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ナンパから助けた地味なメガネ女子の正体は、同じクラスのイケメン女子でした  作者: 結城ユウキ


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第18話 恋愛相談と衝撃の……


「ねぇ、なんで私のところに?」


「俺も分かんねぇよ」


「私、星野くんと話したことほぼ無いんだけど……」


 俺と氷川が声を潜めて話しているこの場所は────賑わっている学食の四人テーブル席。


 空いている向かいの二席は、星野と二階堂の席だ。

 二人は昼飯を買いに行っているので、俺たちは場所取り係として席に残っていた。


「多分だけど、あいつから恋愛相談されると思うから。頼んだ」


「えぇ……私に縁の無いものを」


 そう言われると、氷川も恋愛経験は少ないのか。

 普段の姿を知ってるからそれほど驚きはしないけど、星野は想像もつかないだろうな。



「よっ、待たせたな」


「お待たせ~」


 そうして話していると、二人がトレイを持って戻ってきた。


「ほらよ」


「おう、ありがと」


 俺は、しょうが焼き定食が乗ったトレイを星野から受け取る。

 ちなみに氷川は今日も弁当みたいで、何も頼んでいなかった。


「ずいぶんと仲良さそうに話してたな?」


「お前な……まだそんなこと言うか」


 席につく際、声を潜めながら耳元でからかってくる星野。

 そういえばこの場所取りだって、強引に俺たちを残らせたな。


 こいつ……他人を無理やりそんな雰囲気にさせるなら、自分の心配をしろよ。


 呆れながらジトッと視線を向けると、星野は満足気な顔をして席に座った。


「一応、氷川さんにも。弁当って言ってたからあれだけど、デザートにでも食べてくれよ」


「わざわざよかったのに。でも、ありがたくもらうね」


 星野が渡したのは、生クリームが挟まっているクロワッサン。

 こういうちょっとした気遣いが出来るとこが、こいつのモテる要因の一つなんだろう。


 笑顔でお礼を言う氷川は、見覚えのある巾着袋から弁当箱を取り出していた。


「氷川さんっていつも弁当なのか?」


「そうだね。学食は混んでて大変そうだから、お弁当にしてる」


「もしかして、自分でお弁当作ってるの?」


 俺の向かいに座る二階堂が、そんな疑問を投げ掛けた。

 今の言葉ですぐに気づくなんて、なかなかに鋭いな。


「えっ、まぁ簡単にだけどね……」


 氷川のほうも驚いた様子で、苦笑を浮かべていた。


「マジかよ、氷川さんって料理も出来んのか」


「これで、頭もいいんだから……。いったい何者……」


「ふふっ、それで? 前田くんから何となく聞いたけど、私に相談事?」


「あ、あぁ……実は、付き合ってる彼女と喧嘩してて────」



 氷川に促されると、話は本題に入っていった。


 朝に聞いた内容よりも詳しい説明で、いかに俺があてにされてなかったかが分かる。


 自分の昼飯に手を付けることなく、熱心に話す星野。

 俺や二階堂、氷川は食べながら聞いているけど、昼飯のお供として聞くにはやや重い話だ。



「なるほどね。ん~。確かに一ヶ月も喧嘩が続くなら、別れることも考えるべきだろうね」


「やっぱりそうなるかぁ……」


「普通に考えたらそうだろ」


「氷川さんでもその答えなら、もう諦めるしかないんじゃない?」


 氷川の言葉を聞いて、星野はガックリ項垂れる。


 落ち込む人に諦めろと言うのは酷だけど……。正直、氷川でもこの答えなんじゃ諦めるしかないだろう。


「星野くん、どうしてもその人がいいんだよね?」


「あぁ! そりゃもちろん!」


 その言葉に星野は一瞬で顔を上げると、熱のこもった声で返す。


 返事に満足したのか、氷川は笑みを浮かべて────



「その気持ち、ちゃんと伝えた? 一ヶ月経っても想い続けてるって」



「一応、伝えたつもりだけど。反省してる、仲直りしたいって」



「それは謝って反省してることを伝えただけでしょ。相手を想う気持ちを────好きって気持ちを、口に出して伝えてないんじゃない?」



 俺には考えつかなかったその案は、当事者でもないのにすごくスッキリするもので。

 星野のほうを見ると、真剣な表情で考え込んでいた。


「言われてみれば。謝ってばっかで、ちゃんと言葉にしてなかったかも」


「女の子なら、真正面から好きって伝えられればキュンってするものだと思うけど」


「……そっか。確かにそうだったかもな。ありがと、氷川さん! もう一回ちゃんと伝えてみるわ」


 徐々に星野の顔に明るさが戻ってきたのを見て、俺たちも一安心というように顔を見合わせる。


「やっぱ、流石は氷川さんって感じだな。これだったら、最初から氷川さんに相談するべきだったよ」


「もう俺は、痴話喧嘩に巻き込まれるのは勘弁だからな」


「僕もだよ……」


「あはは……悪かったな。まだ解決した訳じゃないけど、二人も助かったよ」


 希望が見えたことへの安心感なのか、星野のテンションはいつも通りに戻っていた。

 俺としても、このほうが接しやすいからホッとする。


「でも氷川さん、恋愛慣れしてるだけあるよな」


「ん? 私、恋愛したことないよ」


「「えっっ!?」」


 氷川が真顔で発した発言がよほど衝撃的だったのか、立ち上がって驚く星野と二階堂。


 そりゃ、このイケメン氷川を見てたらそういう反応にもなるよな……。



「マ、マジか……」



「そんなに意外だった?」



「氷川さんって皆に人気だから、てっきり……」



「でも、気になってる男子はいるけどね」



「「「えぇっ!?」」」



 間髪入れずに告げられたまたまた衝撃的な言葉には、今度は俺も思わず立ち上がってしまった。


 気になってる男子……そんなやついたのか。


 信じられないといった視線を向けると、何かを企んでいるときに浮かべる笑みを見せた氷川と目が合った。


作品を見つけていただきありがとうございます。


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