六話:異界
ボッサはヨルムンガンドとの死闘の後、助けられたシンモラという女とともに異界ヴァルハラへ向かう。
シンモラは、奇妙な石碑の前で立ち止まると、詠唱を始めた。
ボッサは、目の前で魔法を使う人間を初めてみた為、驚きを隠せないといった表情で食い入るようにに見つめていた。
「何だ?」
とシンモラに言われて、ようやく我に返ったボッサは、首を横に振った。
ボッサがふと後ろを振り返ると、何やら光るものが、茂みに隠れていった。
「丁度いい、質問に答えよう。さっきは、急いでいたものでな。」
と、シンモラ。
「助かる、忘れられていたのかと思ったよ。
今、新しく質問ができたのだが、それも加えて教えてくれ。
それは魔法...か?
聞いたことがある、私の兄もよく使っていたのだが。」
「その通り、これは魔法だ。本来なら 、神々と、限られたヒトでしか使えないのだが...。」
と、シンモラ。
「では、シンモラよ、あなたは神なのか?これは驚いた!」
「その通り、私は神だ。あまり名高きものではないが。」
「では、シンモラ神よ!
実はアンクルボダという女が、異世界と言う言葉を口にしていた。それについて、知っておられるか?」
と、ボッサ、
「アンクルボダだと?ヤツに会ったのか、道理でヨルムンガンドは___。」
と、シンモラは呟く。
「その異世界とは、宇宙樹ユグドラシルを中心に展開される、神々が生活を営む場所だ。
それゆえ、お前たちの世界とは隔離された場所にある。」
そんな場所があったなどと、ボッサは思いもしなかった。
だが、今の彼なら信じられた。信じられない出来事が次々と起こっているのだから。
もう、驚くことは何もないのだ。という思考に囚われた。
「アンクルボダを知っておられるのか?」
「勿論。あれは悪名高きロキの僕だ。
ロキの事は話したな?
アンクルボダは、自分の命と引き換えに、死者を蘇らせることができる」
シンモラは続ける。
「おそらく、ヨルムンガンドも呼び戻されたのだ。
ヤツは、他にも魔狼フェンリルや、地獄の番人ヘル神を呼び戻した。
さっきの大蛇は、ヨルムンガンドと言う。
死ぬ間際に猛毒を吐くことで有名だ。
あの黄金の雫は、ヨルムンガンドから滴り落ちた、涎だ。あれに、毒が含まれていた。」
と、シンモラ。
ボッサは、自分の右手を見た。さっきまで手中にあった雫は、既に肌に溶け込んでしまったのだろうか。
体がだるいのも毒のせいかもしれない...。
「道理で右手が動かん訳だ。
シンモラ神よ、この毒が全身に回るとどうなる?」
「死に至るだろう。
しかも、ヒトとなると余計、感染速度は速い。」
と、シンモラ。
「死、か...。今更恐れるほどのものではないな。
死ぬ間際に、幻想的な体験ができた。
夢だった秘境も見つけることができた。
怖いものは何一つないのだ、この老いぼれた体には」
と、ボッサ。
「馬鹿者が!
お前は死んではならぬ。
レーヴァテインの所有者が死んでしまったら、この世界の理が乱れてしまう。
それだけは避けねばならぬ」
「...。」
ボッサは黙った。
「質問はすんだか?
これから異世界へとぶ。
向こうに着いたら、くれぐれも私語は話さぬように。」
と、シンモラ。
シンモラは魔力の込められた石碑に右手を触れ、左手の指で空に魔方陣を描いた。
次の瞬間、視界が真っ暗になり、2人は無の空間から異空間へとワープした。
___異空間___
「...アースガルド。
無事、成功だ!転送魔法は初めてで不安だったが」
シンモラが嬉しそうに言った。
「アースガルド?あの橋は?」
と、ボッサ。
「誰か来る!隠れるんだ」
2人は、岩陰に隠れた。
「誰だ!」
聞き覚えのない男の声がした。
「出てくるんだ、その岩陰にいるのは音で分かる」
シンモラは、ボッサに隠れていろと目で合図した。
「白き神ヘイムダルよ。」
「その声は...シンモラ!哀れなシンモラだな!」
と、ヘイムダルは言った。
「そうだ、私はシンモラだ。この橋を渡らせてはくれぬか。」
「哀れなシンモラよ!
そなたは無の空間でレーヴァテインを管理していたはず。
ロキの呪縛が解けたのか?」
「そうだ、私は自由の身。
オーディン神に用があって、ここへきた。
さあ、通したまえ!白き神ヘイムダルよ。」
「よろしかろう、通るがいい。
...ヒトを連れてくるとは、そなたも物好きだな。安心しなされ、このことは他言無用。」
と、ヘイムダル。
「流石。ヒトの気配を感じとられるとは。
さあ、行くぞ。」
と、シンモラはボッサを呼び寄せた。
シンモラは橋を渡り、城壁の門を開き、中に入った。ボッサもそれに続く。
2人を見送ったヘイムダルは呟いた、
「おお...シンモラよ、哀れなり...
あのロキに目をつけられれば最後...」
「ここが、ヴァルハラ。オーディン神の玉座は最奥にある。」
と、シンモラ。
「あのカラスは?変な目つきでこちらを伺っているが。」
「振り向いてはいけない、あれはフギン。このヴァルハラを監視するワタリガラスだ。」
二人は奥へと進み、玉座の間へと辿り着いた。
「私の後ろにいるんだ」
シンモラはそういうと、ゆっくりと門を開けた。
おいこら!いい加減にしろ!
書きかけの文章を3回も消してしまいましたOrz...
スマートフォンから書き込んでいるので、操作がしづらいんです。
1回目は更新ボタンを押し、2回目はブラウザーを閉じ、3回目は電池が切れました。
3000文字くらいあり、とりあえず神々について、part2の解説と、ちょこっとストーリー進むはずだったんです。
ということで、4回目の投稿です。
※挨拶は省略させていただきます。
思ったより、話が進みません。話の展開を考えていないからだと思います。
もう6話目だと言うのに、下手な漫画家並みの進みの遅さですよ、これは危険が危ないと思って、急遽内容を変更しました。元々3000字くらいあったのですが、くどい説明を全て削り、物語を進めました。
あいにくの遅さですが、2000文字突破という形で、今回は終わりです。




