第一章十四節 李氏朝鮮脱出
・・・こっそりと投稿します。前回から全く話が進んでないし、字数も少ないリハビリ感が満載になってます。
宜しかったら見てください。では、この作品が歴史シミュレーションなのをお忘れなく。
※8時13分に少し編集。前と色々と合わせてます。ご迷惑をおかけします。
14 幼き純粋な想い、自己の混濁した想い
「デハ、コレデ・・・。」
「ああ、任せておけ。」
おたあはそういうと、恭しく一礼して出て行った。それを、秀秋は座しながらではあったが、表情は笑顔でおたあに向かって手を振って見送った。
おたあを見送った後、秀秋は苦笑しつつも腕を組んで先の会談に対して思考をし始めた。
(んー。まあ、予想通りの内容か・・・。)
秀秋にとって、おたあの来た目標は予想通りであった。それは案の定ではあったが、小西行長の救援に尽力を尽くしてくれと言う内容であった。
おたあは、自身がお世話になってる行長が後に引けない窮地になっていると知った。そこで恩義のある行長に対して、自分にも何か出来ないか必死に考え抜いた結果・・・耳にした今回の行長救援の陸総司令官である秀秋に泣きつくことを思いついた。この他にも清正が海総司令官ではあるのだが、おたあ自身が面識がなかったので早々と諦めていた。
秀秋が情に厚いとあたあは認知してたので、先ほどまで秀秋に必死に訴えていた。行長がいかに人徳者であり、自分が世話になった。行長は今後とも日ノ本に必要になると器であること・・・。
そのおたあの必死の弁論は、決して流暢ではない。たどたどしくワザと日本語で、顔も険しかった。それを見れば、心に『一般人』なら響いたことだろう。
(やれやれ・・・。困ったもんだ。)
聞き終わった秀秋はおたあの弁論に、今となっては苦笑してそうとしか思わなかった。秀秋とって、既に行長は救出は決まったっとただそれだけであった。そこには、おたあの『一般人』感情は感じ取れていなかった。
秀秋は元来、とても冷めた感情の持ち主である。後々語るので簡素化するが、幼少から家の都合で人質としてタライ回されたことや、実親や親類の愛情もほぼ与えられなかった。このことがあって秀秋の心には、『人間不信』が根強く残っている。
だからこそ、秀秋にとっておたあの弁論なぞ全く無意味であった。確かに、おたあが認知した情の厚いのは間違ってない。だが、情に厚くなるのは自分の心に入り込んだ者と明らかに弱者であると感じた者だけにである。
その点では、今回の行長救出は情に当てはまらない。功に逸って深入りしたと秀秋は感じてたし、秀秋自身は行長とどちらかと言えば疎遠であった。
なら何故か。人が助けるのに情がないなら、後は利しかない。そう、秀秋は行長を助けるのに、自分の利で救うことを決めたのである。
果たして秀秋は、行長救出にどんな利があるか。単純に言えば、実は小早川家の財政の安定に繋がるのだ。行長が納める領地は、九州の肥後二十四万石である。対して秀秋は、筑後三十五万石あまりである。現代の土地で言うなら、行長が熊本県で秀秋が福岡県である。互いの領地は目と鼻ぐらいに近いのだ。行長は元々だが内政に特化しており、領地でも内政を重視してたので土地は安定している。これがいなくなると肥後国の混乱の余波が、秀秋の領地に来るのは確実であった。この他にも、秀秋の領地の収入に関係する伴天連との貿易収入が一番の本命だ。何も秀秋の領地が、直接に貿易港がある訳ではない。九州一といっても過言ではない博多の町で、仕入れた物品の取引が多かったのである。そこでの利益は幾割かは小早川家の懐に入る。行長は伴天連からキリスト教を洗礼をうけており、信望が彼の者達から得ている。いなくなると、それが混乱を招く恐れもあった。
ここまでで頭の算盤で行長を救おうと決めた秀秋は、現在もその心情を変えてはいない。救出にごねる清正に対し、宗茂が熱く答弁していた漢のやりとり。更にその後に宗茂と対して話して色々と述べたが、本心の考えは利しかなかった。自分のことを武将達が日ノ本の総大将の時代から馬鹿にしたことを理解した秀秋にとって、現在も彼の者達の価値の決め方は基本は変わってない。無事に帰国が出来たらなら利を抜きにすると自分の部隊だけで良かったのである。行長は秀秋にとっては、行長とはそれ程度の価値しかない考えであった。いや、日ノ本の武将の価値なぞ彼の者にとってそれしかなかった。それが、日ノ本の総大将から批判で解任された秀秋の心情であった。
(流石は秀秋様。これで行長様もご安心だ。)
そうとも知らずに、おたあは行長の屋敷に戻っていくのあった。そこには、通路を歩きながら笑みを浮かべている。自分を可愛がった行長の無事を確信して・・・。
(おたあにはあまり今後は付き合うのを控えるか・・・。)
苦笑してた秀秋は、そんなおたあについて今度の対応はそう決めていた。そこには、秀秋がおたあに対して友では『あった』と感情に変わっていた。秀秋は、一度甘い蜜を吸うと人は忘れないことを知っているからだ。特にどん底からの楽の甘みは、その人を駄目にすると秀秋の経験上確信していた。
「さてと・・・。」
次に何をしようかと、秀秋は静かに呟いた。そこには、もうおたあの頼みや心情など頭から消え去っていた。
・・・どうしましょう、来年とか書いたら約1年半年経ってた。久しぶりに開いたら、お気に入りにしている読者様がまだいらっしゃる・・・。
(逃げれないよ~)
どうも歴史転換です。え~っと・・・戻ってきましたここに。ひとまず、書いてみましたが、何せ本当に久々の投稿。色々と自分ですら、投稿に違和感がありまくりです。
今後は多分、字数は少なくなるとおもいます。また、いつ投稿か分かりません。
では最後に
「色々と申し訳ありませんでした。」