を試し始めた。僕と夢見も色々試してみたものの、手乗りサイズの物を作るので精一杯と言った処だ姫野先生はさっき模擬試験をやると言っていたが、こんなもので一体何を試すというのだろうか。
そんなことを考えながら、僕は体育館へと向かった。
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僕が体育館に向かうとそこは、体育館というよりコロッセオと言った方が正しいのではと言わんばかりの広さに正直腰が抜けそうになった。1学年の人数は約600人それが全員入っても四分の一ほどにしかならないくらいとにかく広かった。そして、天井に吊るされていたモニターから恐らく体育教師であろうかなりがたいのいい男性教師が話を始めた。
「え~、ではこれより第一回学年合同の模擬試験を行います。まず生徒全員はIGSを装備しプロテクトシステムを起動するように。」
すると生徒全員が側面にあるボタンを押すと何やら膜のようなものが張られた。
「プロテクトシステムを起動している間はけがなどの外的損傷は受けませんがダメージは常時蓄積されていきますので各々気負付けるように、では次に試験のルールについて説明したいと思います。」
この後はかなり長い話が続き聞いているだけで苦痛なので、とても簡単にに説明すると、まず300対300のチームに分かれ試合を行い相手チームの生徒を1人戦闘不能にすると1ポイントが自分の持ち点となり個人のポイントの合計がチームのポイントとなり最終的なポイントの合計で勝敗を競うらしい。教師曰くここでの個人ポイントで学園順位に反映されるらしいので生徒の顔もかなり真剣な趣になっている。実際問題、僕は真ん中あたりの順位さえ取れればと思っていたのでそこまでやる気はなかった。
やがて、全生徒の組み分けが完了し模擬試験が開始された。
しかし、僕の考えは、はるかに甘い考えであることを痛感した。
開始と同時に強烈な爆発音とともに生徒数十名が宙に吹き飛ばされた。それも1ッか所だけでなくいたるところで同じようなことが起きている。
そう、この試験は一見チーム戦のように思われるが、実際のところポイントの奪い合いを基本としたバトルロアイヤルであることをほとんどの生徒が理解し行動し始めた。僕と夢見もそれぞれ相手のチームの生徒を探し戦闘を始めた。
やはり、最初に攻撃を仕掛けた生徒はIGSを使い武器になりそうなものを生成し戦闘を行っている。他の生徒はうまく状況を理解できていない者もいれば見よう見真似で道具や武器を生成して戦闘を始めている。夢見もそれを見てか、IGSを使い何か小さい物をを投げ始めた。
僕も早いところ何か出して戦わなければ、やはりここは、日本男子らしく日本刀なんかいいかもしれない。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
僕は日本刀のイメージを頭の中に連想し、某漫画主人公が金髪になる勢いで叫んだ。
だがどうしてもうまくいかない。やはりもっと強くイメージしないとダメか……
「燃えろ俺の小宇宙。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
僕は星座の力を借りる勢いで力込めた。が、やはりうまくいかない。
よし、今度は力を抜いてやってみよう。
全神経を腕に集中させてゆっくり目を閉じ、深呼吸しながらイメージを固めていく。どんなものよりも固く、どんなものよりも鋭く。そして、僕は軽く手を握ると細長い物の感触があった。
よし、成功。僕はそっと目を開ける。
ふぁ!? (。´・ω・)?
一瞬の間が開いた後、僕は改めて自分の手に握られている物を確認した。
だが、いくら確認しても僕の手には日本刀らしき物はなく。
あるのはただの木の枝だけだった。
おかしな~、確かに僕は日本刀をイメージしたはずなんだけそな~。
いや待て、百歩譲って武器ならまだしもなんだよ木の枝っておかしいでしょどう考えても。何で刀の代わりが木の枝なんだよ。いいところと言えば綺麗にまっすぐなところぐらいじゃん、あと何にもいいところないじゃん。
いや待てよ、もしかしたらこの枝、実は刀よ切れ味が良かったり、先からものすごい威力のビームが出るとかそういうたぐいのものなのかもしれない。だとしたら、僕はとんでもない物を手にしてしまったのかもしれない。
よし、そうと分かればここからが僕の聖剣伝説の始まりだ!
行くぞエクスカリバー(仮)、ここからが冒険の始まりだ!!
そうして、僕は単独で敵チームの本陣へと突っ込んでいった。
その後、僕はIGSのプロテクトシステムが切れるまでボロボロになり医務室に運ばれた。