序章 その7 王国発見
五百フィート(約150m)上空。(ここらには見当たらないな、、、)拓斗は今、とある物を探している。「、、ダリヤがエルフの里があると言っていたから、人間のもあるはずなんだが、、」。そう、彼が探しているのは人里だ。「、、あわよくば紙とかも入手しようと思っていたんだが、、まあ、あったとしても羊皮紙なんだろうが」そう言い、俺は頭をかきむしる。しばらく周りを観察しても見当たらなかったので、地面に足をつけた後改めてどうしようか悩んでいると、叫び声が聞こえた。もしやと思い、悲鳴が聞こえた方に向かってみると、何やら白髪交じりのデカいオッサンが後ずさりながらナタっぽいものを振り回している。(、、あれは、、ククリ刀の一種か)そう眺めていると、「ひ、ひいっ、こんなに狼の群れがいるなんて聞いてないぞ王国の報告書は、どうなってるんだ!」とおっさんが言った。(、、王国!?それに報告書となると、紙も普及しているのか。、、これは使えそうだな)その結論に辿り着き、助けることにする。「SARA、〈怪力〉セット」《、、完了》。刹那。狼の群れの真ん中あたりにいる個体の腹あたりに左ストレートを入れる。その直後にその狼の背に手を置き、手をついている狼の右斜め前にいる個体に回転蹴りを入れた。(、、あとは乱戦か、、その前に駆逐する、、!)。その後、俺は超高速を纏い、狼の群れを瞬く間に全滅させていった。
「、、大丈夫ですか」。一人の人間によって、肉塊の山が築かれた、その数秒後、俺はオッサンに訊ねた。「あ、ああ、、ありがとう」。(どうやら言語は通じるようだ。)「、、そうだ、なにかお礼をしなくてはな。なにか欲しいものはあるかい?」「、、んー、じゃあさっきあんたが言ってた王国てのに連れてってくれ。」「、、分かった。俺はエドワードだ。エドとでも呼んでくれ」「、、俺は拓斗だ。よろしく頼む、エド」「ああ」。
王国に向かう間、俺等は互いのステータス、紙についての事情、現状の一般人のステータスについて、などの話を聞いた。
エドワード 37,Lv
膂力:1082 防御力:1402
俊敏:706 魔力:0
跳躍:500 魔力量:0
紙は一応、羊皮紙と植物紙、両方流通しているらしい。
一般人のステータス
省略(序章その5の前の投稿に載せてます)
どうやらエドは、数ある冒険者の中でも、結構上澄みの辺りにいるらしい。
〜しばらくして〜
「さて、ついたぞ、タクト」人気な商店街にいるような賑やかさを見せる王国の城壁の中に、俺はつい見とれてしまった。特に王国の中心あたりに建設された、美しい宮殿に。「、、すごいな」思わず素直な感想を漏らす。「だろ?あそこにあるのが王城ってやつだ。あそこの直ぐ側にギルドセンターがある」「なるほど」「あとで冒険者登録しに行くからな。この街の中心があの王城で、北西にスラム街、北東に工業団地、南西、南東に繁盛地がある。軽く回って気が済んだらギルドセンター前の通りで集合。見た目は、、見ればわかる」見ればわかるって、、それはどうかと思ったが、「、、きゅ〜ん」という可愛らしい腹の声に、その思考は忘れ去られてしまう。「、、そういえば3日間、水ぐらいしか食べてなかったな」「ハッハッハッハッ、そりゃあご苦労だったなぁ。それ、これをやる。」そういってエドが渡してきたのは、ハムとレタスを贅沢に使ったバゲットサンドだった。「、、ありがとう」少々の気まずさを感じながら、バゲットサンドを受け取る。「じゃ、観光してくるよ。」「ああ!」