表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

デイ・スリー

随分長いこと開けてしまいました。


この問題は、私にとってなかなか書きづらかったのです。ゲームに没頭していただけでは、こうも筆が止まるはずがない。


それが、この証左です。

思い出したくもない日。


久々にミキに会った。

気分は最悪だ。


今付き合っているというお相手の社長殿の好みに合わせて、無駄にケバケバしくなった装い。

あの子は、社長ではなく社長の財力に惚れているのだろう。


憧れの女性がああなるのは見たくないものだ。しかし、結局は、理想的存在を見出せば見出すほど、幻滅の落差も大きくなるのかもしれない。

そして、現実である限り、見出した理想との乖離はいつかは訪れる。

それは、単なる恋の終焉以上の何かだ。


何が、シュウなら彼を救える、どうか助けてあげて、だ。

昔の彼女はもっと誇り高かった。少なくとも、あんな風にみっともなく私に頼み込んだりはしなかった。


それが、本当に彼氏を思ってのことなら、まだ許せる。

だが、彼女は金目当てだ。でなければ…あんな風に、ギラリと光る眼でダイヤを見つめたりなどはしないはず。


誤解?曲解?

そうかもしれぬ。

しかし、仮にそうだとしても、そう思わせた時点で、幻滅は不可避なのだ…。


彼女は女神でも天使でもない。ただの女だった。


当たり前と言えば当たり前か。

しかし、その当たり前こそが、時として男を狂わせる…。


ヰスキイの グラス眺めて あの頃の 想ひも酔ひと 同じと悟る


所詮は、一時の酔いだ。

だから、醒めた私は、あの女、ひいては全人類への絶望を、そのまま表現して見せよう。


----


久々に会ったシュウは、ミキに言わせれば、殻にこもってしまっていた。


初めて彼と話した時。彼は、どこかに人間不信の気配を漂わせていた。

そして、再び信ずることで傷付くのを恐れてか、必死に自分の内面を見せず、殻で覆っていた。


あの頃に似ていた。彼は、あの頃のように、ミキに対しても一枚の壁を張っていた。


しかし、その壁は、あの頃よりも暗い色を持っていた。


あの頃の彼は、私に一縷の望みを賭けるかのように、すがるような形で、少しずつ、少しずつ心を開いてくれた。

中には私には分らぬ難解な話もあったけど、それでも、ただの天才ではない、等身大の人間としての彼を感じさせてくれた。


今の彼は、かつてよりも更に暗い人間不信の壁を纏って、私に対してさえも、再び心を閉じようとしていた…。


そう、感じたのだった。


特に、感染してしまった社長のことを話した時の暗い輝きは、思い出すだけで彼女をぞっとさせた。

しかし、それでも、ミキは、シュウをどこかで信じていた。


あの人は傷付きやすく、純粋な人だけど、本当は誰よりも友達想い…。


彼女は、その洞察力によって、誰よりも、恐らくは彼自身やその家族よりも、彼をよく理解しているつもりだった。

そして、それは、それゆえの信頼であり、同時に不安でもあった。


…だって、純粋さ故に、誰よりも壊れやすくもあるから。全ては、彼がまだ壊れていなければ、のことに過ぎないから。


----


緊急速報


アメリカ・オレンジ大統領、遂に北朝鮮に宣戦布告

ナノボットの発生源と断定の上、報復攻撃に出る模様

この物語は、正直私にとっても扱いが難しいのです。定期更新は期待しないでください。


もしかしたら、一気に書き殴って終わってしまうかもしれませんが、どうなるかは、私自身も本当のところ分からないのです。


まるで、混迷する現実世界のように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
小説家になろう 勝手にランキング
感想を書く! / レビューする!
小説家になろうアンテナ&ランキング
カクヨムコンに全部門1作ずつ、計6作エントリー中です!こちらもよろしくお願いします。
カクヨムの小説一覧
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ