移動教室
掲載日:2026/04/18
移動教室。
廊下をクラスメイトと歩く。
男子は剣術の授業で剣闘場へ。
女子は刺繍の授業で家庭科室へ。
エリカは、ふとアルを見た。
アルと目が合う。
嬉しくて、エリカは小さく微笑んだ。
アルも、同じように笑い返す。
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「男女別々の授業。離れるの、ちょっと寂しいな」
「僕も寂しい」
少しの沈黙。
廊下のざわめきだけが、二人の間を通り過ぎる。
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「でも、剣術の次の授業は座学だから。すぐに会えるよ」
アルはそう言って、少しだけ照れたように続けた。
「それを楽しみに、頑張る」
「私も、楽しみ」
エリカは頷いて――少しだけ、もじもじする。
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「本当はサプライズにしようと思ってたんだけど
今、授業で作ってるハンカチ。アルにあげようと思って、刺繍してるの」
アルは一瞬、言葉を失ってから笑った。
「本当に、嬉しい。剣術、頑張れそうだ」
「まだ出来てないのに、喜んでもらえて嬉しい」
二人はほほえみあった。
ちょっとだけ肩と肩を触れ合わせた。
そうして、二人は、名残惜しそうに顔を見合わせてから、
それぞれの教室へ向かった。
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