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4,魔物の森

またまた長めの投稿です。

誤字脱字の報告よろしく願います。


魔物の森の目の前に来た。

中は洞窟のように暗い。

魔力に満ちた森だ。この魔力を使えば、どんな魔法も強力化するだろう。

サミーが小声で言う。


「あれ使って」


人使いが荒いなあ、全く。


「ライトバリア」


唱えるとともに、薄い光の膜が二人を覆った。

サミーが、すごい。とでも言うような目で見てきたので、自慢げな態度をとってやった。


この魔法は、私の能力を使って作り出した。

必要なものを作り出す魔法は世界的に普及しているから、二人でも使える。

この魔法と光を操る力の一部を融合させると、きれいな薄い膜ができる。


ライトバリアは、中にいるものを守る他に、浄化する働きがあるから、心まできれいさっぱり浄化されて、マイナスの感情が外に流れていくのだ。


まあ、浄化するだけなら、普及している魔法、「プリフィー」をかけるだけでいいんだけど。


「あれは…?」


サミーが不安げに前を見ている。


「ネズミ…か?いや、馬だ!」


馬の姿がはっきりした。


「まさか、ディオメデスのラムポーン⁉」


サミーが、日本ばさみの蓋を開けたのと、私が修正テープの蓋を開けたのは、同時だった。

カシャン。シャカッ。

それが火蓋を切ったかのように、馬は突進してきた。


「ラムポーンって誰!」


馬の鋭い歯を剣で受け止めながら、サミーは私に聞く。


「人食い馬!」

「は⁉こいつ⁉」

「言うまでもないでしょ!」

「なんで知ってるんだよ⁉」

「趣味で神話読んでたの!この馬はヘラクレスが倒したことに…」

「もういい!後で聞く!」


自分で聞いてきたくせに。

とか思いながら馬の後ろ足の筋肉を切った。すると馬は後ろ足が使えないためおすわり状態で戦うことになった。


「何なの、この無茶苦茶な戦い!」


サミーが文句をいいながら、ポケットからなにか取り出すと、馬の口に入れた。

馬は噛み砕いてやろうと思ったらしく、口をもぐもぐさせた。

すると、馬の口が開かなくなった。


「サミー、何を入れたの?」


不安げに聞くと、陽気な彼は、


「特大ガムさ。馬の口にぴったりな。」


と妙に明るい声で答えた。

馬の前にしゃがみ込んでみた。馬は歯を向き出そうとするが、上手くむきだせず、あたふたしている。

ちょっと可愛そうかも。


「ごめんねっ」


そう言って剣で胸を斬りつける。

すると、馬が黒い水たまりになった。


「行こう。」


後味が悪い。そろそろ行こう。

私は立ち上がった。そのまままっすぐ歩くと、


「あ、危ないキャロル!」


サミーの警告が飛ぶ。私は黒い水たまりに足を突っ込んでいた。つま先にコツンと何かがあたった。

それを拾うと、中に何かが入ったビー玉みたいなものだった。


なんじゃこりゃ?ま、いいか。

とりあえずポケットに入れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そのまましばらく道なりに進んでいると、地面の中に白いものが見えた。

少し土をどかしてみると、白骨化した死体だった。手首には赤いミサンガをつけていた。


それを見て、わたしの脳裏にあの日の記憶が蘇った。

お父さんが鎧を押し入れから引っ張り出し、それを着ようとしていた。


『サファイア、これを着るの手伝ってくれ』

『はいはい。でもその前にはい。』


サファイアはお父さん_アルバートに何かをつけた。


『何だ、これ?』

『お守りのミサンガよ。赤は勝負運が上がると言われているの。』

『ありがとう、サファイア。では行ってきます。』


彼の目には寂しさがかすかに含まれていた。

ドアが閉まった。


『ママ、私、下まで送りに行きたい』

『まあ、下までならいいわ。行ってらっしゃい、シェリー。』


だめ!シェリーお姉ちゃんは絶対に行っちゃだめ!待ってよ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「だめ!シェリー!」

「ん?どうした?」

「ごめん、なんでもない。」

「遺体を浄化していい?」

「OKだ。」

「プリフィー!」

死体は浄化され、安らかに眠った。


「よかった。」


そういったとき、私は何かを踏んづけた。


「うわっ。何これ。」

「まあいいよ。行こう。あとちょっとだから。」


サミーが私の手を引っ張って連れて行こうとする。

でも、私はさっきから感じる視線が気になって仕方がない。


「何かあった?」

「後ろに何かいる。」

「え?」


バサッ、バサッ


不意に羽ばたきの音がした。上を見上げると、ドラゴンと思しき物体が!


「は⁉ドラゴン⁉このレベルでそれはないだろ⁉」

「あれは…ワイバーンだ!」

「なんだよそれ‼」

「もともと西洋の神話にいたやつ!なんでエイドにいるの⁉」

「知るかよ!」


その時、ワイバーンの長いしっぽが私をつかんだ。


「命令!私をおいて逃げろ!」


最後の言葉にしては立派だ。しかし、サミーは剣を振り上げた。


「落ちろ!」


すると、ワイバーンを雷撃が襲い、次の瞬間、私はワイバーンと共に地上に向かって真っ逆さま。


”誰か…助けて…”


すると驚くことに、何か柔らかい冷たいものの上に落ちた。ゼリー?

水だ!

私達は水の絨毯に乗って出口へむかったのだった。

誤字脱字の報告よろしく。

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