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1,日常

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「ハッピーバースデー、キャロル」


と言って叩き起こそうとするのは、従兄弟のサミー。


うーん、まだまだ寝たい…。サミー、そこ邪魔…。いい加減にしないと、二段ベッドのはしごから突き落としちゃおっか?

それとも引っ掻いてやろか?という抗議の意を示すために布団から爪を出す。


「うわっ。怖いな、キャロルは。でも、先祖の名言忘れた?『能ある鷹なら爪を隠せ』」


忘れてない。明日は大事な大事なあの日だ。


「隠せばいいの?」


「別に?怖くないし。今日12歳になったばかりの女の子の爪なんて。」


女子扱いしてくれてありがと。でも地味に侮蔑している。

勝手に私を年下扱いしないでくれる?(怒)


「ごめんね。嘘つきは嫌いなの。」


ニコッと笑って右手に拳を握る。


「う、嘘ついてないじゃん!」


逃げ出したサミーの背中を追う。


「朝からなんの騒ぎ?」

「またあんた、キャロルを挑発したの?シェリーがいればこんなことにはならなかっただろうに。」


そう言うのは、私達のお母さん、ルビーとサファイア。

サファイアは私のお母さんで、その妹がルビー。その子供がサミー。

あんなに礼儀正しいルビーからあんなに無礼なサミーが生まれるなんて。

シェリーっていうのは、私の双子の姉。サミーの真逆の性格で、礼儀正しいけどちょっとお茶目だったらしい。お父さんが死んだときに行方不明になった。


あ、ちなみにこんな家庭なのには訳があって…。

サミーのお父さんは浮気症で、ルビー自ら振ったらしい。

私のお父さんは、村を襲ってきた怪物と相打ちになって死んだ。

ってことで、家とあっちの家庭が合併したってわけ。


まあ、なんのかんので楽しくやっていまーす。


「え?鬼ごっこの騒ぎだけど、なにか?」


サミーは悪びれずに言った。

あきれた。


「君ももう少しその性格をなんとかしようか。そろそろ大人扱いされるんだし。」

「キャロル、こんな性格の大人なんていっぱいいるだろうし。別にいいと思うけど?」


あきれたを通り越してもはや理解不能。

こんな大人、そうそういないと思うけど?、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おっはよー。」


今日は家族たちの中で一番早く起きたんだ。

なんてったって、今日は大切なあの日だから。

そう、目標決定の日!

人生の目標を決めるんだ。


地球で怠けてた人類が新しいこのエイド星という新天地を見つけてから最初に作った決まり。

12歳になった子供は、自分が限りある人生で何をするのかを決めるんだ。

自分の長所を活かして、みんながそれぞれに人生を歩む、そのスタート地点!


ちなみに言うと、実は村の中で私が一番誕生日が遅いの!

これこそが我が人生の悲劇!

っていうほどでもないんだけど、昨日のサミー事件みたいに馬鹿にされると黙ってられないの‼


「怠け者にならないように、よく考えて決めるんだよ。」


いつのまにかサミーがぱっちり目を開けて二段ベッドの下の段に座ってる。


「怠け者?私の心配する前に自分の心配すれば?」


何があっても私がなる前にサミーがなるから。

エイドにきてから、人工知能を利用して、怠ける人間は即通報。っていう制度ができた。

そういえば、私すっごく困ってるの。目標が…


「俺は絶対にならないから。司令部に行って冒険者になる。」

「ぼうけんしゃあ??」

「なんにも決めてないお前よりマシさ。」


そう、目標がなかなか決まらないの!

私って長所ないし、ドジ踏まない日がないって感じ!

こんな人間に合う職業なんてないでしょ?

私は憂鬱になって、ベッドに倒れ込んだ。


「私って長所ないし…」


つぶやいた声はサミーにも聞こえたらしい。

ちょっと間が空いて、返事が帰ってきた。


「そんなことない…と思うよ。例えば、思いやりがあるところとか、ドジしてもめげずに頑張るところとか」


サミー……。

ちょっとだけ、元気もらえたかな。


「ありがとう。」

「じゃあ、広場に行こう。ママ、行ってきまーす。」

「おわったら、すぐ帰ってきてね〜。ホカホカのご飯、作っとくから。ふぁ〜あ」


めちゃめちゃ眠そうだけど。

まあいい。広場に行こう。

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まだまだ初心者なので、アドバイスなどもどんどん下さい。

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