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三原色の魔力を持っていない無能な僕に、最後に投げつけられたのがドラゴンの卵だった件。〈家無し、仕事無し、貯金無し。それでも家族を助け出す〉  作者: コヨコヨ
第五章:ウィリディス領の実態

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牢屋を楽しむ

「僕に黙ってついて来い」


「は、はぃ……」


 ミルは満足したのか大きく頷いた。


「ミル、満足した?」


「き、キースさん。このままぼくに沢山、お仕置きしてください……」


 ミルはわけわからないお願いをしてきた。


「キースさんに沢山お仕置きされて甘い言葉を掛けられてとろとろになって……一杯可愛がられたいです」


「はい、ミルちゃん。そう言うのは宿を決めてからにしましょうね」


 シトラはミルの体に付いている金具を外して行く。


「あぁー、シトラさん、なにしているんですか。まだぼくの番ですよ」


「ミルちゃんはおしまい。いつも落ちたら交代でしょ」


「な……。ここでも適用されるなんてあんまりです。ただでさえぼくは落ちやすいんですから、配慮してくださいよ」


 ミルはシトラに飛びつく。


「交代と言ったら交代」


 シトラはミルを軽く受け流し、自分で金具を付ける。


「むぅ……。キースさん。シトラさんもいつも通りすぐ落としちゃってください」


 ミルはよくわからないお願いを僕にしてくる。


「なにを言ってるんだか……。まあ、シトラがしたいことにも付き合うよ」


 僕はシトラがいる牢屋から出る。その後、準備が出来たそうなので先ほどの牢屋に戻る。


「ちょっと、そこの兵士。こっちに来なさい」


 金具に拘束されているシトラは牢屋の中から僕を呼んだ。


「なんだ」


「あなた、すごくカッコいいわね。とても強そうで頼りがいがありそうだわ。私、あなたを一目見ただけで惚れちゃったー。牢屋に入ってきて。身動きの取れない私を好きにしていいわよ」


 僕は牢屋に入り、シトラのもとまでやって来た。


「さあ、胸を触るなり、犯すなり好きにしなさい。私は気にしないわ」


「本当に何でもしていいのか?」


「ええ、いいわよ。とことんやりなさい」


 シトラは何でもして良いと言った。なら、したいことをさせてもらおう。僕はシトラの顎に手を置き、上を向かせる。


「ちょ、なにをする気……!」


 シトラが喋る前に、僕は彼女に口づけをする。


「なんでもして良いって言ったよね」


「は、はぃ……。はっ!」


 シトラは大きくまばたきをしてミルの方を見る。


「ぷぷぷっ、シトラさんもすぐに落ちちゃってたじゃないですか。ぼくのこと言えませんよ」


 ミルは口もとに手を置き、小さく笑っていた。


「く……、き、キスするのは反則よ。私は胸を揉まれたりするとばかり……」


「僕はシトラが嫌がることはしないよ」


 僕はシトラの頭を撫で、微笑みかける。途中から耳の裏側を優しく引っ掻くようにして撫でる。


「はわわぁ……。ちょ、止め……。止めなさい!」


 シトラは両手両足を拘束されており、身動きが取れない。まあ、本気を出せば引き千切れそうだが、器物破損になるのでしていなかった。彼女は僕に撫でられ、尻尾を大きく振る。耳裏や顎下などを撫でてあげるとより一層喜んだ。


「も、もうぅ、駄目……。これ以上、撫でちゃ駄目……」


「駄目と言う割に尻尾がすごい振られてるけど? あと何でもして良いって言ったでしょ」


 僕はシトラの発言を言い直し、今の状況を正当化する。


「ゆ、許して、こ、これ以上撫でられたら……、は、発情しちゃう……」


「……」


 僕は手を放し、撫でるのをやめた。


「はぁ、はぁ、はぁ……。き、キースのバカ……。限度ってものがあるでしょうが……」


 シトラは涙目になりながら僕を睨みつける。


「ご、ごめん……。僕が悪かった……」


 僕はシトラの手足に付いている金具をとる。


「ミルちゃん、拘束されるの……案外良かったわね」


 シトラは手首を撫でながら呟いた。


「ですよねですよね! 何もできない感じが心に来ます!」


 ミルは目を輝かせ、尻尾を振っていた。


「僕は二人が縛られてて心が痛んだよ……」


「じゃあ、次はキースさんが縛られてください」


 ミルは息を荒げながら僕の手足に金具を付けて来た。僕は騎士なのに捕まってしまう。


「く……、なにをする……」


「……ゴクリ。し、シトラさん。キースさんが縛られています」


「ええ、そうね……。なんか、そそられるわ」


 ミルとシトラの瞳が熱る。


「二人共、なんかいかがわしいことを考えてない?」


「そ、そんな訳ないじゃないですか。身動きが取れないキースさんにあんなことやそんなことをしてもらおうなんて考えてませんよ。えへへ、えへへー」


 ミルははにかみ、鼻血を垂らす。


「み、ミルちゃんは本当にそんな考えばかりしちゃって……。いかがわしいわ」


 シトラは視線を反らす。


 僕は身の危険を感じたので、アルブに金具を外してもらった。


「じゃあ最後は私ですね!」


 アルブも縛られてみたいと言うことで両手両足に金具を取り付ける。


「……」

 

 アルブは石の上で横たわり、捕まえられた動物のような悲しそうな瞳を浮かべた。


「くっ!」


 僕達は今すぐ助けなければと一斉に動き、アルブを救出する。


「アルブが縛られている姿を見たら胸が苦しくなってしまった……」


「主……」


 アルブは僕に身を摺り寄せ、嬉しそうに鳴く。


 僕達は地下牢をどこの観光客たちよりも楽しんだ自信がある。そのままお土産が買える場所に移動すると……。


「おおーっ! 手錠が売られています! これは買いですよ!」


 ミルは鉄製の手錠を持ち、喜んでいた。普通に高い品だが、ミルは迷いなく買う。


「キースさんも買ったらどうですか。悪いやつは手錠で拘束できますよ。二個買えば両手両足を縛れます!」


 ミルは手錠を二個買っていた。まあ、ミルが手錠を使えばなかなか強いと思うけど、二個もいるかな?


「……」


 シトラはこそこそと動き、手錠を二個買い、満足そうに微笑みを浮かべている。


「シトラまで……。まあ、犯罪者に合ったら拘束できるし、買っておくか」


 僕は手錠を二個購入した。価格は一個金貨二枚なので金貨四枚のお買い物だ。まあ、防犯に役立つなら持っていてもいいか。


 僕達は城塞の中を歩き、オペラ座を見つけた。中に入り、券を買って劇を見る。城塞にちなんだ劇が行われており、綺麗な歌声や心熱くなる演劇が見られた。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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