愛羅舞優
もっと一緒にいたかったなぁ…
俺は毎日後悔しています。
なんで手放してしまったんだろう…
どうしてあいつの気持ちをわかってやれなかったんだろう…
彼女に別れを告げてからもう6ヶ月がたったのに毎日頭に浮かぶのは彼女のあの可愛らしい笑顔。
離れて初めて気付いたあいつの大切さ…。
『こんなデカかったっけ…』
静まりかえった部屋…朝なのに真っ暗な感じがする。
もう一度…あいつの笑顔が見たい…。
「なぁぁぁにがあいつの笑顔がもう一度見たい…よッッ!!」
「ぅわッッ!!お前…いつからいたんだよ!!」
「俺は毎日後悔しています…辺りからもうすでにあんたの横にいたわよ!!」
「まじかよ!!うわぁ〜最低…すげぇ頭ん中覗かれた気するぅ〜」
「えぇ覗いたわあんたのキモイばかみたいな考えをね!?」
「あぁッ!?んだとこのクソ女!!」
「黙れ妄想族!!」そう…私の彼氏は妄想野郎。
別にイヤらしい妄想ってわけではないんだけど…変わった妄想です。
その妄想というのが私と別れた妄想…。
「あんたそんなに私と別れたいわけ!?」
「誰が別れたいなんて言ったよ!!?」
いつもこのことで喧嘩。
だって別れた妄想なんて嫌じゃない?
するんだったらもっとラブラブな妄想してほしい…。
「お前は何にもわかってねぇッ!!!!」
「わかりたくもないわよ!!」
「わかってよ!!」
「嫌ぢゃぁぁぁ!!!!!!」
ガキっぽいやりとりが延々と続く。
でも私にとってはこの時間さえも幸せだなと思ってしまう。
少なくとも…彼が側にいるから。
「お前ちゃんと俺がポロポロと溢しちまった妄想の塊聞いてたのかよ!!」
「聞いていましたとも!!シッカリバッチリと!!」
「じゃぁ俺がどんだけお前のこと好きかわかんだろ!?」
「は!?」
いきなり何を言い出すんだこのジジィわ…。
柄にもなく少しだけほんの1ミリくらぃドキッとしただろうが。
「知らないょ…」
今まで知りたくても…怖くて聞けなかった…。
「だから…俺はお前が俺のこと嫌いになろうがウザがろうが俺はずっとお前のこと好きでい続ける!!っていうくらい好きなんだよ!!わかったかこのクソがぁぁ!!!」
彼は頬を紅く染ながら叫んだ。
それと同様に私の頬も赤みを増した。
「ぃ、意味わかんないから!!!大体!そんくらい好きだったんならもっと幸せな妄想しなさぃよ!!」
「お前が俺のことフリそうで恐ぇんだよッ!!」
19歳男子。
本体赤面。
「そりゃコッチの台詞よ!!どんだけ好きだと思ってんの!!」
19歳女子。
本体赤面。
「両想いじゃん」
「いやいや何年前に私達のハートが1つになったと思ってんのよ。今更両想いとかアホか。」
「黙れクソ」
「そんなにクソが好きならトイレで踏ん張って会ってこい」
ダメ!このままだとまた同じだ!!
私は1つ小さく深呼吸をして、彼の前に右手を差し出した。
「?」
「仲直りの握手…」
これだけでもドキドキする。
触れるという行為は私の心臓には強烈なことなわけで…ここだけの話しだが…まだキスもしていない。
2年も付き合ってるのに…なんか逆にキモイよね…。
「ぁ…あぁ」
彼はそっと左手で私の右手を握った。
が、そのままグイッと彼の方に引っ張られ抱き締められました。
「な、なにッ!?///」
「別に…///」
「仲直りのしるし??」
「いや…」
すると彼は少し私との間に隙間をあけると顎をクイッと持ち上げた。
その瞬間…生まれて初めての感覚が唇を包んだ。
「ぁ…」
「仲直りの…しるし…/////」
私には妄想族の彼氏がいます。
とても恥ずかしがりやでなかなか自分の気持ちを伝えられない人…。
それでも私は大好きです!
どんな形でも…彼の愛情を感じた今日この頃でした。。。♪