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三原色の魔力を持っていない無能な僕に、最後に投げつけられたのがドラゴンの卵だった件。〈家無し、仕事無し、貯金無し。それでも家族を助け出す〉  作者: コヨコヨ
シトラを取り返すために身なりを整える

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冒険者の情報

「ミリアさん、ギルドカード(仮)と普通のギルドカードは何が違うんですか?」


「ギルドカード(仮)はギルド内に名前も残らないし、冒険者ランクを上昇させる得点もつかない。他の領土では使えない。普通のギルドカードは今言った説明の逆。主な違いはこれくらいかな」


「なるほど」


「あと、ギルドカード(仮)は特定のランクの依頼しか受けられないの。キース君に渡したギルドカード(仮)はEとDランクの依頼が受けられる。それ以上の依頼は受けられない」


「じゃあ僕はEランクとDランクのどちらかの依頼を受けて、こなせばいいんですね」


「そう言うこと。ギルドカード(仮)の有効期限は半年間、今が九月だから来年の三月末まで使える。楽しくなって冒険者をもっとやってみたいと思ったら試験を受けて本物のギルドカードを貰う必要がある。まぁ、簡単に言えばギルドカード(仮)は冒険者を試せるカードってわけ」


「何となく分かりました。冒険者の依頼を受けたいと思います。赤色の勇者にだけは合いたくないので彼が行動する時間帯や場所なんかをおしえてくれると助かります」


「わかった。他の冒険者も赤色の勇者とは極力会いたがらないからね。彼の行動は私が良く把握しているから安心して」


 そもそも赤色の勇者は朝に仕事なんてしないそうだ。

 夜中まで飲み歩いて、朝から夜まで高級ホテルで眠り、また夜中に飲み歩く。

 フレイはいつも酒を飲んで女遊びしているだけ。

 目をつけられないようにしておけば危害は加えてこないそうだ。


「キース君みたいに朝早くから動いていればフレイにほとんど合わないと思う」


「そうですか。それが聞けただけでも安心しました。今日が九月一五日なので……、九月一九日の朝五時にルフスギルドに行きますね」


「朝五時……。確かにルフスギルドは二四時間やっているけど、さすがに速すぎない?」


「仕事がいつも朝五時から始まるので冒険者になったとしても同じ時間から始めようと思いまして。そう言えば、僕の受ける依頼は決まっているんですか? 自分で見て選ぶべきですかね?」


「一応、もう決めてある。今回キース君の受けてもらう依頼はEランクの薬草採取よ」


「薬草採取ですか。僕は薬草の種類を知りませんよ」


「新米冒険者用の手引きがあるから、心配しないで。手引きには薬草の絵と説明が書いてあるから、それを見て必要な薬草だけを採取してきてほしいの」


「なるほど、手引きがあれば僕でも何とかなりそうですね」


「決まりだな。武器はギルドが貸し出してくれるはずだ。依頼を受ける時に借りるといい」


 アイクさんは微笑んでいた。


「分かりました。僕の出来る範囲で冒険者の依頼をこなします」


 僕はミリアさんの頼みで冒険者の依頼を受けることになった。

 自分から選んだので悔いはない。

 僕でも誰かの為になるのなら、喜んで仕事をしようと思う。


 僕は少しぬるくなった牛乳を飲み干して部屋に戻った。


「まさか冒険者の依頼を受けられるようになるなんて。少し前までは考えられないよ。アイクさんには感謝してもしきれないな。シトラに合って、黒卵さんの中身が生まれてくるまで僕は何があっても死ねない。自分の身は自分で守る。その為には少しでも出来ることを増やさないとな」


 僕は椅子に座り、指先に集中する。

 リークさんの話だと魔法を使うには集中力が必要らしく、魔法が使えるようになるには魔力を感じることが大切らしい。


「指先に魔力を集めるように意識して極限まで集中……」


 集中しきったら詠唱で魔力が指先に溜まっているか確認。

 溜まっていなければ、初めからもう一度行う。これの繰り返し。

 僕は一〇回ほど繰り返して眠気が最高潮に達したころ、ベッドに入り眠る。

 こうすれば、ベッドの中で悶々とすることなく深く眠れるのだ。


 時間は見ていないがゼロ時三〇分ほどだと思う。

 もう少し集中できればいいのだが夜中なのと日中の疲れのせいで上手く集中できていないのかもしれない。


☆☆☆☆


 九月一六から一八日。

 仕事をしていたらあっという間に三日が過ぎた。

 この三日間、僕はアイクさんに言われた仕事をこなし、着々とお金を稼いでいた。

 夜、お店に夕食にくる冒険者らしい人たちの話を遠くから少し聞いたりして、現状を知ろうと試みた結果、いろんなことがわかった。

 僕も冒険者の依頼を受けるので事前に情報を知ろうと思ったのだ。


 一つ目に最近魔物が頻繁に姿を現していること。これは以前から知っていたので、注意するしかない。


 二つ目に多くの冒険者はパーティーを組んで仕事をしていること。少なくとも二人一組のパーティーを組んでいるらしい。僕は一人で依頼を受けないといけないので、危険を察知し、慎重に事を運ぶ必要がある。


 三つ目に近接武器より遠距離武器の方が隠れて戦うときは便利だと聞いた。

 僕は遠距離攻撃できる武器の扱いに慣れていないので、練習するのも悪くない。本来はパーティー内で近距離と遠距離を分けて戦うそうだが僕には組んでくれる人がいないので一人で対応しなければならない。


 このほかにも冒険者さん達が話している内容を聞いて、参考にできるところは見習うことにした。


 明日の朝五時に僕はルフスギルドに到着していなければならない。

 体調も万全に整えて自分の力が最大限出せる状態にしておく。


「今日は仕事を早く上がって、明日の為に寝よう。簡単な依頼かもしれないけど、僕にとっては初めてのちゃんとした依頼なんだ」


 最近魔物が増えているって他の冒険者さん達が言っていたし、睡眠不足で判断が鈍っていたら命を落としかねない。

 死ぬ気はないが、何が起こるか分からないのが人生だ。

 最悪の想定を考えておかないとその時に対処できない。とりあえず、僕が取る行動は不慮が起きたらすぐさま逃げる。それ以外ない。


 僕は腹をくくってベッドに潜った。

 午後一〇時に眠る。

 初日の仕事から一三日が経ち、僕の貯金額は金貨四〇枚を超えた。いい感じだ。

 この調子で行けば三ヶ月以内には金貨二〇〇枚を貯めるのも夢じゃない。


 休みはないが仕事自体が楽しいので苦ではない。

 冒険者の仕事がどれだけ儲かるのかは知らないが危険が伴うぶん、割に合わないと感じたらアイクさんのお店に専念しようと思う。

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