5,リメラ到着!
水でできた空飛ぶクッションに乗ること、約10分。
カランカラン、コロコロ…
車の振動に合わせて揺れるものがあった。
「これ、なんだろ。さっきのに似てるけど…」
サミーは私にビー玉のようなものを見せてきた。
「ホントだ。とりあえず、これと一緒にウエストポーチに入れてくれる?」
「はいはいっ。了解しましたよ、シンデレラ。」
「指示に従ってるんだから、そっちがシンデレラじゃなくて?」
「じゃ、俺がシンデレラだったら、お前は意地悪なお姉ちゃんってとこ?」
サミーが水色のドレスを着ているところを想像して、思わず吹き出す。
「やっぱサミーがシンデレラなのはなしで」
「はーい」
そんなやり取りをしている間にあっという間にユニオンのあるリースリングに着いた。
ユニオンらしき建物に着いた。建物の中まで水クッションを使って行くことにした。
だってあるかなくていいなんて楽じゃん。
でも、なんでみんなの視線がこっち向いてる気がするんだろう。
とか思いながら水クッションを片付けるべく、腕をひとふり。
水クッションは水蒸気化して消えた。
「さすがキャロル。魔法は使いこなせてるみたいだ。」
サミーが小声でふざける。
ここ、受付だけど、騒いでいいのかな?
まあいい。
「えーっと…。君たちは、何しに来たの?」
「冒険者登録したいんですけど。」
サミーがすかさずいう。
相変わらず、こういうところはしっかりしてる。
「じゃあ、わかった。この用紙に必要事項を記入して、夕方までに持ってきてね。
ところで、妹さんの方は、何しに来たの?お兄ちゃんについてきたの?」
い、妹…
同い年ですが…
「私は彼のいとこで、同い年ですっ。冒険者登録をしに来ました。」
「…あら、そうだったの。ごめんなさい。まだ10歳の子かと。てへ。」
随分おちゃめな受付嬢さんだ。「許して?」と言わんばかりの目で見てくる。
「でも、あなた、どこかで見たような…」
「ホントですか⁉どこで見たんですか?」
ここにシェリーがいる!私はそう確信した。
「どうしたの?何か引っかかったことでもあった?」
「シェリー・ジャクソンって、見ませんでしたか?」
「シェ、シェリー⁉ファンなの?」
「双子なんです。」
「ふ、双子⁉あのシェリーと?道理で美人だと思った。そういえば、シェリーは王宮から抜け出したって
この前聞いたような…」
「美人?ありがとう。それより、お、王宮⁉」
「そうよ。王の近衛騎士になったって聞いたわ。」
サミーは王と聞いて冷や汗を吹き出した。
キャロルの方はというと、絶句していた。
「…嘘でしょ?で、抜け出してどこに来たの?」
「それが、このあたりに来たのは確かなんだけれど、消息不明よ。」
「そっかあ。」
肩を落とした私を見て、彼女は励ますように言った。
「それはそうと、あなたもこれを書いて、夕方までに持ってきてね」
「ありがとう。」
「キャロル…。今はごめん。まだ、その時じゃない。」
休憩所で、サミーの向かいに座ったキャロルの後ろで、そんな声が聞こえたようだった。
お願いだから、感想を、誰か、下さい!
誰も応援してくれないのでちょっと寂しいんですっ!www(M気混じりw)