【勝手にMAKEMARRY!!】&【名無し君の不始末】&【悪玉菌】凶闘作品!!(凶作)★ひつまぶし台本★3:3~6:7
★ひつまぶし台本★
【勝手にMAKEMARRY!!】&【名無し君の不始末】&【悪玉菌】凶闘作品!!(凶作)
著者:七菜 かずは(ト書きが今回凄く中途半端でごめんなさい。色々と修正中です)
■CAST
(基本、ジョーカーとジュデアと苫東、クロムとカジュリアと苺、コーラとミク、リリイとディラ、テトラと木耳、は掛け持ち)
(ジョーカー、ジュデア、ダナ、掛け持ち可)
(※役者が3:3よりも多い場合、役を譲っても良い)
男3女3。
●ディラ♀(+リリイ♀) :
●ジョーカー♂(+ジュデア♂ +苫東♂):
●コーラ♀(+ミク♂) :
●テトラ♂(+木耳♂) :
●ダナ♂ :
●クロム♀(+カジュリア♀ +苺♀) :
※ト書きを大切に!!
※揃って言う台詞は、相手に合わせることを意識しないで、思い切りやってください。
■シーン0(リリイ、ミク、ジュデア、カジュリア、苺、苫東、木耳)男4女3
とある中惑星に買い物に来た、ジュデアとカジュリアとミクとリリイ。
リリイ「うっわぁーっ!(一番に駆けてきて) 青ーいっ!」
ミク「(宇宙船から降りてきて)わぁっ。先生っ! ジュデア先生っ! 見てくださいっ! 海ですよ!」
リリイ「うみうみーっ! あははーっ!」
ジュデア「はしゃぐな。やかましい」
カジュリア「あはは……。そっか、二人とも海はじめてだっけ」
ジュデア「おい。魔法石を買ったらすぐに帰るぞ」
リリイ「えぇーっ?」
ミク「あっ! 屋台並んでるー!」
リリイ「えっ! あっ! わたあめーっ!」
カジュリア「ねえ。カオスに宇宙船借りてわざわざ来たんだから。ちょっとくらい道草くってもいいでしょ? まだ夏休みだし良いじゃない。あんただって、どうせ粉屋とか砂屋とかにも行きたいんでしょ?」
ジュデア「……(溜め息)」
カジュリア「ほらっ、いこいこっ。リリイ、ミクっ! 競争ね!」
リリイ「はぁーいっ! あははっ」
ミク「あっ、か、カジュリア先輩待ってくださーいっ!」
ジュデア「おい、こけるなよ」
カジュリア「ぶぶべっ!」
カジュリア「あやっ! かずー!?」
ミク「か、カジュリア先輩!? うさちゃんパンツ!!」
ジュデア「ブッ」 リリイ「かずーそれかわいー!」
カジュリア「ぎゃあああああああやめろぉ見るなーっ!」
ジュデア「お前もう年なんだからスカートの下、下着一枚なのやめろ。気色悪い。目の毒だ。地面に頭を擦り付けて謝れ」
カジュリア「はあー!?」
リリイ「あはははっ」
ミク「けっ喧嘩しないでくださぁい!」
カジュリア「ジュデアのばあーっか!」
ジュデア「ふん」
ジュデアとカジュリアとミクとリリイが去った場所。
苺と苫東が笑いながら駆けて来る。二人の少し後からやってくる、木耳。
苺「わぁーっ! ひっさしぶりの人間界ですう!」
苫東「はーっはっはっは! さあ、今日こそ制圧してやるぞ、来い来い来い来いっ! 軟弱な愚民どもっ!」
木耳「おい。注目されるだろうが。もう少し声のボリュームを落とせ」
苺「んんーっ!? 色んな匂いがしますよぉ、トマト様っ!」
苫東「そうか!? なんだ? 俺様が臭うか!?」
木耳「おい聞けよ。……チッ。やっぱり、」
苺「トマト様っ! イチゴ、今からキクラゲのモノマネをしまーすっ!」
苫東「おお!? よしっ! やれぇっ!」
木耳「脈絡ねぇぇぇぇ」
苺「えー、おほんっ、……“観測用インドランスの僕に殺されろっ”!!」
苫東「おおーっ!」
木耳「言ったことねぇぇぇぇぇ!!」
苫東「イチゴ! 俺様もやろうっ!」
苺「おおおっ! どうぞっ!」
木耳「おい、もういいだろ」
苫東「いくぞ……。ふぅ……。“観測用インドランスの僕に、抱かれて死ねっ”!!」
苺&苫東「ぎゃははははははははははははは!! ……(笑い続ける)」
木耳「色々混ざり過ぎだろ! おいやめろ! お前らウケ過ぎだろ! なんでだか俺が恥ずかしいっ!」
苫東「で。観測用インドランスって……なんだ?」
木耳&イチゴ「……さあ?」
三人、ケバブの匂いにつられて(アドリブで台詞入れて下さい)走り去る。
■シーン1(テトラ、ディラ、ダナ、クロム)男2女2
カジュリアたちが居る中惑星近くを飛んでいる、宇宙船ナナシと海賊船エドガー。
お昼時。テトラが蕎麦を作っている。
みんなの食器を用意しているディラ。
テトラ「ヘックシュッ! ヘックシュッ!!」
ディラ「えっ、テトラくん、風邪?」
テトラ「あはは。インドランスは風邪なんかひかないよ」
ディラ「ほんと?」
テトラ「うん。ディラ、もうすぐお昼ご飯出来るから。みんなを呼んできてくれる?」
ディラ「あ、はーいっ」
テトラ「あれ? そういえば、ダナも朝から見てないなぁ」
ディラ「いってきまぁす」
歌が聞こえる。
ディラ「ん……?」
歌が聞こえる方へと歩み進むディラ。
ディラ「歌……?」
ダナ「っ……」
コソコソしているダナに遭遇する。
ディラ「あれっ? ダナ?」
ダナ「わっ。シーッ!」
ナナシの甲板で、不思議な楽器を手に持っているクロムが歌っていた。
その様子を伺う二人。
ディラ「えっ、あっ……クロム様……?」
ダナ「(アドリブ)」
ディラ「(アドリブ)」
ダナ「(アドリブ)」
ディラ「(アドリブ)」
ディラ「クロム様が手に持ってるのって……メルハープ?」
ダナ「ああ。よく知ってたな?」
ディラ「ボクも少しだけ習ったことがあるんです。でもアドヴァンス楽器って、機械の知識がないと困ること多いじゃないですか」
ダナ「ああ。特にあれはクロムが創ったオリジナルのメルハープだからなぁ」
ディラ「えっ、オリジナル!?!」
ダナ「わわっ! シーッ! シーッ!」 ディラ「あっ」
クロム「? ……誰か居るんですか?」
ディラ「あぁ……」
クロム「ディラ?」
ダナ「よ、よう。クロム」
クロム「ダナまで……。おはようございます」
ディラ「クロム様、おはようございますっ」 ダナ「はよ」
クロム「すみません。うるさかったですか?」
ディラ「いえいえ!」
ダナ「(アドリブ)」
ディラ「(アドリブ)」
クロム「ふふっ。……ふぅ……(メルハープを見て憂鬱そうにしている)」
ディラ「どうかしました?」
クロム「えっ、あ、いえ。大したことではないのですが」
ダナ「なんだ?」
クロム「……普通に弾く分には然程影響がないのですけれど。メルハープの側面が少しだけ磨り減っていて」
ダナ「直すか?」
クロム「でも材料が……」
ディラ「何が必要なんですか?」
ダナ「オルタイトだろ?」
クロム「はい」
ディラ「鉱石、ですか?」
テトラ「調べる限り、一番近くの中惑星で売買されてるみたいだよ。数も多く取り引きされてるみたいだね」
ディラ&ダナ「わっ」
テトラ「寄ってあげるね。クロム」
クロム「テトラ……。でも、今はいち早く……(お姉様を迎えに)」
ダナ「ぶぶふっ! テトラお前、割烹着似合いすぎだろ!」
ディラ「ふふふっ」
クロム「テトラ、まだジョーカーと喧嘩してるんですか?」
テトラ「つーん。ジョーカーが悪いんだよ。僕のチョココロネ勝手に食べちゃってぇ」
ディラ「“テトラがこっち居座るならナナシにはおられへん!”って……。コーラもエドガーから帰ってこないし……」
ダナ「コーラとジョーカー、喧嘩してそうだよな」
クロム「そうでしょうか?」
ディラ「うんうん。喧嘩してそう!」
クロム「うーん……」
■シーン2(コーラ、ジョーカー)男1女1
意外と仲良くやっているコーラとジョーカー。
エドガーの倉庫で。コーラは、ジョーカーが集めている奇銃と宇宙の歴史書の片付けを手伝っている。
ジョーカーは脚立に乗り、コーラから渡された銃を棚に並べながら雑巾であちこち拭いている。
コーラ「(銃をジョーカーにどんどん渡していく)ほいっ」
ジョーカー「ん」
コーラ「ほいっ」
ジョーカー「ん」
コーラ「ほいっ」
ジョーカー「ん」
コーラ「(鼻歌)~。えっと、こっちは弾込め必要やから後でやるとして……。あっ! それ、折り畳み式ライフル!? わっ。スッゴー! 見せて見せてっ!」
ジョーカー「あんま荒らすなよ」
コーラ「奇銃収集が趣味なん?」
ジョーカー「いや、いつの間にか。剣はなんとなく好かなくてな」
コーラ「ふぅーん。(ダーク様が剣使うからやな……)あ。わっ、こっちは歴史書ばっか。ぷぷっ。今どき紙媒体でイロイロ保管しとる海賊なんておらんやろ!」
ジョーカー「ここに居るがな」
コーラ「ぷくくっ。ほんま変わっとるわ。片付けやって大変やろぉ? こうやってえ。時間もかかるし」
ジョーカー「別に。勝手に手伝ってるのはお前だろ」
コーラ「うちは片付けとか好きやしなぁ。キレイになると、ホラ、気持ちええやん」
黙々と片付けを進めるジョーカー。コーラが丁寧にみがいた奇銃を一つ一つ受け取り。収納スペースに並べ続ける。
コーラ「(ホコリを払う為、息を吹きかけて)はぁ……よいしょ。……なぁ」
ジョーカー「ん」
コーラ「あんさ」
ジョーカー「なんだ」
コーラ「(銃を渡して)あんた、クロム様のこと好きなんやろ?」
一瞬、銃を受け取った手が止まるジョーカー。
ジョーカー「(溜め息混じりに)だから?」
コーラ「ふっふーん。あんたとクロム様じゃあ不釣り合いやろっ」
ジョーカー「そうだな」
コーラ「……つまらん」
ジョーカー「は?」
コーラ「かかってこいや!」
ジョーカー「誰がどう見ても、あいつの方が合ってるだろ」
コーラ「フーン。あいつってぇ?」
ジョーカー「……」
コーラ「ふふっ。あんた、クロム様の前でええ格好しぃーやもんな。海賊やめて武器商人でも始めたらええんちゃう?」
ジョーカー「は?」
コーラ「武器好きなんやろ?」
ジョーカー「いや」
コーラ「えぇ?」
ジョーカー「誰だって武器は持つだろ。宇宙にはキャギラがウジャウジャ居んだぞ」
コーラ「んー……。あっ、クロム様のメルハープと歌!」
ジョーカー「あ?」
コーラ「知らんの? 凶暴化したインドランスを鎮静出来んねんで」
ジョーカー「ああ……。そうだったな」
コーラ「んん?」
ジョーカー「恥ずかしがって、俺にはあまり聞かせないからな。テトラと二人の時はよく歌っているらしいが」
コーラ「ブッ! ちっとも心許されてへんやん! ギャハハハハハハハ!!」
ジョーカー「おい。心をわざわざ撃ち抜くな」
コーラ「うちらの前でも、確かにはじめの頃は恥ずかしがって弾いてくれへんかったしなぁ」
ジョーカー「あいつ、自分のこと音痴だと思ってるらしいからな」
コーラ「えっ、そうなん? んな……」
エドガーが揺れ。傾く。
ジョーカー「っ!?」 コーラ「ぅわぁっ!?」
ジョーカー「なんだ? 旋回してるか? チッ。テトラのやつ、また勝手に――!」
コーラ「え、えっとー、ちょおーと待ってな。解析……解析っ……あぁっ!?」
ジョーカー「どうした」
コーラ「い、いやぁ。なんかこの先の中惑星に降りようとしとるみたいや」
ジョーカー「はぁ? また道草かよ。チッ。リンディア助けに行くつもりあるのかあのバカ姫」
コーラ「バカ言うな意気地無し!」
ジョーカー「誰が」
コーラ「あ。入港するっぽいで」
ジョーカー「ちょっと待て。あっちに繋げ! コーラ」
コーラ「あいあい」
■シーン3(ディラ、コーラ、クロム、ダナ、ジョーカー、テトラ)男3女3
中惑星、港。キレイに整った設備が充実している場所。
宇宙船は、ナナシとエドガーの他に小さな小型艇が5機泊まっていた。
ディラ「と、いうことなのですっ! 行きましょうっ!(ワクワクドキドキ!)」
コーラ&テトラ「おーっ!」
ジョーカー「待て」
クロム「ダークは?」
ダナ「エドガーでトレーニング中だと」
クロム「そうですか……」
コーラ「筋トレばっかしとるもんなぁ、いっつも」
ダナ「俺とクロムはナナシで待ってるからよ」
ディラ「はーいっ!」
クロム「本当に平気ですか? ディラ」
ディラ「へーきですよっ!」
クロム「じゃあ、これ。オルタイトの品番と重量のメモです。なくさないで下さいね。あとお金。危ないから走っちゃだめですよ」
ディラが首から下げているヒヨコのがま口に、メモとお金を入れるクロム。
ディラ「はいっ! いってきまーすっ!(駆け出す)」
クロム「あっ、走っちゃだめだって……! もうっ」
コーラ「うちに任せてっ! ほらテトラ、ジョーカー! 行くでっ! あははははーっ!(駆け出す)」
テトラ「はいはーいっ。じゃあね、姫さん(駆け出す)」
ジョーカー「チッ(駆け出す)」
クロム「大丈夫かしら……」
ダナ「ま、気長に待とうぜ」
クロム「はぁ……。お姉様……」
■シーン4(コーラ、ジョーカー、テトラ、ディラ、クロム、ダナ、ミク、リリイ、カジュリア、ジュデア)男5女5
1分後。街中。色々な文化が交じり合った、統一感の無い街並み。街は喧騒に包まれていて。道は石畳。
コーラ「(何度見渡しても、ディラの姿がなく)あれ? ディラ? あっ、ちょっ!? ジョーカー! どこ行くん!?」
ジョーカー「ああ? ちょっとまあ、馴染みの武器屋に……」
コーラ「やっぱ武器好きなんやないか! ちょっ! テトラ!? あんたもどこ行くん!!」
テトラ「あっちに美味しいリンゴパイのお店があるんだよ。コーラもどう?」
コーラ「えっ! リンゴパイ!? 行くっ!」
テトラ「杏子パイもオススメだよ」
コーラ「えっ、えーっ! 全部食べるっ!」
テトラ「ふふふ。(ブクブク太ったコーラをからかって遊ぶのも、面白そうだなぁ)」
コーラ「なんやぁー?」
テトラ「ううん! 行こっ」
ジョーカー、コーラ、テトラが去った路地に現れるディラ。
ディラ「(足音)んー、と……。あっ、あっち! あれ、なんだろ?」
ナナシ。メルハープを分解しているクロムとダナ。
クロム「あっ!!」
ダナ「ん? 何、どした」
クロム「地図を書き忘れましたっ!」
ダナ「あぁ?」
クロム「ど、どうしよう。ディラ、迷子になってるんじゃないですか!?」
ダナ「はぁ? いやいや、平気だろ。鉱石屋、港の目の前だし。さっき一緒に見上げたじゃねえか。目立つしなぁ。あの建物」
クロム「……うーん……」
街中を駆け回っているディラ。
ディラ「えーっと……。あっ、こっち曲がってみようっと! あそこの坂道……良いカーブしてるっ!」
走ってきたディラにぶつかられるミク。
ミク「わっ!」
ディラ「きゃあっ!」
お互い尻餅を着く。
ミク「いたた……」
ディラ「いつつ……。ごっごめんなさいっ!」
ミク「あ、ううん。僕も不注意だったから……(先に起き上がり、ディラに手を差し出して)ごめんね。立てる?」
ディラ「あ、はい……。ありがとうございます」
ミク「変わった格好だね。この辺の人じゃないの?」
ディラ「え、あ、えーと、」
ミク「えっ、……と」
沈黙。
二人、なんとなく微笑みあう。
街中。別の場所。テトラポットがたくさんある、海辺。船虫がたくさん居る。
リリイ「みくーっ!? (カジュリア「ミクーっ!」)おーいっ!」
カジュリア「ミークーっ!? ……もぉー。どこ行っちゃったんだろ。困ったなぁ。リリイじゃなくってミクが迷子になるなんてぇ」
リリイ「お?」
ジュデア「(欠伸)ふぁ……」
カジュリア「ちょっとジュデア。真面目に探してよっ!」
ジュデア「その内出てくるだろ」
カジュリア「もー! 穴に落ちてハマって出られなくなってたらどうする気よ! ほらほらっ! あっち行ってみよっ!」
ジュデア「はっ。お前は本当にバカだな。……おい、リリナ・アンリ。これを嗅げ。ミツキ・クロナの靴だ」
リリイ「はいっ! くんくんくんくん……!」
カジュリア「く、靴? いつから! ミク今つまり片足履いてないの?」
リリイ「っ!! こっちですっ!」
ジュデア「おお」 カジュリア「えっ?」
ジュデア「行くぞ」
カジュリア「う、うんっ。リリイ待ってっ」
リリイ「ミクぅーっ! わぉーんっ!」
カジュリア「リリイ、いつから犬属性に!」
ジュデア「ふん。実験の成果が出ているようだな」
カジュリア「はァ!?」
ジュデア「どうした。死ぬ気で走れ」
カジュリア「あんた後でちゃんと話聞かせなさいよ!?」
ナナシ。
クロム「やはり心配です。様子を見に行きましょう!」
ダナ「まあまあ待て待て。テトラに通信入れようぜ。……っと」
テトラに通信を繋ぐダナ。ツーツーツー。
テトラ『はいはい? 何? どうしたの?』
クロム「今どちらに居ますか?」
コーラ『(モグモグしながら)く、クロム様にもちゃんとお土産買ってきますよぉっ?』
クロム「えっ?」
テトラ『わ、ばか。コーラ! あ、あはははーっ! 大丈夫だよ。多分ディラも今頃オルタイトを買ってる頃じゃないかなぁ?』
ダナ「一緒に居ねぇのか?」
クロム「テトラ! ちゃんとディラを探して下さいっ!」
テトラ『う、うん。わかってる。わかってるよっ』
コーラ『あっ! テトラテトラ! あっちあっちっちっち! 人形劇やっとるって! いこーっ! 飴配ってるぅーっ!』
テトラ『ち、ちょっとコーラ待ってって! じ、じゃあね。ダナ、クロム。またあとで!』
しんとなる。
クロム「――っダナ!!」
ダナ「な、なんだよ。俺のせいか!?」
クロム「私たちも行きましょう!」
ダナ「えっ、ま、待て待て! きっとジョーカーと一緒に居るんだって!」
クロム「じゃあジョーカーにかけて下さい!」
ダナ「ああ、はいはい。えっと……。ジョーカーの通信機の番号は……」
クロム「04227515EDJです!」
ダナ「おお。えーと、0422……? えーと、こうか」
通信をかける。ツーツーツー。
ダナ「……」
クロム「……」
ジョーカー「? ……チッ」
ジョーカー、通信を切る。
ダナ「あっ! 切られた!」
クロム「えっ!?」
ダナ「もう一回かけるか?」
クロム「勿論!」
通信をかける。ツーツーツー。
ダナ「……」
クロム「……」
ジョーカー『……。なんだ。今忙しい』
クロム「ジョーカー! ディラは今どこに居ますか?」
ジョーカー『ああ? 鉱石屋だろ?』
ダナ「やっぱお前も一緒に居ねぇのか」
クロム「ああ……ディラ! やっぱり行きましょう!」
ダナ「待てって! あのな。昔からこう言うんだ、可愛い子には、旅をさせろ(キリッ)ってな」
クロム「そんなこと言ったって心配です! 何かあったらどうしよう!」
ダナ「やれやれ……」
港近く。迷子になっているリリイとぶつかる、コーラ。
リリイ「ひゃっ!」
コーラ「わぁっ!」
尻餅を着くリリイとコーラ。
テトラ「コーラ!」
コーラ「たたた……」
リリイ「っご、ごめんなさいっ!」
テトラ&コーラ「……ディラ?」
リリイ「う?」
テトラ「わ。びっくりした。声が似てたから……」
コーラ「雰囲気も似とらん?」
テトラ「そうだね」
リリイ「??」
テトラ「でも……何もかも違う。ごめんね、立てる?(リリイに手を貸す)」
リリイ「あ、ありがとう」
テトラ「気を付けてね。足とか怪我しなかった?」
リリイ「う、うんっ! ごめんなさい、友達とはぐれちゃって……。じゃあっ!(去っていく)」
コーラ「ばいばーい」
テトラ「……(リリイと握った手をじっと見て)」
コーラ「なに? どしたん」
テトラ「いや……。ディラと同じ、変な感じがしたんだ」
コーラ「変な感じって?」
テトラ「ほら、ディラにも……。クロムみたいに、キャギラや危ないものを静める力があるでしょ」
コーラ「ああ、うん。あの子も?」
テトラ「同じじゃない。むしろ真逆……」
コーラ「なんやの」
テトラ「なんだか凄い狂気を感じた……」
コーラ「あんな可愛い子にぃ?」
テトラ「……人は、見た目じゃはかれないよ」
■シーン5(ミク、ディラ、ジュデア、カジュリア、苺、木耳、苫東)男4女3
ワッフル屋さんの入り口で揉めている苫東、苺、木耳。
木耳「オオイ!!」
苫東&苺「ん?」
木耳「なんで壊した!? なんでトイレのドア壊した!?」
苺「だぁってぇ」
苫東「しょうがねーじゃん、内開きじゃなかったんだから」
木耳「テキサスのバーかよ! 自動扉かよ!」
苺&苫東「突っ込み?」
木耳「今までお前らが使ったことあるトイレで、内開きのトイレってなかったろ!?」
苺「ぎゃあはははははははは!!」 苫東「そうだなぁ」
木耳「おい、イチゴ今そこ笑う所じゃねぇし!」
苺「ごめんちゃん」
苫東「ぎゃあああはははははははは!!」
木耳「うるせえっ!」
苫東に飛び蹴りを喰らわす木耳。
苫東「ゲフウ!」
木耳「ちゃんと働いて。弁償しようぜ!」
苺&苫東「わかった」
苫東「おい、店員! 俺様たちに、その衣装を貸せ! フンッ」
木耳「我々魔王一族っ!! 便所の修理費返すまではっ……!!」
苺&苫東「ひたすらご奉仕しちゃうんだにゃーん!!」
木耳「おい似合うな……。トマト、お前猫耳似合うな……。だが裸エプロンはやめておけ。通報されるぞ」
苫東「あー、苺はいつもとあんま変わり映えしねぇなぁ」
苺「元々メイドですからねえ。あっ、ネギネギ! お掃除お掃除ぃっ! ラーメン作って良いですか?」
苫東&木耳「刻んで入れるつもりかまた!」
苺「あはははははははははっ! バーカ」
苫東「ワーライ!」
木耳「笑えない」
苺「あっ、はーいっ! 何ですか? お客様! あ、お水ですか? テメエで入れやがれですっ! ハイッ! お水1リットルで1800円でーすっ!」
木耳「川越シェフ並みのボッタクリ高級レストランか!」
苫東「よし。俺様も料理を手伝おう! ケティラヴェティーラジュミュリュリィカリリルート……!」
木耳「おい人間界で平然と闇の炎魔法使うなっ!」
苫東「お待たせした、マドモアゼル。闇の七面鳥ディクラッシェンドポワレだ(キリッ)」
木耳「ッ!? いい感じの香ばしい匂いが……!?」
苫東「こだわり抜いた素材。オレガノ、ガーリック、シナモンにオリーブオイル! そして……(主婦客の手の甲にキスをして)俺様の、愛が詰まっている。すぐに、召し上がれ」
トマト以外の役者全員「キャーッ!!(照れ)」
苺「お客さんたちには激ウケですよっ! 流石トマトさまっ! グーッ!」
木耳「おお」
苫東「おい木耳。以前勇者が居た町で見た、“さーかす”というので、こうまあるい炎を猛獣がくぐる! というのをやっていてだな」
苺「おおーっ!」
木耳「え? それやりたいのか?」
苫東「ああ、そうだっ! さあ、木耳っ! コウモリの姿になり、この炎を潜り抜けろっ! はぁぁぁ……! “業火よ見舞え! その煌めき、円舞を描き、飽くるまで解き放てっ!”」
木耳「絶対やだ」
苫東「(アドリブ)」
苺「(アドリブ)」
木耳「(アドリブ)」
ワッフル屋さんの二階テラスでお茶しているミクとディラ。
ミク「へぇ……。大変な旅をしてるんだね!」
ミクはエスプレッソと、シンプルなプレーンワッフルを一枚食べていて。ディラはカプチーノと、アイスもりもり豪華七段デコデコワッフルを食べている。
ディラ「(もぐもぐ……ごっくんして)そうなの! でもね、クロム様が居るから大丈夫! それにね、剣豪のダーク様に、最新型インドランスのテトラくん。ちょっと冷たいけど、頼りになるジョーカー様に。ダンディで素敵なサイボーグのダナに。幼馴染みのコーラも、」
ミク「ふふふふっ」
ディラ「?」
ミク「仲間の人たちのこと、大好きなんだね」
ディラ「えっ、あ、うんっ(照れながら。再びワッフルを食べる)」
ミク「美味しいね。僕、ワッフルってはじめて食べた」
ディラ「えっ、ほんと! もっと食べて! 私のも食べる!?」
ミク「えっ、あ、だ大丈夫だよ。リリイ、食べて食べて」
ディラ「リリイ?」
ミク「あっ、ご、ごめん! ディラ!」
ディラ「ふふっ。誰と間違えたの? 恋人?」
ミク「ち、ちがうっ。い、妹!」
ディラ「へぇ! ミク妹居るんだ」
ミク「いや、妹、みたいな?」
ディラ「(もぐもぐしながら)ふぅん。私に似てるの?」
ミク「うーん。外見は全然違うんだけど。なんでだろ。雰囲気が少しだけ似てる気がするなぁ」
ディラ「ほぅなんら」
ミク「でも、ディラのほうがひとつ歳上だから。お姉さんだね」
ディラ「えっ。お姉さん!? わぁー。会ってみたいなぁ。その子もこの街に来てるの?」
ミク「えっ、あ、うん!」
ディラ「良かったの? 道草くっても」
ミク「あ、うーん……。(ジュデア先生もカジュリア先輩も買い物好きだから。多分魔法屋以外も行くだろうし……)僕は、少しなら大丈夫。でも食べたらすぐに戻らなきゃ。ディラこそ大丈夫なの?」
ディラ「んへっ?」
ミク「仲間の人たち、心配してないかな?」
ディラ「ミクだって」
ミク「僕はほら、しっかりしてるから大丈夫だよ。ディラ、お金とかはちゃんと持ってるの?」
ディラ「(もぐもぐ)……えっ」
ミク「?」
ディラ「あっ! お、お金は……! お使いのがあるからっ!」
ミク「えっ? それ使って良いの?」
ディラ「だっだめ!」
ミク「ぶふふっ!」
ディラ「あああ……ど、どうしよう」
ミク「じゃあここは、僕が払うね(伝票を持って立ち上がる)」
ディラ「えっだっだめだよ!」
ミク「でもディラお金持ってないんでしょ。いいよ。ここは僕が……」
ジュデア「(ミクとディラの間にスッと手を入れ。伝票を奪う)貸せ」
ミク&ディラ「わっ」
ジュデア「探したぞ。ミツキ・クロナ」
ミク「あっ、ジュデア先生っ!」
ディラ「せんせい?」
ジュデア「おい、店員!」
苺「はぁーいっ!」
ジュデア「(支払いを済ませる)……釣りは要らん」
苺「オッケー! ありがとうございましたーっ!」
ディラ「……? ……ジョーカー、様? ……?? あ、目付きが一緒」
ジュデア「まったく。こんな所で逢い引きとは」
ミク「ちっ違うんです! すみませんっ! せ、先生っ! 僕、自分で支払いますからっ!」
ジュデア「もう遅い。行くぞ」
ミク「す、すみません……」
ディラ「ご、ご馳走さまでしたっ! 見ず知らずの方に……」
ジュデア「金がなかったんだろ」
ディラ「は、はい。とても足りなくて……。助かりました」
ジュデア「ふん。ミツキ・クロナ。これはお前への貸しだ」
ミク「えっ、あっ、は、はいっ!」
ジュデア「今度私の実験に付き合え」
カジュリア「何バカ言ってんのよ!(ジュデアの腹に飛び蹴りを喰らわせる)」
ジュデア「ぐッ!」
ミク「か、カジュリア先輩」
カジュリア「あんたの不気味で不可解な実験に、あたしの大事な後輩巻き込むなっ」
ディラ「クロム様?」
カジュリア「ん? あ、あれ? リリイ、いつの間にイメチェンしたの?」
ディラ「えっ」
ミク「リリイじゃないですよ。彼女はディラメリィ・ヴァン。惑星ケテラスの中央大陸から来た海賊らしいです」
ディラ「えっ、海賊じゃないよっ!」
ミク「えっ?」
ディラ「ぼ、ボクは、ケテラス星中央大陸、アイゼル城の王女です!」
ジュデア&カジュリア「王女?」
ジュデア「ああ……。ニュースになっていたな。王家が絶えたから新しい王族となる者を募ったと」
カジュリア「ああ! あんたがそうなんだ?」
ディラ「(もぐもぐしながら)は、はい。今は、アイゼルの宇宙船、ナナシに乗って。拐われた女王様を迎えに行くところなんですっ!」
ジュデア「そうか。危機迫っているようには見えないが」
カジュリア「ミク、ナンパしたの?」
ミク「違いますよ。ちょっと道歩いてたらぶつかっちゃって。そしたらディラのお腹がグウグウグウグウ鳴るもんだから! ボクは“一緒にお茶でもどう?”って誘っただけです!」
ジュデア&カジュリア「それをナンパっていうんだろ(んじゃないのかなぁ)」
ディラ「そんなにグウグウいってなかったよ!」
ミク「え、そうかな」
ジュデア「私は一部始終を見ていた」
ミク&カジュリア「いつから!?」
ジュデア「確かにその娘の腹はグウグウグウグウ鳴っていた」
ミク「ほらぁ」
カジュリア「プッ」
ディラ「だっだってぇ! 朝から何も食べてなかったんだもんっ!」
ミク「まあまあ。健康な証拠ですよ」
ジュデア「食べて太って健康になって。そこの青い頭のバカみたいなぷにぷに腹にならんようにな」
ディラ「えっ?」
カジュリア「ちょっとジュデア……!?」
ジュデア「なんだ。本当のことだろ。あ、ぶにぶに、だったか? ククッ」
カジュリア「イラアッ!!」
ディラ「け、喧嘩しないでっ!」
ジュデア「悔しかったら俺のように割ってみろ」
カジュリア「はあ!? そんな腐ってる身体でよくもまあそんなこと言えたわね!」
ジュデア「(アドリブで喧嘩を続ける)」
カジュリア「(アドリブ)」
ミク「ディラ。いいのいいの。お店から出よう」
ディラ「えっ? いいの?」
ミク「うん。二人、喧嘩はじまるといつまでもやってるから。そんなことより、僕はリリイを探さなきゃ。ディラも、お使いに行かなくちゃでしょ?」
ディラ「え、あ、そ、そうだね! リリイ、ちゃん、二人と一緒じゃなかったんだ」
ミク「うん。まあいつも迷子になるから。……さ、行こう」
ディラ「う、うんっ」
コーラ「あれっ? ディラ!」
ディラ「コーラ! テトラくん!」
テトラ「やあ、ディラ。オルタイトは買えた?」
ディラ「あ、ま、まだ……。あ、あの、実は女の子を探してて……」
テトラ&コーラ「? ディラに似てる子?」
ディラ「えっ?」
コーラ「金髪ボブの子?」
ディラ「えっ、あっ……。ねぇ、ミク! リリイちゃんって……」
ミク「金髪のボブヘアーしてる! どこで見ました?」
テトラ「港の奥の方に歩いていったよ」
ミク「あっありがとうございますっ! カジュリアせんぱーいっ! ジュデアせんせーっ! 僕、リリイを探しに行ってきますね!」
ジュデア「(アドリブ喧嘩)」
カジュリア「(アドリブ喧嘩)」
ミク「き、聞いてないや。まあいっか。リリイ……あっ、ち違っ! ディラ! 行こっ!」
ディラ「また間違えてるー」
店から出ていくミクとディラ。
テトラ、カジュリアを見つめながら何か考えていて……。
テトラ「……」
コーラ「テトラ?」
テトラ「え?」
コーラ「どしたん」
テトラ「いや、まあ、歳が近そうだから。違うかな、って……」
コーラ「は?」
テトラ「あ、いや。座って何か飲もうか。店員さーん」
苫東&苺「はぁーいっ!」
■シーン6(フルメンバー)
街中。
クロム「ダナっ! 急いで!」
ダナ「んな走んなくったってな、見つかるもんは見つかるし、見つからねぇもんは見つからねぇんだよ、クロム」
クロム「ディラーっ! ディラーっ!? ……はぁ。どうしようっ」
ダナ「ちょっと疲れたな……。あ、あそこにカフェが。! バームクーヘン……っ!」
クロム「ダナっ! 行きますよっ!」
ダナ「ああああ……」
ワッフル屋さん、裏口。
苺「休憩貰いまぁーすっ!」
苫東「はぁ……。人気があるのも辛いな。見ろこのキスマーク。酷いだろ? ははは!」
木耳「(うーむ。なんなのだ、あれは……)」
苺「どしたの?」
木耳「ビーチで売っていた、“くれーぷ”とやらが気になってな」
苫東&苺「くれーぷ?」
木耳「ああ。何やら妙に甘そうな香りで……。巻物のような感じだった」
苺「気になるーっ! 行ってみようっ!」
苫東&木耳「オッケー」
ミク「リリイー!」
白浜。キレイなビーチ。リリイを探しまくっている二人。
ディラ「リリイちゃーんっ!」
ミク「リリイー! おーいっ!」
ディラ「リリイちゃーんっ!」
ミク「居ないなぁ……」
ディラ「……(やだな……)」
ミク「どうしたの? ディラ」
ディラ「ううん……折角友達になったのに、すぐお別れだなぁって思って」
ミク「寂しいの?」
ディラ「……うん。すこし」
ミク「ふははっ!」
ディラ「な、なに」
ミク「可愛いね」
ディラ「?」
ミク「あっ! ディラ、後ろっ!」
ディラ「えっ?」
ミク「危ないなぁ。なんだろう、ゴミ?」
ディラ「大きな布だね……」
ミク「っ? 中に何か入ってる?」
ディラ「なに?」
ミク「ん……よくわかんないや。石? かな」
ディラ「……。えいっ!(ミクに海の水をかける)」
ミク「わっ! ちょっ、濡れちゃうよディラ!」
ディラ「ふふふっ! それっ!」
ミク「あっ、もーっ! こっちだってっ!」
ディラ「きゃははっ」
木耳「(クレープを頬張りながら)おい貴様ら!」
苫東「(クレープを頬張りながら)そこに落ちてるの……魔力を持っているな!」
苺「(クレープを頬張りながら)トマト様っ! あれ、魔法石ですよっ! ちょっとあんたたちっ! それをこっちに渡しなさいっ!」
苫東「くれーぷ、うめ~」 木耳「超うめ~」
ディラ「ミクっ! 見て見て! カニさん!」
ミク「わぁっ」
ディラ&ミク「ちっちゃーいっ」
ミク「ふふっ」
ディラ「かわいーっ!」
木耳「無視か。ザ、お前ら、ワールド。か……」
苫東「そいつらの所有物ではないのか?」
苺「それなら好都合ですねっ! そっと奪っちゃいましょっ!」
苫東「おうっ」
木耳「よし」
カジュリア「ちょおーっと待ったぁあっ!!」
苫東「ぬ?」
ダナ「あ、居た。ディラっ!」
クロム「ディラっ!」
リリイ「あっ、みくー!」
ジョーカー「なんだ、あの妙な格好の奴らは」
テトラ「さぁー? 敵生体じゃない?」
コーラ「キャギラじゃないみたいやけど……」
苫東「おい、木耳! 俺様たち、バカにされてるか!?」
木耳「どうだろうな。人間のことはよくわからん」
苺「魔法石は渡さないんだからっ! それ、魔法石でしょっ! そうなんでしょっ!?」
木耳、苺、苫東、もぐもぐ、ごっくん! クレープを食べ終わる。
ジュデア「カジュリア、」
カジュリア「ん!」
ジュデア「行くぞ」
カジュリア「了解っ!」
ダナ「あの赤いのとキノコ頭のヴァンパイアとメイド、敵なんだな?」
クロム「あのまままではディラが危険です。コーラ、テトラ! 全制御システム解除っ!」
テトラ&コーラ「了解っ!」
ディラ「(皆が来たことに気付かず。ミクと遊んでいる)きゃははっ……」
ミク「(皆が来たこと気付かず。ディラと遊んでいる)あはははっ……」
苫東「木耳、苺っ! やっておしまいっ!」
木耳と苺、二人台詞同時に。
木耳「おう!! “クレッシェンドデクレッシェンドテノールヴァンプァイアフレアー”ッ!!」 苺「お任せくださいトマトさまっ! “イチゴりゅんりゅんきゃりーきゃろらいんぱなっぷスーパー炎ブレス”ッ!!」
ジュデア、コーラ、テトラ、ダナ、次の台詞、全員同時に。
ジュデア「防ぐぞ。“ミリバナサザナラバリィルイヤディオール”……!!」 コーラ「喰らえぇぇぇぇ! “コーラ式アンルックメガ原爆ゴージャス砲”っ! 発射ぁっ!!」
テトラ「“ニュクレウス原子分解砲”ッ! おまけに“スターダストテトラ改造BLTミサイル”――発射っ!!」 ダナ「喰らえ――来い……! ナナシっ!! はぁぁぁぁぁ! “ヴァルガン砲”ッ!! 」
クロム「ちょっ――!?」
ジョーカー「バカがっ――」
カジュリア「こんなとこでやりあったら暴発す……ッ!?」
凄まじい爆発に飲み込まれるみんな。
コーラ&カジュリア「きゃああーっ!?!?」
ダナ&テトラ「わーっ!?!?」
苺&木耳&トマト「はーひふーへほーっ!!(星になる)」
しばらく、静かになって。
全員「……。……うっ……う、うう……」
ジュデア「……くっ……」
コーラ「み、みんな……生きとる? けほっ、けほっ……」
ダナ「ゴホッゴホッ……! な、なんとか」
カジュリア「ミクっ!」
テトラ「あっ、ディラ!」
何かの石が沢山入った袋に寄りかかり、すやすやと眠っているディラとミク。
ディラ&ミク「(寝息を立てている)……」
クロム「ディラ……。良かった」
ダナ「ん? く、クロム! それって!」
クロム「えっ?」
ジュデア「オルタイト?」
カジュリア「えっ! わっ。ほんとだ! こんなにいっぱい!?」
コーラ「あんたらも、オルタイトが必要なん?」
カジュリア「あ、うん。あたしのハニーハープが壊れちゃって……」
ダナ「えっ」
ジョーカー「ハープ……?」
テトラ「見せてくれるかい?」
カジュリア「え、ああ。いいわよ。はい」
ダナ&クロム&コーラ&テトラ&ジョーカー「!!!!」
コーラ「なっ……!」
テトラ「クロムのハープと、全く同じ形!」
ジョーカー「色違いだな」
ダナ「なんで……。その女神像の型は……クロムが……」
テトラ「……偶然。みたいだね。それ、石膏のあちこちに君の指紋がくっきり入ってる」
カジュリア「まあ……。あたしが作ったからねぇ」
ダナ「不思議なことも、あるもんだな」
コーラ「オルタイトは、半分こ! それでええやろ?」
カジュリア「ええ。多いくらいよ。他に使い道、あんたたちはないの?」
ダナ「うーん……」
ジョーカー「オルタイトが入手困難な星で売れば高値がつくな」
クロム「ちょっと、ジョーカー!」
ジョーカー「ふん……」
ダナ「あっ! ナナシの外壁。オルタイト、あちこち使ってたな。修繕とかに役立つぜ」
コーラ「ああ! せやなぁ!」
ジョーカー「チッ……」
クロム「ダナ。テトラ。ディラとオルタイトをナナシまで運びましょう」
ダナ「ほいほいっと」
テトラ「はぁーい」
ダナ「じゃあな。気の強いお嬢さん」
カジュリア「あ、うん」
テトラ「……っ(ジュデアをじっと見詰めていて)」
ジュデア「なんだ」
テトラ「……ううん。やっぱり赤の他人だ」
ジュデア「?」
リリイ「あっ! かずー! ジュデアせんせーっ!」
カジュリア「リリイ!」
ジュデア「リリナ・アンリ。帰るぞ」
リリイ「ふにょっ。はーいっ」
リリイ、カジュリアの横に駆けてきて。ダナにおんぶされているディラに気付き。
リリイ「? 可愛い子だね」
カジュリア「ディラ、だって」
リリイ「ディラちゃん……。(ディラに顔を近付け)お話したかったなぁー」
カジュリア「今度ね」
ジュデア「機会はあるだろ」
リリイ「ううん。もう二度と会えないよ」
カジュリア&ジュデア「えっ?」
リリイ「学園に帰ろっ! かずー! せんせっ!(自分たちの宇宙船に向かって走り出す)」
カジュリア「あっ! ま、待ってよリリイーっ!」
ジュデア「(ミクをおぶって)おい、待て……」
ミク「……せん、せ」
ジュデア「起きたか(ゆっくりとミクを下ろす)」
ミク「ふぁぁ……。あ、あれ?」
ジュデア「帰るぞ」
ミク「えっ、あ、はい! カジュリア先輩と、リリイは?」
ジュデア「先に行った」
ミク「ええっ? い、急ぎましょう!」
テトラ「あ。待って」
ミク「?」
テトラ「君、あの青い髪の女の子と血縁関係があるのに。どうしてそんなに他人行儀なんだい?」
ミク「……えっ?」
テトラ「? ……先輩。って呼んでたから……」
ミク「か、カジュリア先輩は同じ学園のただの先輩ですけど……」
テトラ「え、でも……。(ミクとカジュリアをセンサーで再度スキャンする)やっぱり配列やDNAが同じだし……。ね、コーラ」
コーラ「えっ! う、うちは、そこまでの機能は付いてへんからっ。わ、わからんなぁ」
ミク「キョウダイに見えますか?」
テトラ「いやまったく。そーゆうんじゃないんだよね」
ミク「??」
ジュデア「行くぞ」
ミク「は、はいっ! すみません、失礼しますっ! ……ディラ。ありがとう」
ディラ「……(眠っている)
」
去っていくジュデアとミク。
ダナ「俺たちも帰ろう」
テトラ「……うん」
考え事をしているクロム。
クロム「……同じ、ハープ……」
ジョーカー「気になるのか」
クロム「えっ、い、いえ。別に」
ジョーカー「行くぞ」
クロム「はい」
ディラ「……ミク……。また、あそぼうね」
ミク「きっと……またいつか……」
おわり




