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三原色の魔力を持っていない無能な僕に、最後に投げつけられたのがドラゴンの卵だった件。〈家無し、仕事無し、貯金無し。それでも家族を助け出す〉  作者: コヨコヨ
第三章:橙色の領土。クサントス領

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子供の作り方

「強くなると気が抜けてこうなるから、少年はこの馬鹿みたいにならないようにな」


 リーフさんは僕の方を見ながら言う。


「えっと、ライアンは病気なんですか?」


「ああ、女と遊ぶと移される病気にかかっている。放置すると他の病気にかかりやすくなってぽっくり逝っちまう。だから、誰にでも股を開く女はやめて品が良い女にしときな。あの嬢ちゃんは良い。気にせずやりまくってしまえ」


「なにを言っているのかよくわからないんですけど……」


「おやおや? 少年にはそう言う知識が欠如しているのか。なら、教えてやろう。この知識は生きていくうえで必要不可欠だからな」


 僕はリーフさんによる講習を受けることになった。いったい何の講習なのかよくわかっていないが、真剣な表情をしているので真剣に聞いた方が良さそうだ。


 リーフさんをベッドに寝かせ、僕は部屋の椅子に座り、話を聞く。


「少年は子供の作り方を知っているかね?」


「どうやったら子供ができるのか? ですか、よく知らないです。そんなことは誰にも聞いた覚えがないので」


「少年は品がいいのに、学園に行ってないのかい?」


 リーフさんは目を丸くしながら聞いてくる。


「えっと、元親は金持ちでしたけど、僕だけ学園に行かせてもらえませんでした」


「なんか複雑な家庭だったんだな。聞いてすまなかった。だが、子供の作り方を知らないと、この先、生きにくいだろう。しっかりと学んで行くように」


「は、はい。わかりました」


「さてさて、簡単に説明しよう」


 リーフさんは木の棒と桃を手に取った。モモの割れ目に木の棒を突き刺し、何度も何度も前後させる。その後、桃に開いた穴からタネが出て来た。


「これが子供だ」


 リーフさんは種を手に取り、僕に見せて来た。


「わ、訳がわかりません……」


「専門用語を使うとわかりにくいと思うから、比喩表現で説明しよう。この木の棒はキース君の男の象徴だとしよう」


「は、はい」


「こっちの桃が嬢ちゃんの股部分。ま、哺乳類の雌には三つの穴があってだな、二つは排泄物用、もう一つは子供を産むための穴だ。この桃は子供を産むための穴だと思っていい」


「はい……」


「木の棒を桃に入れる」


 リーフさんは木の棒を桃に突き刺した。


「現実でもそうするんですか?」


「もちろん。世界の生き物は皆、このように子を作る」


「想像しただけで恐ろしいんですが……」


「気にしなくていい。桃の穴は赤子が出てくる場所だ。少年の男の象徴は子の頭ほど無いだろう」


「は、はい……。そうですね。でも、木の棒みたく硬くないですよ」


「朝とか、可愛い女の子、胸を見てふにゃふにゃからかちかちになった覚えはないかい?」


「あぁ……、あった気がします。屈伸運動をして直そうとしたら余計に木の棒みたくなってしまいました」


「ははっ、少年は若いな。ま、硬くなれば十分だ。木の棒を桃に突き刺したあと、動かす」


「動かす……。何のために?」


「ん~、子供は男と女の要素が合わさって産まれてくる。子供の素とでも言おうか。子供の素は雄雌共に持っていて雌の体で合わさり、子を宿す。なぜこのようようになるのかまではわからないが、これは本能だ。何万年も昔から生き物が変わらずに行ってきたこと。まあ、木の棒を桃に入れた状態で動かすと、男から出る子供の素が雌に移動する」


「へぇ……、そうなんですか」


「少年は寝ていた時に下着に何かついていたことはないかい?」


「ああぁ……、あるかもしれないです。と言うかありますね。あの時は何かの病気かと思っていてもたってもいられませんでした」


「その液体を桃の中に入れると、時おり子供が出来る」


「時おり……、必ずと言う訳じゃないんですね」


「もちろん。だが、この行為は本来、子を残すための行為だ。ただ、賢い生き物、知能を持った者はこの行為を娯楽として楽しむ傾向にある」


「子供を作ることが娯楽……? なぜ?」


「そりゃぁ……、その、なんだ……、天にも昇る心地よさと言うか、この世で最も心地よいことと言うか、幸せ~って感じになるからだ」


 リーフさんは赤面させながら言う。


「でも、子供が出来るかもしれないのに、娯楽って危なくないですか?」


「そのために、これがある」


 リーフさんが出したのは薄くてクリーム色の輪だった。


「その輪っかは何ですか?」


「これは、サンドワームの幼体の体液を取り除き、外皮だけを木の棒に嵌められるようにした避妊具だ」


「避妊具……。子供を作らないようにするための道具ってことですか?」


「そうだ。この輪を木の棒に付ければ、九割九分避妊できる。子供を作らず、娯楽のために行為をするならこの道具は必ずつけなさい。付けないと殺す」


 リーフさんは殺気を放つ。


「は、はい。わかりました」


「この輪には病気になる確率も大幅に減らしてくれる。ライアンも着けていれば病気にならずに済んでいたかもしれない。相手、自分のために何が何でも付けるように」


「はい。肝に銘じておきます」


「はぁ、物分かりが早くて助かるよ。サンドワームの避妊具とスライムの潤滑剤、買っていくかい? 相手を苦しめないためにスライムの潤滑剤は必須だ」


「僕、子供を作る行為をやろうともやりたいとも思っていないんですけど……」


「あの嬢ちゃんに子供を産んでもらいたいという気持ちはないのかい?」


「い、いや、一五歳で親になるなんて考えられません。そもそも、親の務めが真面に果たせるとも思っていません。僕、父親に何をしてもらったか覚えてませんし、母親は五歳のころ亡くなって腐った卵を投げられる日々でしたから……。ミルも真面な教育を受けていませんし、もう一人の仲間も僕と同じ境遇ですし……」


「むむむ……、なるほどな。すべての見本となる両親がいないという訳か。そうなると子供を育てるのは難しいな。ま、一番は好きな者と仲を深め合うことだ。ここで間違ってはいけないのは気持ちよさと仲の良さは比例するということだ。加えて体を重ね合わせた回数が多いほど仲は深まる。口づけなんかでも仲が深まるぞ」


「なるほど。じゃあ、質問です。仲間でお風呂に入り合うのは仲良くなる行為として間違ってないですか?」


「いいじゃないか。男女でお風呂に入るのは相当仲良くないとできない。ただの友達じゃ絶対に出来ないことだ。体を洗いあうくらいの仲なら家族同然だな」


「よくやってますね……。三人で」


「ほほお~、もうずいぶんと仲がいいじゃないか。仲間を大切にしているようだな」


「僕を慕ってくれている二人ですから、大切にするのは当たり前じゃないですか」


「少年は純粋なようだな。親から酷い仕打ちを受けて来たというのに、よくそこまで純白に育ったものだ」


「ははは……、まぁ、髪色が白かったからですかね」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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