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今日から始める加速主義  作者: からあげ
第1章
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第3話 幼馴染はあてにならない

なぜだ……。

なぜこんなことになっているんだ。確かに僕は運動もスポーツもからきしだがここまでとは、いくら何でもひどすぎやしないか。

能力者が生まれて約40年、世界では能力者管理するため様々な施設がもうけられており、僕らが通うことになったこの輪廻学園もその一つである。そして、僕が暮らしているこの街もまた異能力研究の最先端ともいわれる国の中心都市、通称 神居島(かむいじま)

島と言っても本当に島なのではなく、周りの都市がそれぞれ独立した文化を持ち、一つの国でありながらいくつもの国が隣接しているようになっているためこのように言われているらしい。

いや、今はそんなことよりも現在進行形で不味いことになっている。この輪廻学園、いや、この神居島では、能力にランクを付けることによって序列式に一人一人に順位付けて、その順位に応じて進学、待遇などが決まるシステムになっている。本来能力のランクは発現した能力の威力に依存して付けられるものなのでランク自体を上げるにはそれ相応に力の制御ができないといけない。また、順位は他の能力者との能力の比較データ、簡単に説明すると一対一で能力使って戦って勝ったほうの順位が上がるって感じ、つまりはスポーツみたいなものになる。だからこそ、一年の入学当初でできるだけ高いランクの能力が発現すれば少しは有利なんだが……

「さすがにDランクは判定厳しくないかこれ」

「たっちゃんもう検査終わったのか」

未だ現実と向き合いきれていない僕に陽気に一人の男子生徒が話しかけてきた。誰かと思えば見慣れたオールバックの茶髪がかった髪、入学早々少し着崩れている制服、360度何処から見ても今時チャラ男そのものとしか言いようがない。

「その呼び方そろそろ子どもっぽいからやめてくれないかな、何で僕が弟の代わりに甲子園目指さないといけないわけ」

「まーそんな固いこと言うなって幼馴染なんだからさ~」

そう、こいつは僕の幼馴染の夢見ゆめみ 正秋まさあき見た目はあれだが実際ドが付くほどまじめでやれば大抵のことは出来てる。いわゆる天才肌というやつだ。更にイケメンときた、去年のバレンタインなんて季節外れのサンタクロース状態ときた…

爆発しねーかなー

まー一個カレーのルー入れたからいっか

「それより夢見の方は検査どうだったんだもう終わってるんだろ」

「あー、何か途中機械の故障か何かで少し遅れたみたいだけど」

話によると何やら機械ぶっ壊すは程の能力を開花させた新入生がいたらしいがやっぱり一人くらいはそういう化け物みたいなのが。

そう言いつつ僕は夢見から結果の入った封筒を受け取り中身を確認した。


夢見 正秋 ランクA


前言撤回お前が化け物だ。

いや、どう考えてもおかしいだろ。どうして生まれたときから同じような生活を送っていてここまで違いが出てくるのか不思議でたまらない。イケメンだからか、イケメン補正があるからなのか?

僕はこれ以上ないほど絶望した。

「で、たっちゃんの方は結果どうだったんだ?」

こいついつかマジでぶん殴るぞ。

「僕はほらあんまりこういうの人に自慢したりとかは、ほら結果は人それぞれというか」

自分でもわかるくらい必死なのが見え見えである。いくら幼馴染とはいえこの結果は流石にみられるのはきついものがある。

とは言ったものの最終的には無理やり奪われたのだが優しく肩をたたかれ封筒を返してきた。よし、こいつ後で上履きにガム付けておこう。

そんなこんなで一時間ほどで全生徒の検査が終わり僕たち新入生は自分たちの教室に戻ることになった。あいにくなことに夢見も同じクラスのようだが、トイレに行くといいさきにいってしまった。あいつ目の前にあるのきずかないでやんの。僕はあえて教えず一人教室に戻ることにした…


ドン


誰かと肩がぶつかる。

「あっ、すみません」

とっさに振り返るとそこには黒髪のショートボブをし右目が髪で隠れたまさしく美少女と呼ぶ相応しい女子生徒が立っていた。

「あー、すまない。こちらも少しよそ見をしていた」

その声は見た目とは裏腹ににとても凛々しく惚れ惚れするようなものだった。だが、何だろうこの蛇に睨まれた蛙のような感覚は、冷や汗が止まらない。

そんな状態の僕にその女子生徒は少しずつ歩み寄りまるで僕の全身を舐め回すようにして見た後地面から何か拾い上げた。

「これは君の物か?」

そういうと彼女は僕の生徒手帳を手渡した。先ほどぶつかったときに落としたのか。

「すみません、ありがとうございます」

そう言って僕は生徒手帳を受け取るった。この学校の生徒手帳は自分の情報が端末化されているため、なくすと犯罪に使われかねない。なので、落とした事にきずいてよかった。

「君は新入生だな。早く教室に戻ったほうがいい、そろそろHRが始まるだろう」

そういうと女子生徒は体を向きを直し廊下を歩いて行った。とてもミステリアスな人だったが、一体さっきの嫌な感じは一体何なんか…


キンコーンカンコーン


そう考えているうちに鐘がなった。これは不味い流石また遅れると菊野先生に殺されてしまう。

「やっべ」

僕は急いで自分の教室へと向かう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「加藤拓真……か。実に興味深い」

廊下を走る彼の背中を見つめ彼女はソッとつぶやいた。

夢見 正秋 ランクA

能力名 百発必中

撃った銃弾や投げた物を100%狙った場所に当てることができる。ただし、一度使うと5秒間のインターバルが必要なためあまり連射は出来ない。

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