外章四話 恋ノ夢ハ永遠カ・・・
どうも3年たってやっと更新した歴史転換です…。遅くなり申し訳ございません。しかも内容が全く見なくても問題ないので、更に申し訳ございません。
では、これが歴史シミュレーションであることをお忘れなく。
4 互イノ第一印象
辺りは既に日が暮れて、夜の闇が訪れていた。それでも外では、まだまだ木の幹に蝉が後世に繋げようと煩くも悲しい音色を挙げている。彼らは必死なのだ。生きてた証を残したくて必死なのだ。そして、その幹の下にいる眼の色を変えた猫がそれをじーっと見ていた。猫も蝉の音色が途切れ途切れなのを聞いて、その時が来るのを待っているのだ。猫は今で必死なのだ。にはこの蝋燭が1本だけゆらゆらと既に火が燃えている。この他にも、座布団の間にも蝋燭がやはり火が
応接の間は質素だった。そこには座してる駒姫以外には、真正面少し前に座布団。奥に机1つとその上ゆらゆらついているのが1本ある。外の障子は開いており、外から少しムッとした風が吹いていた。本来なら、この時を待ってましたと言わんばかりに入ってくる忌々しい蚊。だが何故か知らないが、そこには入ってこなかった。空気を読んだが読んでないかは知らないが、羨ましい限りである。
「…座ったらどうですか?お客人様?」
「はい。」
小早川秀秋と駒姫、これが初めての会話である。その内容はかなりそっけないものであるが、両者共に顔から眼を逸らすことはなかった。
(武士真っ青な顔つきだな。)
秀秋が駒を見た第一印象である。田舎育ちなのが幸いしてか、良い意味で都会染みていない。秀秋も田舎育ちなので、お歯黒や眉なし。それに服が派手なのが嫌いであるが、今の駒姫はどれもこれも真逆だった。身長は5尺を少し足りないぐらいか。髪は長く、染めていない。体つきは少しだけふくよかであるが、健康体では間違いはなかろうか。
そんな特徴の駒だが、秀秋が真っ先に目を引き付けたのは顔つきだ。その何もかも、全てを受け入れている覚悟している顔である。戦になれば、武士は自分の命を軽視する。その代わりに敵を討ったり、仲間を守ったり、任務を果たそうとする。命を守ることにフッと意識したら、意識的に動きが鈍ってしまう。そこを慣れた武士は意識的に排除する。己よりも任務を。そんな顔つきを、駒はしていたのだ。
(どことなくだが、父上に似ている。)
駒から秀秋の見た第一印象である。父上とは勿論、奥州の謀将である最上義光である。勿論、老いたとはいえ、戦国乱世を生き抜いた義光と今の秀秋との背丈や顔の作りはまるで違う。ただ、駒のそれは顔つきや背丈を見たというより、秀秋の内面を何となく感じ取ったものである。
確かにこの後の話になるが、秀秋の行動はこれに近い。まだこの時は心に傷があるのであれだが、身内(信用できる)のにはとことん甘く、それ以外は冷酷になっている。猛将っぽく現在は動いているが、後の行動は…。今は話す時ではないので、省略する。そういうのを見抜ける意味では、駒は立派な義光の娘であった。
秀秋と駒の両者共、第一印象としてはそんなに悪くなかった。秀秋はその顔つきに感心していたし、駒は義光に似ていたのもあり、親近感を持ったのである。
駒に促されて、座布団に秀秋は対面に座した。暫しの間、じーっと見つめ合う二人だった。両者共、座してはいるものの、顔は真剣で眼も離さない。剣を交えてこそないが、これは武器無き戦である。視線という刃が音無き鍔迫り合いをしている。お互いにその顔つきだけで、小さいな情報も見落とさないよう必死になっている。部屋は蝉の鳴き声はいつも間にか消え、ちりちりと蝋燭の生命だけが、不思議と部屋して言霊を出していた。
次は…。会話はします…多分。