少女への想い
「カイト君?カイト君だよね!?」
俺に話しかけてくれてるのは、俺のもとの世界のクラスメイトであり、片思いの相手【アスカ】だった。
「それにしても凄いね。1人であの数を相手にするなんて・・・」
先ほどまで、激しい戦闘を繰り広げていたとは思えないほど、少女は疲れを感じさせない微笑みを見せてくれていた。そしてアスカは美しく強かった。
6匹のモンスター相手に、アスカは1人で互角以上の戦いを展開し、すべての敵をなぎ倒していった。
「私は早く帰らなきゃいけないんだよ。1人で私の帰りを待つ弟がいるから。そのためには経験値を稼がないとダメなの!!」
少女は俯きながらも、しっかりとそう言った。
俺はそんな彼女の決意に同意は出来なかったが、どうすることもできなかった。
そんな何も出来ない自分が嫌で、でもどうすることも出来なくて・・・
自然と涙が頬を伝うのを感じた。それは1粒だったが、どんな涙よりも重かった。
どうやら、泣き顔は見られてなかったようだ・・・
「じゃあね、私は行かなくちゃ。」
アスカはそう言うと走っていってしまった。
追いかけて「俺も手伝う。」と言いたかった。だが、俺の体は言うことを聞かなかった。
俺はただアスカの背中が小さくなっていくのを眺めることしかできなかった。
ある日、俺はある街の中央にいた。そこには俺と同じようにたくさんの人が集まっていた。
これは最近発見されたボスを倒すためだけに集められた、いわば対ボスチームだ。
このボスを倒せば帰ることができるかも知れないと色々な街でそれぞれ、たくさんの人が集まっている。
よく見ると同い年くらい奴ばかりだ。中には中年もいるが若者が大半を占めている。
きっと俺と同じで受験の願いでもしたのだろうか。
ふと、頭にある人物が浮かんだ。
アスカ・・・君はどんな願いを叶えて欲しかったのだろうか?無事なのか?ここにはアスカの姿は見当たらない。
不安が俺の肩に重くのしかかる。ほかの街にいるのか?もし、また会えたらその時は・・・
色々と考えているうちに作戦会議が始まろうとしていた。リーダーらしき人物があたりを見回し
「みなさん、お集まりくださりありがとうございます。これから対ボス作戦会議を始めます!!」
作戦はいたってシンプルで何人かが壁役としてボスの注意を引き、残りのメンバーで一斉攻撃を仕掛ける。というものだった。
そして、俺達はボスの待つ洞窟へ進んでいった・・・