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新世界への幕開け
「ようこそ、私の世界へ。」
体をローブで包み、顔も見えない男はハッキリとそう言った。
「私の世界?お前は何が目的なんだ!?」
と周りから叫び声が次々と飛び出す。
「おやおや、まだ何も理解していませんでしたか?」
フフッと不気味な笑い声とともに男は語りだした。
「ここはもうひとつの世界であります。貴方達がこの世界をクリアすることで、解放されるように作られています。」
俺はあのサイトを起動したことで、この世界に来たことは薄々気付いていた。
だが、その目的、そして方法は解らなかった。あの男もそれについては語るつもりはないらしい。
「クリアとは何を指しているんだ?ボスでも倒せばいいのか??」
とっさに俺は質問していた。
「そのとおりです。貴方達はこの世界のどこかにいるボスを倒せばいいのです。簡単でしょう?」
ニヤニヤしながら男は答えた。そして信じられないことを口にした。
「大事なことを言ってませんでした。もし体力が尽きてしまうと、貴方達に待っているのは死です。みなさまお気を付け下さい。」
男はそう言い終わると、消えるように姿を消していった・・・