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第五十二話 後方支援局の役割[前編]

会議室の扉を開けた瞬間、わたしの胸は静かに高鳴った。そこには、あの日、準備の段階から共に歩み始めた初期メンバーをはじめ、あれから幾度となく協議と調整を重ね、選び抜いた新たな仲間たちの姿があった。皆が揃い、真っ直ぐな瞳でこちらを見つめている。思わず背筋が伸びた。これが、正式に始動する「後方支援局」の、記念すべき初日――。


わたしとハルシュタイン侯爵を含め、内部職員は計47名。そして、魔道具開発で全面的に協力してくれている外部職人・サミエルを加えれば、総勢48名。今ここに、真に人の命を支える“後方の要”が生まれたのだ。


わたしは一歩前に出て、深く一礼する。


「本日より、後方支援局が正式に始動致します。わたくし、局長として全体の統括にあたります、セレスティア=サフィールです。皆様、どうぞよろしくお願いいたします」


わたしの声に合わせて、会議室全体に静かな熱気が満ちていく。机上には今日配布する配置表と担当部門ごとの資料が並び、それを一つひとつ確認しながら、わたしは口を開いた。


「本日付で新たに各部門の配置と役割について通達致します。まず、わたくしの職務ですが、局長として全体統括および国王直轄案件の対応を任されております。また、戦略立案、外交との連携、緊急時の指揮権を保持し、特別技術開発・装備部門の責任者も兼任致します」


一礼した後、手元の資料をめくりながら、順に部門の説明へ移った。



---


【事務統制部】

部門の中枢として制度設計、支援要請受付、予算管理、報告書処理、各局との連絡調整を担う部門。

・部門長:セレガル(騎士科卒業生)―冷静かつ精密な判断力に優れ、局の文書業務全般を掌握。

・クロエ(予算・書類管理)―財務管理に長けた実務派。

・ラニス(報告書受付・記録)―正確な記録能力と報告書の分類に精通。

・ジェム(スケジュールと議事録)―局内の時間管理と会議の記録役。

・ヒュレイ(行政調整)―各国行政機関との調整交渉の窓口。



---


【報告分析部】

集まった情報の分析、図解・挿絵作成、映像記録をもとに、誰にでも分かる資料を作成し、局内外へ発信する部門。

・部門長:アレクサ(報告の可視化を担う)―芸術的センスと理論性を兼ね備えた可視化の達人。

・副補佐:タイラー(簡略化と編集)―難解な情報の要約・再構築を担当。

・ティリス(映像記録・再構築)―魔法による映像記録と再現に長ける。

・ノア(アーカイブ管理)―長期的記録の保存と分類。

・フリュー(ナレーション担当)―資料解説や周知内容の語り部的存在。



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【外部交渉補佐部】

多言語通訳、文化摩擦の緩和、現地交渉支援など、現地との関係を円滑にする部門。

・部門長:レオナ(多言語対応・調整)―現場に即応できる外交スキルを持つ。

・ニナ(南方語通訳)―南方地域の言語と文化に精通。

・ヴァルド(交渉補佐官)―状況判断と交渉の補助。

・ミリィ(文化背景調査官)―交渉に必要な文化要素を事前収集。

・コリーナ(各国比較分析)―各国の制度や風習の違いをまとめる専門家。



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【現地調査部】

被災地・戦地・復興予定地の安全確認と環境評価を担当。現場の「声」と「現実」を正確に伝える部門。

・部門長:サマイエル(現地統括)―現場指揮と柔軟な対応力に優れ、あらゆる場面に即応。

・カース(地形・物流調査)―物資輸送路と地形の調査担当。

・ティナ(危険要因分析)―魔獣や疫病などのリスク分析を担当。

・ベリエル(魔獣痕跡分析)―脅威の兆候を察知・追跡する専門員。

・イオナ(住民聞き取り)―実際の被害状況を住民の証言から収集。



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【戦略連絡・機動班支援部】

前線との通信、情報の迅速な受け渡し、指令の統一と現場への伝達を行う部門。

・部門長:エリオット(指揮・調整)―状況を俯瞰する能力と柔軟な判断力を持つ。

・リディア(通信魔法専門)―局と前線を繋ぐ魔法通信のプロ。

・ヴェリス(ルート確保)―移動の安全確保と支援経路の策定。

・シェイド(記録・前線連絡)―日々の連絡記録と実地情報の転送。

・ダルトン(文書整備・指令調整)―作戦指示や文書の整理・発出担当。



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「ここまで、五部門それぞれの担当と役割を述べさせて頂きました。各自の職責を果たしつつ、必要があれば柔軟に部門を超えた連携もお願い致します」


一息置いたわたしは、笑顔を浮かべながら声の調子を和らげる。


「皆様、まずは少しお茶でもお飲みください。緊張を解いて、本格的な運営についてはこの後4部門の紹介ののち、各部門に分かれて確認を進めていきましょう。」


侍女たちがお茶と軽食を並べ始め、部屋には和やかな雰囲気が流れ始めた。だがその裏で、それぞれが背負う責任と使命の重さを、誰よりも皆が知っている。これは、ただの“部署”ではない。命を繋ぐために生まれた、“希望の最前線”なのだから――。


(続く)

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