貴人 (4)
「エラ!今までここで待っていたのですか?」
エラは私たちが現れると、急いで子供がいるかどうかを確認する様子だった。子供がいないことを確認すると、その眼差しには絶望が宿ったが、イミルが彼女を呼ぶ声にすぐに我を取り戻したようだった。
「もちろんです。お腹が空いているでしょうから、まずはお食事を。明日もまた捜索されるのでしょう?」
彼女の口元は上がっていたが、目には不安がそのまま現れていた。
「食事を用意してくださったのですか??そこまでしていただく必要は…」
彼女の目は絶えず私たちを観察していた。
「いえいえ。お忙しいでしょうから、少しでも時間を惜しまないと。私が遊んでいても仕方ありませんから。」
皿洗いをすると言って横で見守っていたので、私たちは食事中、私的な会話は一言もしなかった。食事をしながら、今日の廃鉱探索で足りなかった部分と、明日はどのように探索を進めるかについて議論した。食べ物自体は確かに美味しかったが、不思議と喉を通りにくかった。
食事を終え、用意された宿舎に入って休んでいると、一人の少女が訪ねてきた。
「あの、ネアお姉ちゃんを探しているんですよね?」
「うん。そうだよ。でも、君は誰?」
ルワンダが言った。
「あ、こんにちは。私はリスです。」
「そう。何の用で来たんだい?」
その少女は巾着袋を一つ差し出した。その中には10シルバーと、かなりの数のカッパーが入っていた。
「お姉ちゃんを必ず見つけてください。」
ルワンダは私を見た。子供の顔はひどく真剣に見えたが、だからといってそんなはした金を受け取るわけにはいかなかった。最善を尽くすから心配するなと言って、返した。
朝が明けて、
今回は地図を描きながら移動することにした。昨日探索した場所は走りながら確認し、素早く地図を描いていった。しかし、思ったより探索は簡単ではなく、最初に入った時は冒険気分でわくわくしていたが、だんだんと気が重くなってきた。
「ここで合ってるか?全部似ていてよく分からないな。」
「ひとまず、分かれ道には入らずに印だけつけておこう。このままだとキリがない。」
入り口からここまで続く大きな坑道をベースにして動き、分かれ道を一つ一つ印した。本来は分かれ道を一つ一つ入って確認したが、深く入ってきたにもかかわらず、その突然変異モンスター以外に特に危険なモンスターはいないようだった。
しばらくして廃鉱の端に着いたが、モンスターも、子供も見当たらなかった。廃鉱の端はぽっかりと開いていて、外とつながっていた。元々は通路としても使われていたという。
なぜか一番奥にモンスターがいるだろうと期待していたのに、いないので皆の表情がさらに暗くなった。ブラッド・クリスタルたちが横で跳ね回っていた。入り口よりも数が多い。
「さて、それじゃあこれから分かれ道に入ってみよう。」
分かれ道に入ると、モンスターがちらほら見え始めた。先に襲いかかってくる奴らもいて、戦闘をしながら時間がさらにかかった。帰る時間まで考えると、今帰らなければならなかった。そのため、私たちはもう少し探索を進めて、反対側に出て休むことにした。エラの顔を見なくても済むという事実に、少し安堵した。
翌朝。
私たちは散らばって分かれ道に入ることにした。モンスターがいるので少し心配はしたが、昨日の探索中には強いモンスターはいなかったので、大丈夫だろうと判断したからだった。
もしその突然変異モンスターに出会ったら、油に火をつけて投げて逃げた後、再び集まって攻撃することにした。そうして6時間ほど経っただろうか?
「ここだ!!」
クルーノが叫んだ。
ゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴ
異質で、かなり低い音色の音に、ジェナは身を震わせ、イミルの顔色が変わった。
ゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴ
ススススス
ゴゴゴゴゴ
間違いなくそれはトットだった。しかし、今まで見てきたトットとは違った。色も黒紫色で、ずっと粘り気がある感じ。何より、とてつもなく大きかった。トットより7倍は大きいレベル、ほとんど僕の背丈と同じだった。火を嫌うようだったので、火が消える前に油瓶をもう一つ投げつけて魔法を唱えた。
「アイスランス!」
「エクスプロージョン!!」
ジェナは普段よりずっと大きなサイズの尖った氷塊を5つ召喚した。僕も普段よりは温度と破壊力を上げた。
ドォォォォン!!!!
ゴゴゴ。
ゴゴゴゴゴ!
スススススススススス
攻撃を受けて腹が立ったのか、床にある火も無視して速い速度で接近してきた。イミルが前に出てメイスを力いっぱい振り下ろすと、「ドン!」という音を立てた。まるで革袋の中に入っている水を叩くような鈍い音。ダメージは全くないように見えた。
スススス
ゴゴゴ!
その瞬間、ミストが素早く上下に揺らめき、尖って体 を収縮させ、濃い白煙を突き破って僕を攻撃した。それを見てルワンダはジャンプしてモンスターを打ち下ろし、僕は盾を持ち上げた。
「ぐはっ!!」
間違いなく盾で防いだ。しかし、切断されたモンスターの触手のようなものは、速度と方向が少し変わっただけで、盾と共に右脇腹を貫いていった。ものすごい速さの攻撃…速さも速さだが、バックラーでもなく、僕の分厚い四角い盾を軽々と貫通してしまうとは…こんなモンスターがいるなんて。幸い、傷はそれほど大きくなかった。僕の体を貫通した物体は、壁に突き刺さると、水のように変わって、再びそいつの元へ戻っていった。
ルワンダが再びモンスターを攻撃した。
「はあっ!!!!!!」
強力な斬撃。
剣光のようなものがちらりと見えた。
「ガン!!」
ガン??
トットから聞こえるはずのない音が聞こえた。よく見ると、モンスターから盾が生えていた。
「僕の盾を真似したのか???」
だとしても、少し大げさに言えば、岩も豆腐のように斬り裂くプラメンティルの剣なのに、簡単に防いでしまうとは、一体どれだけ硬いんだ?ルワンダは斬り続けた。モンスターも持続的に体を尖らせた後、収縮してルワンダを攻撃した。かろうじて避けるルワンダ。
「はあっ!!!」
ルワンダの方へ盾を向けた時、クルーノが全身の力を込めて剣を深く突き刺した。しかし、核には届かなかったようだ。そして、このような突き攻撃は、回復する速度がさらに速かった。
ジェナも魔力をほとんど使い果たして、これ以上アイススピアを使えず、スリングを利用した。あれだけ多くの攻撃をしたのに、核を見つけられないとは、話にならなかった。
僕の治療を終えたイミルも、メイスを掲げて駆け寄った。イミルの攻撃を盾で防ぐモンスター。剣でいくら斬っても散らばっては、再び水のように変わって復旧した。今回も、さっき僕を攻撃した時のように、しばらく止まった。
「避けろ!!」
やはり、尖りながら四方八方に伸びていった。そろそろパターンが見え始めた。あのハリネズミのように四方八方に棘を伸ばす時は、一瞬止まるモーションを取った。
「くっ…」
くっついていたクルーノとイミルは、攻撃を完全に避けきれず、肩と足を負傷して倒れた。幸い深い傷ではなかったが、こうなるともう逃げることもできない。絶望的な状況だった。魔法も全く効果がなく、核はどこにあるのか、ルワンダが何十回も斬りつけたのに見えなかった。イミルが急いで回復しながら言った。
「私が時間を稼ぎますから、逃げてください。」
さっき火のついた油を無視して近づいてきたのを見て、もう無駄だという判断だろうか?イミルは、僕がよく聞いてきた金ばかり気にする教団の人物たちとは違う人物だった。そんな人物を置いて逃げたくなかった。
「ジェナ!凍らせてみて!」
「分かった!」
剣は今よりも効果がないかもしれないが、液体状態のモンスターなら、凍った時により大きな爆発ダメージを与えるだろうと思った。指定した位置の温度を下げる方式なので、射程距離も短く、避けやすいので、その場にいるモンスターでなければ、ほとんど使えない技術。しかし、トットの動きが確実に遅くなった。完全に凍ってはいないが、ジェナは完全に脱力したように見えた。緊迫した状況だが、心を落ち着かせた。
「ふぅ…」
「エクスプロージョン!!」
皆、僕の叫び声を聞いて、その場を離れた。爆発の破壊力は、小さな点のような場所からエネルギーを急速に放出させた時、周りの空気や物質を押し出して生じる圧力波、高温などで決まる。エネルギーを一点に集めて圧縮し始めた。魔法名を叫ぶ必要はないが、九九や相手の顔を思い浮かべる時に名前を言うと、よりよく思い出せるように、習慣的に魔法名を叫びながらイメージメイキングをした。
「まだだ…もっと圧縮しないと。もっと!」
僕の全ての魔力を使って、温度と圧縮する力をさらに高めた。魔力が尽きたのが感じられた。それでも魔力を絞り出そうとすると、指輪の力が流れ込んでくるのが感じられた。指輪を使うと、心臓に痛みが走った。まるで心臓が縮むような感覚、
「くっ。」
これ以上耐えられず、その力を解放した。
ドォォォォン!!!
赤色?いや、黄色。それも明るい黄色に近かった。20メートルは離れていたのに、ものすごい熱気と圧力波が伝わってきた。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
部分的に廃鉱が崩れ、石が落ちてきた。鉱山でダイナマイトを入れて爆発させて採掘する時は、ダイナマイトを直接穴に入れて爆発させる方式だ。それでも鉱山は崩れない。ところが、空中での爆発が一部を崩すとは、その破壊力がどれほど強かったか推測できた。石がばらばらと落ちてきたが、その程度は目をつぶっても避けられた。しかし、指輪の魔力を使った反動なのか、心臓がずっとズキズキして息が苦しく、盾を持ち上げて石を防いだ。
パキッ!
パパキッ!
盾に石が次々とぶつかり、音を立てた。廃鉱がとてつもなく大きく、頑丈で幸いだった。
「みんな、大丈夫か?」
「ふぅ…こんなモンスターがいるなんて…」
埃がある程度収まり、盾が見えた。
「おお…この盾、本当に硬いな…まだ割れてない!」
想像以上に硬かった盾。
うまくすれば使えるかもしれないと思い、心が躍った。モンスターが使っていた盾を持ち上げると、何か玉のようなものがあった。宝石かと思って持ち上げようとすると、地面に突き刺さっていて抜けなかった。もう少し力を入れると、突然その玉を中心に、木の幹のようなものが「ツツツッ」という音を立てて四方八方に伸びていった。
ドクン!
ドクン!
ドクン!