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デイ・ツー

今回も実験的な技法を使っています。

Donkey. J. Orange @realdonkeyJO

Nanobots can't stop us! No matter what you say, little fat Lee, we're always ready to attack you and your country! Mad!

#MakeUSAGreatAgain


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*月△日。


米国では、ようやく、キュアの研究が始まったらしい。友人のハーヴァードの研究者が一報してきた。


「君にも協力してほしい。


このナノボットには、世界各国の技術の粋が結集されている。

アメリカ、ロシア、中国、日本、イギリス、スイス、…。たどればどれも論文で公開されている技術だが、それらを組み合わせることは容易ではない。

DARPA並みの資金力と研究力を持つ機関が関与しているとみていいだろう。そうなると、バックはやはり中国に違いない。

だが、だからこそ、私達は、このナノボットを選択的に駆除できる治療を確立しなければならない。


君の力があれば、キュアの作成の進行もグッと早まるだろう」


EUと中国は既に取り掛かっている。だが、キュアは作成できないだろう。


試験段階で一体でも「駆除」された途端、死のスイッチが全世界で一斉にトリガーされるようにプログラムしているんでね。


----


香港。


「済まない。私も感染してしまったらしい。間もなく私は隔離されることとなるだろう。

だから、せめて君だけでも、日本に逃げ延びてくれ。これが、そのチケットだ。


当局も、まだ君には手を回していないはずだ…」


社長は、ミキに早口の広東語でそう告げ、チケットを彼女のスーツのポケットにねじ込んだ。


----


イギリス、中露の外交官を全面追放へ

中露も報復制裁を実施か


ナノボット問題をめぐり、イギリス政府は、国内に流通しているナノボットの発信源が中国とロシアであると断定し、両国の外交官を全面追放すると発表した。


これを受け、中国・ロシアの両政府も、イギリスに対し同等の報復措置を取ると発表。

イギリスと中国・ロシアは、事実上の断交状態になると予想される。


この措置について、アメリカのオレンジ大統領もイギリスに追随すると予想されているため、世界の大国は大きく分断され、いよいよ緊迫が高まりそうである。


----


ミキ

「シュウ、お久しぶり!訳あって日本に帰ることになったんだけど、今度会えない?」

シュウ

「急だなwどうして?」

ミキ

「例のナノボット騒動、ナノボットを研究しているシュウなら何とかできるんじゃないかと思って」

シュウ

「研究中だけど、こればっかりは分からんな」

ミキ

「そうなんだ。シュウでも手に負えないとしたら、大変だね」

シュウ

「まあ、何とかなるとは思うけど。予定は何とか調整するよ。追って連絡する。会えるのが楽しみだ」

ミキ

「私も!日本の土踏むのは一年半ぶりだからな~(笑)」

シュウ

「ずっと香港にいたんだもんねw」

ミキ

「そう」

シュウ

「とりあえず後でまた連絡する。今日はもう落ちるわ」

ミキ

「おやすみなさい~」


シュウは、スマホのチャットアプリの画面を見て、正直憂鬱な気分になった。

今更、何を話せばいいのだろうか?


----


「ナノボットへの感染率が30%を超えた中国では、この問題をめぐって、世界で初めて非常事態宣言が発表されました。

各国の研究機関が治療法を研究していますが、これまでのところ、吉報は聞こえません。今はまだ無症状とはいえ、ナノボットへの感染はほぼ全世界に広まっており、発信源の真意が本当にスパイ目的なのかも不明です。

事実上の国交断絶も見られるようになっており、今後の情勢が憂慮されます」


感染した社長が隔離のために連行される直前に、何とか脱出したミキは、機内WiFiでそんなニュースを見て、ただ漠然とした、一種の不安を覚えたのだった。

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