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【完結】心が読める私に一目惚れした彼の溺愛はややヤンデレ気味です。  作者: 三月べに@『執筆配信』Vtuberべに猫
お試しの居場所・後編

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44 今の想いでいいじゃないか。(新一視点)


新一視点。




 そこで、ナナハネの携帯電話がピコンと鳴る。

 バイブ付きだったから、テーブルの上に置いたそれが震える音が注目を集めた。


 メッセージ通知。しかも、相手は、あの悪友だ。名前が見えた。

 絶交したのに、まだブロックしてなかったのか?

 怪訝な顔をしたナナハネがそれを確認したらしく、後ろに立って見ている数斗の顔が思いっきり歪んだ。

 いいメッセージではないな……。


「元友だちは、なんて?」

「いえ、別に。なんか、ごめんから始まって言い訳っぽいのが並んでましたけど、ブロックしてメッセージ欄、消しました」


 やるじゃん。

 高校の時、一回喧嘩したのに、スピード解決したのは、あっちが大人の対応みたいに謝ったかららしい。だから、またその手を使うかと思った。


 ナナハネがあっさり繋がりを消せたことに、拍手して褒めたいくらいだ。悪友とは絶交したんだから、次の日に仲直りなんて、お兄ちゃんが許さん。

 ……あ、マズい。おれまで、思考が、深夜テンションだな……。


「お手洗い、行きます」と、ポーチを持って行った。

 逃げたな? 恋愛談から。


 ナナハネがトイレに入ったことを見届けた数斗が、険しい顔をおれ達に戻す。


「さっきのメッセ。ごめんから始まって、”自分も悪いけど、ちゃんと言わなかった七羽ちゃんもどうかと思うし、あんなイケメン達に責めさせるなんて酷い”って書いてあったよ」

「はぁ? いやいや。七羽ちゃんは否定しまくったって! ちゃんと言ったじゃん! おれ達を巻き込んだの、その悪友の子だし! 責められて当然じゃん!」

「チッ! しつこいな。とんだ被害妄想女め。侮辱されたおれ達が被害者なんだから、お前を責めて当然だろーが」

「最悪なのは、”本当は逆ハーを自慢して優越感抱いてたんでしょ”って」

「何がごめんだ。反省の色なしじゃねーか、おい」


 結局、反省することなく、ナナハネを誹謗中傷してんじゃんか。とんだ悪友だな。心身ともに、ナナハネの害。


「ナナハネに付きまとったりしないよな?」

「ちょ、待って? 数斗がそこまで読めたなら、七羽ちゃんも読んだんじゃない? 今また泣いてるんじゃ……?」


 焦った真樹が、バスルームの隣のトイレのドアに目をやる。


「いや、呆れ果てた様子だったから、もう諦めてるだろうし、傷付いて泣いては、いないはず……」


 そうは言っても、心配になるわけだから、数斗も表情にそれが出てきた。しかし、トイレに近付いて声なんて、かけづらい。


 その時。ナナハネがテーブルの上に戻した携帯電話が鳴る。


 あの悪友の名前と番号が表示されていた。電話の着信だ。

 メッセージアプリではブロックされたことに気付いて、電話で直接話すことにしたのか。

 まだ早朝前に電話をかけるなんて、非常識な奴。ホント、自己中な女。


 まぁ、好都合だ。直接話してやるよ。おれ達がな。


 ニヤリとするおれに、二人は勝手に電話に出るのはよくないと咎める視線をやるが、止めないので立派な共犯だ。

 おれは、スピーカーで通話をするようにボタンをタッチした。


〔もしもし、ナナ? ごめんってば。メッセージアプリ、ブロックした? 酷くない? もっと話すべきでしょ。中学からの付き合いなのに〕


 繋がるなり、相手の応答も聞かずにベラベラと……。自己中さが、隠されもしてないな。


〔別に言いふらしたりとかしてないから。悪評とか広めて実害とか出してないじゃん。許してよ。あたしのことだって、ナナのせいじゃ〕

「悪いけど、七羽ちゃんは席外してるよ」


 数斗が、親切に教えてやった。

 電話口から動揺の気配が感じる。


「俺の大事な恋人に、連絡しないでって言ったよね? メッセージ、見たはず。容赦しないよ?」

「全く反省も出来てないくせに、よくも抜け抜けとごめんなんて言えるな。今更惜しくなっても手遅れだ。せいぜい損害を思い知って、その自己中な性格を医者に治してもらえば」

「天使みたいな七羽ちゃんのことは、おれ達が大事にするんで。大きな存在だって気付いても手遅れですよーだ」


 なんか、実は凄い奴なのに、仲間内から追い出したあとに、その凄さに気付いて戻って来いって言うシナリオのラノベ。まだまだ流行ってるよなぁってことを、思い出した。漫画化やアニメ化の方しか見てないけど。

 それに近すぎること言ってると思うと、おかしくて笑いたくなる。



「ざまあ」



 強めに吐き捨ててやれば、プツン、と通話が切れた。


「ハッ! なんも言い返すことも出来ないのか。ナナハネには、ズケズケと遠慮なく自分を正当化することを並べ立てて言うのかよ。まったく」

「やっぱり、七羽ちゃんに甘え切ってたんだろうね。自分のワガママも、我も貫ける相手って。七羽ちゃんだって、我慢の限界があるのに……」

「七羽ちゃんの世話焼きなお姉ちゃんの面に、完全に甘えてたんでしょ~。それなら、それ相応に大切にしろって……うおッ!? 七羽ちゃん!」


 人間として未熟すぎると三人で呆れて言葉を零していれば、真樹が驚いて震え上がる。

 おれと数斗も、同じく震え上がることになった。数斗の斜め後ろに、ちょこんとナナハネが立っていたからだ。


「あ。驚かせてすみません。皆さん、夢中すぎですよ」


 なんて、けろりと軽く謝るナナハネ。


「いつから聞いてて……」

「ほぼ最初から? 着信拒否設定ってどうやるんですか?」


 キョトンとしたみたいな顔で小首を傾げたあと、テーブルの上の自分の携帯電話を手にすると、数斗に尋ねた。


「俺がやってあげる。……怒らないんだ? ごめんね、勝手に電話出て」

「まぁ、悪いことだとは反省してくださいね。あ、そこで設定するんですね」


 数斗が手に持って代わりに設定をしても、ナナハネはしっかり見て覚えようとする。


「なんで黙って聞いてたんだ?」


 ほぼ最初から聞いていたのに、なんで黙っていたのやら。

 ナナハネなら、自分の問題だから、自分で話しそうなものだ。昨日だって、付き合いが長かったこそ、直接向き合って、話をした上で絶交を言い渡したし……。


「皆さん、もう関わってほしくないと思いそうなので?」


 また小首を傾げて、やや疑問形でナナハネはケロッと答えた。


 面食らう。その通りだ……。

 おれ達がまた関わることをよしとしないだろうから、あえて黙って立って聞いていたのか。



「私の代わりに追い払ってくださり、ありがとうございます。本当に」



 数斗から携帯電話を受け取ると、ぺこりと腰を曲げてまで、深く頭を下げた。


 本当に律儀に感謝と伝えてくるよな…………くすぐったい。

 ナナハネが顔を上げれば、はにかんでいたから、余計ムズムズしてしまい、そっぽを向く。


「数斗さん。髪をしっかり、ドライヤーで乾かした方がいいですよ。風邪、引いちゃいますって」

「あ、うん」

「その間に、私、ちょっと寝ます」


 ソファーに乗り込むと、クッションを抱えて、横たわるナナハネ。


「おい、コラ。また異性の前で、無防備に寝るんじゃない。危機感」

「ちょっとだけ~」

「七羽ちゃん、もう部屋でちゃんと寝たらどうかな?」

「ええぇー、まだ時間がある……オールナイトは、まだ……」

「寝た時点で終わってるっつーの。おれ達も出勤ギリギリまでここで寝るし、ナナハネももう切り上げて、部屋のベッドで寝ろって」


 もうカラオケでオールは、終了してるだろうが。


「うむ~。じゃあ、数斗さんが、髪乾かしたら……」

「わかった。ちょっと待ってて」


 目を閉じているナナハネの頭をひと撫でしたら、数斗はバスルームの方へと戻っていった。


「寝落ちるなよー。すぐに部屋まで送っててやるから」

「はぁいぃ……。そうだ、アイコン……遅くなっても、いいですか? いつ、描けるか……わかんない」

「……んー、わかった。焦んなくていいから。気楽に描いてくれ」

「ふあい……」


 曖昧すぎる小さな返事に、口元を緩ませる。


 でも……。いつ描けるか、わからないか。

 今月は休みの日なら、数斗とデートに行くだろうから、その暇がないのかもしれない。

 手始めの依頼を受けてのアイコン作成を頼んだのはいいが……時間がないってことは大問題だ。

 やっぱり、もっと負担が少ない勤め先に変更するべきだろう。もっと時給がよくて、体力勝負とかじゃないバイト先をリストアップ……。


()()()()()()……」


 ふにゃりと口元を動かして、ナナハネはまたお礼の言葉を口にする。

 焦らず気軽に描いていいって言ったことに対しての礼? それとも、何かもう夢でも見てるのか?


 真樹が手を振って、おれの注意を引いた。

 ペンを動かす仕草を見せてるから、多分、イラスト関連の仕事の話をしたのか、って尋ねたいのだろう。

 コクリと肯定として頷きを見せてから、ここでは話せないって、唇に人差し指を当てて見せる。


 そこで、ナナハネの無事を確認しに来たホテル従業員二人が訪問。


 これから、ナナハネだけ、別室の予約しておいた部屋で寝かせると伝えると、案内のためだと女性従業員だけが残る。

 まぁ、多分、送り狼にならないための監視も兼ねてんだろうな。

 数斗も髪を乾かし終えたので、ナナハネを全員で部屋まで送ることにした。



 ナナハネは半分寝ているように、頭がフラフラと揺れる。倒れないようにと、数斗が肩を支えた。


 途中、何もないというのに、カーペットの上で躓いた拍子に「にゃふっ」と奇声を小さく零す。小さくてもちゃんと聞こえたため、おれ達だけではなく、女性従業員も肩を震わせて無言で笑った。


 なんだ、”にゃふっ”て……ククッ。寝ぼけてて、咄嗟に出た声が、”にゃふっ”て……猫かよ。


 数斗が取っていた部屋に到着。


「オールのカラオケ、楽しかったです。ちょっと、またアレなこともありましたけども……本当に楽しかったです。おごってくださり、ありがとうございます。楽しすぎました」


 苦笑いも途中で入れたが、緩み切った満面の笑みを見せて、深々と頭を下げた。


「会う度に修羅場起きちゃうね~アハハ」

「俺と二人で会った日は、修羅場なんてなかったよ?」

「おれと新一が疫病神って言いたいの!?」

「修羅場の元凶の二つ、お前だったろ」


 数斗の発言が聞き捨てならず、言い返してやると、ガクリと頭を垂らす。

 それを見て、クスクスと笑うナナハネ。


「ありがとうございましたぁ~。皆さん、お仕事頑張ってくださいねぇ。……あっ! お姉さん! 私とお友だち! 連絡先を、おろろ?」


 またお礼を言うと、もう一人、その場にいたホテル従業員を顔を合わせてハッとした顔で、数斗が持ってやっていたバックを探る。


 いや、携帯電話なら、お前のカーディガンのポケットにあるぞ。

「おろ?」とまた変な奇声になって、ポケットの携帯電話に気付く。


「覚えてくださってありがとうございます。こちら、よかったら受け取ってくださいませ」

「あー、ありがとうございます。寝ぼけるの見越してくれたんですねぇ……お姉さんは親切で素敵ですぅ。お名前はぁ、莉子(りこ)さん! 私は七羽です~」

「そんな……こちらこそ、ありがとうございます」


 ちゃんと寝ぼけていると自覚しているナナハネは、やはり天然タラシ。


 昨夜ナンパした女性従業員、すっかり心奪われて、名刺を用意して渡してきたじゃないか。

 ナナハネも真心を込めた対応で、いい人間だって判断したんだろうな……。


 ポッと照れている女性従業員に、ナナハネが両腕を広げて近付こうとしたため、サッと数斗が腕を差し込んで、ナナハネを止めた。


「会ったばかりの人に、ハグはなしだよ。七羽ちゃん」

「……嫉妬」


 ぷく、と頬を膨らませているナナハネは、数斗が止めた理由を言い当てる。


「そうだよ? ほら、おやすみのちゅーしようか?」

「そんな習慣はないですけど」

「……うん、ないね……」


 ナナハネが半分寝ぼけていることをいいことに、ちゅーをしようとした数斗だったが、ナナハネは流されなかった。

 キッパリと首を左右に振るナナハネに、見るからに残念がる数斗。


「じゃあ、おやすみなさい~。新一さん、真樹さん、数斗さん。莉子さんは上がりですね、お疲れ様です。三人とも、いってらっしゃい~」


 ひらひらーと手を振るナナハネ。


 いってらっしゃい、か。

 おう、と返事をして、真樹と一緒に手を振って応える。


 そんなナナハネの右手を掴んだのは、数斗。


「七羽ちゃん。俺との挨拶、忘れてるよ?」


 またちゅーか何かの要求かとは過ったが、そう言えば、別れ際は”好き”だって言い合う決まりだったな、と思い出す。


「七羽ちゃん、好きだよ」


 甘く微笑む数斗。


 ”他の女”なら、向けられるだけでイチコロのはず。

 ぽけっとした様子で見上げたナナハネは、全然”他の女”のような反応ではない。


 数斗に掴まれた右手を引き寄せたかと思えば、数斗のその左手にスリッと頬擦りをした。


「好きです、数斗さん……」


 ふわりと微笑んで、想いを告げ返す。


 ……甘。


「おやすみなさーい」


 軽く頭を下げた拍子に数斗の手は放されて、プランと落ちる。

 ナナハネは、ひらひらと手を振りながら、ドアを閉じて鍵を閉めた。


 持ち上げた左手を呆けた顔で見て、立ち尽くす数斗。


「数斗ー、大丈夫かー? 心臓止まったかー?」と、真樹の声は聞こえていないらしい。


「昨日……七羽ちゃん。心を込めて、好きって言えないって、反省してたから……今日、デート中に練習させようと、思ったんだけど……」


 ポッカーンとした顔の数斗が、呆けた声で言う。

 それで、デートをすることになったのか?


「……フツーに心こもってたよね? 今」

「…………天然小悪魔なんだろ」

「天使なの? 小悪魔なの? どっちなの?」

「知るか」


 真樹が言い始めたから、天使が代名詞になったナナハネは、度々、小悪魔にときめかせてる。主に数斗が。多分、特大の。


「あ。その話をしてる時も、手に頬擦りしてくれたんだ…………俺がときめている仕草、学習してる?」

「そうか。あの天然が、意識的にお前を翻弄するのも時間の問題か」

「俺の心臓持つの? それ」

「知るか」


 自分の両手を呆然と見る数斗も、睡魔にやられてんな。


「お前と向き合ってんだから、喜ぶことなら覚えるんじゃないのか? 頑張り中だしな」

「……俺の理性が」

「部屋で二人きりはなるべく避けて、節度守れ。でも別に頑張らなくても、心なら込めてるよな? 謝罪だって、感謝だって……感謝が一番…………」


 ナナハネが頑張りすぎて、数斗が押し倒さないように、お前が頑張って自制してろ。

 でも、頑張りなんて、必要あるのか。


 さっきの”好き”だって、数斗自身に向けられた想いだって、おれ達にすら伝わる。

 ”他の女”なら、数斗の甘い微笑で、”好き”は”その顔が好き”と言っているようにしか思えなかったはずだから。


 チラリ、とこの場を離れるタイミングを見失っている女性従業員に目をやる。

 カラオケ中、無事を確認してくる度に、感謝を伝えられた人。


「あの子。悪い友だちと縁切ったところなんで、連絡がきたら、出来ればいい友だちとして、仲良くしてくれるとありがたいです」

「あ、そうでした。よければ、七羽ちゃんをよろしくお願いします」

「いい子なのは保証しますんで~」

「はい。わたしも彼女と仲良くしていただけたら幸いです。では、失礼します」


 おれは愛想をよくすることなく会釈だけをして、連絡先を渡した女性従業員に伝えておく。

 おれ達の外見のよさに釣られて、ナナハネを繋がりに利用するんじゃないかって、下心が見えないかと見定める。

 でも、杞憂のようで、あくまで接客スマイルを保つ彼女は、ナナハネと仲良くしたいという気持ちを伝えると、頭を下げて先に廊下を歩いた。

 今回は、ナナハネの人の見る目が、発揮されたみたいだな。


「あ、ヤベ。ナナハネの恋愛談。途中で終わった」


 おれ達もカラオケルームに仮眠しに戻ろうと歩き出したところで、思い出す。

 見事にナナハネの思惑通りに、恋愛談を中途半端に終わらせられた。いや、あれで全部、なのか?


「それは、なんの話?」

「イケメン生徒会長に、二度フラれた話ぃ~」

「は? 二度?」

「ん~。なんか青春の始まりみたいに、入学式の日に見つめ合っちゃったから、運命的な感じ~な話は、数斗が嫉妬するだろうから言いたくないって言ってたぁああっておれが言っちゃってるぅ~」


 盛大に、口滑りすぎだろ。顔を覆っても遅いぞ、真樹。


「数斗。落ち着け。お前の嫉妬も感じ取ってるみたいだから、抑えろよな」

「え。七羽ちゃんがそう言ったの?」


 めちゃくちゃ負の雰囲気を放っている数斗の肩を叩いてやる。

 怒りかなんだかわからないけど、そのイケメン生徒会長に、今嫉妬したのは、おれでもわかるぞ。


「いや、はっきりとは言ってなかったけど。多分、イラストレーターを副業感覚で始めさせて、今の職場辞めさせて、最終的には本業として転職させたいって気持ちも、見抜かれてるかも」

「えっ? バレちゃったのっ?」

「ん。とりあえず、挑戦させてくれるお膳立てに感謝された」


 嫌がっているとは思えないが、かと言って、前向きで積極的な姿勢とは思えない。微妙な様子だけど。


「こっちの心配も読み取ってくれて、まぁ、ナナハネのためを考えて提案したって理解してるから、試しにやってみるってことにした感じだな。いつ完成させるかわからないけど、おれのアイコンから、描いてくれるって」

「「…………」」

「んだよ。お前らはもう、お気に入りのをアイコンにしてんだろ」


 ”ずるい”とデカデカと顔に書いている数斗と真樹は、もうナナハネの許可を得て、お気に入りにイラストをアイコンにしている。

 まぁ、リクエストして描いてもらうのは、ずるいと思われるのは当然だが。

 ……数斗。視線、ウザすぎ。やめろ。


「お前のそういう感情もバレてるかもな」

「……そんなに?」

「お試し期間なんて建前だけで、自分を逃がさないと決めてる愛が激重だってことも、薄々気付いてるかもな?」

「…………それでも、お試し恋人関係に頷いてくれたってことは、あとは身を委ねてくれるまで、俺がしっかり放さなければいいってことだろ?」

「ナナハネは、ヤンデレに捕まったんだな」


 ナナハネは、このヤンデレの罠だとわかっていながら、ハマったのか……?

 逃す気ないからな、マジで。


「え? 数斗は、ヤンデレなん? ヤンデレってなんだっけ?」

「病的に愛が重いって点が、ヤンデレに当てはまるんじゃないか」

「愛が重いって…………俺はただ、運命の愛で、全身全霊で愛そうとしてるだけで……。で。さっきの運命的な感じの恋愛談を詳しく」

「ひえぇっ。なんでおれにぃ?」


 数斗が真樹と肩を組んで、話を聞き出し始めた。


 運命感じた話……聞かせるべきじゃなかったな。ナナハネが嫌がった通り。


 自分がナナハネの運命の相手だって、数斗が言ったのか? それとも、またナナハネが察したとか?

 数斗の愛の強さに、戸惑っているんじゃないのか。

 それで、それくらいの強さで好きって返事が出来なくて、反省したのかもな。


 比べなくても、今の想いを伝えればいいじゃん。


 ナナハネは、想いを込めた言葉を言えるんだからさ。



 くすぐったくなった感謝の心を込めた声も。

 ムズムズするほどの嬉しそうな、はにかんだ顔も。

 思い出しては、つくづく思う。


 ホント。可愛すぎて、愛でたくなる妹分だよな。


 戻った部屋のソファーに身体を沈めて、アラームが鳴るまで、眠りに落ちた。



  


いいね、ありがとうございます!

次回、七羽ちゃん視点に戻ります。


(2023/10/05)

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