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短編とかその他

無力な勇者

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2023/09/17



 遠くから狙いを定める弓使いは、嘆いていた。


 残りの矢は一つ。


 九つあったチャンスは、無駄になった。


「なんて強い勇者なんだ」


 弓使いは予感していた。


 きっと次の攻撃も無駄になると。







 死体溢れる場所。


 戦場で立ち尽くす勇者がいた。


 彼は剣を振る事もできない。


 その場から移動する事もできない。


「僕は無力だ」


 心がうちのめされていたからだ。


 体を動かす気力がなかった。


「仲間を失う勇者なんて、仲間一人守れない勇者なんて、勇者じゃない」


 つい少し前にこの戦場で、勇者は敵と戦った。


 敵は全滅し、勇者も生き残った。


 しかし、多くいた仲間は全て死んでしまっていた。


「なんて無力なんだろう」


 勇者は嘆く事しかできなかった。


 勇者は無力ではなく強い。


 遠くから狙う弓を今も、無意識に叩き落した。


 けれど、勇者は無力だと嘆く。


 そんな力は意味がないから。


 彼にとって、力ある強い勇者とは「大切な人を守れる勇者」だから。


「僕は無力だ」


 心が折れた勇者は、もう剣を振る事ができない。


 自分だけしか守る事ができない。


 空を貫く音がした。


 抵抗しなかった勇者はそれに貫かれて死ぬはずだった。


 けれど強い風が吹いて、その矢を防いでしまった。


 その後、遠くで矢の尽きた弓使いが逃げ出していく。


 ぜんぜん強くなんてない。


 弱い勇者から逃げ出していく。



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