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あ1  作者:
31/35

救世主

ご指摘を受けてから、逆に更新するのが恥ずかしい。


___無の空間・下層___


腐った樹の根元(ユグドラシル)を越えた先に川が流れていた。

子供でもまたいで飛び越せるほどなので、川かどうかは分からない。

シンモラが言うには「ユグドラシルがこの水を吸っている」のだ。

足元を注意深く視察するとなるほど、以前まで水が通っていた形跡があった。


「ここから先は死者の域だぞ」と呼び止められて、知ったことか、と答えた。

自分が誘導する以外に道のないボッサはそれしか言えなかったし、神の使いであるフギンもついていたので、さほど気にはしない。


見苦しい景色にももう慣れ、相変わらず光源が何一つなく、辺り一面真っ黒なのにも耐えることができた。

レーヴァテインの力なのか分からないが、一行は闇の中を進んでいった。


ビュッ


空気を裂いて飛んでくるなにかを捉えた。

ボッサが振り返ると、その姿を認めた。

数時間ほど前の追っ手だ。

彼らは馬に跨り、弦を張っていた。

総勢四人。侮ると命を落とす。


「降りてこい!」

シンモラが叫んだが、降りてくる気配はない。

彼らは崖の上から射っているのだ。暗いのでそれが崖かは分からなかったが、みなカンテラを吊るしていたので位置はわかった。


何やら呟く声が聞こえ、即座に淡い光がかかった。

守護魔法(バリア)』だろう。


ビュッ


次の矢が放たれたが、消えた。

魔法に吸い取られたそれは跡形もなく消えた。


本来ならこの距離から的中するはずもないが、フギンを安心させるためだろう。

案の定、臆病なカラスはポーカーフェイスを気取り先々と進み、ボッサがシンモラをリードする形となった。


そして、闇は一層深くなった。

特に、本当に、何も起こらなかった。

一行にはまるで嵐の前の静けさのように感じられた。



___無の空間・最下層___


「これは......」

ボッサが呟いた。


闇の中に、次第に泉が浮かび上がってくる。

足元まで迫って来たときには流石に驚いた。

三歩ほど下がると、穴の拡大はおさまった。

続いて、水が注ぎ込まれた。

だが、音がしない。


「無視したほうがいいぞ」

と、シンモラ。


カラスが縮こまっているので何か起こるのだ。

しばらく待っていたが、次第にその姿があらわになった。

水が蛇にかわった。......ありのままの表現なので、仕方がない。


蛇は「ここにも犠牲者が......」と呻いた。


「つい先ほど、あなたと同じようなものが通ってゆきました」


今にも透き通りそうな声でそういうと、蛇は舌を出した。

ボッサは剣を抜き、身構えたが、シンモラに制された。


「ここから出る方法はたった一つ。三つの泉を探し出して......」


「黙れ」


可哀想に、シンモラの声に蛇は縮こまった。


「お前の面が拝みたくてここに来る奴がどれほどいるのか知らんが、ヘルに会いに来た」


蛇は対してリアクションをとるでもなく、待っていましたというばかりに泉を閉じた。

途端大地が形成され、泉などというのは跡形もない。


「悪いジョークさ」

シンモラは懐に隠れていたフギンをつまみ出した。



蛇は実際のところ、悲しかった。

もう、バルドルに会うことは叶わないのか......と一人で嘆いた。

そして、ヘルの宮殿へと道を繋げた。



___無の空間・ヘルの宮殿___


コツ、コツ。

大理石のような床に心地よい足音が鳴る。

だが、エランドには、それが死へと一歩一歩を踏み出しているのだと思わずにはいられなかった。そして、そういった恐怖が更に彼の復讐心を煽った。


先程まで、一面が闇だったというのに、今度は景色が一変して、壁一面が宝石だ。


......この女、どういう趣味をしてるんだ?と思わずにはいられなかった。


思っている場合ではなかった。

エランドは次の瞬間には鎌剣グラムを構えていた。

目の前に巨人が現れた。

さっきのやつより、一回り小さいが、厄介であることに変わりはない。

そしてその横に飛翔する物体。

一見はダイアモンドだが、その中心に目のようなものが一つ。それを動力源にして浮いている。

ムニンが素早く悟って、ゲル、フレキはもう闇に隠れた。

あの二匹と息が合うわけでは無い。実質は一対二、なのだ。


グラムから、力が送られてくる。それが全身に行き渡ったところで相手が動き出した。

......なるほど、まずは様子見か。


エランドは左手のスナップを使い、グルムを文字通り相手へと投げた。が、跳ね返される。


「なんて奴だ、何が起こっているんだ」

そう呟いて、もう一方を投げる。


コツン、カラカラ。


二回目にして、ようやく待ちわびたものが来た。

頭の中に、ムニンの意識が流れ込む。

(障壁がある)

を即座に理解するが早いか、体が投げ飛ばされた。

気づけば目の前に巨人がいて、はるか前方に落ちたグラムとの距離がさらに遠ざかる。


投げられたのとは別に、新たな問題ができた。


がっしゃん。


内部から亀裂が入ったダイアモンドの柱が、今まさにくだけ散ろうとしていた。


闇から狼が飛び出したのを尻目に、エランドは横に転がって危険を回避する。

もっと派手な音が響いたのと同時に、新たなる意識。

(見ておけ)

どちらかはわからないが、狼のものだ。

朦朧とした目に意識を促しつつ、舌打ちした。グラムが無いせいで、回復が遅い。

ようやく見て取れたのが、狼が突進する間際に、やはりコツンという音が響く。

そして、見えざる障壁に守られ......。

その時に、飛翔している方の目が光った。

障壁は、奴の仕業か。

考えている暇はなかった。

巨人の攻撃を咄嗟にもかわしつつ、新たな意識。ムニンか。

(目をつぶれ)

やけに説破の詰まった声に思わず目をそむける。


途端、後方でものすごい光が走った。

洒落にならない。


物体の目から熱線が放たれていた。


一面に張り巡らされたダイアモンドに次々と熱が伝わる。

とてつもなく熱いらしく、直接触れておらずとも、髪の一部が焦げた。


そして、ダイアモンドは光を屈折させる。

熱線は光線にもなる。

見ると、焼けただれた狼の姿が、あった。

......逃げ遅れたか。

と思う暇もなく、どしん、どしんと繰り出される強烈な一撃。

......何でこいつはなんともないんだ?

エランドは巨人を見た。

あろうことか、目が無かった。

眼球があるべきところが、空洞。そのまま奥の壁が見えた。


......勝ち目が、無い。

一面に張り巡らされたダイアモンドの意味を理解しつつ、更に転がったエランドは、もう後がないことに気づいた。

ゴロゴロ、ドスン。と、体が壁に打ち付けられる。

まだ熱を帯びているようで、肩が焼けるように痛い。

ふとみると、光線を直撃した部分で、その周辺のダイアモンドが全てドロドロに溶けていた。

反射的に身をそらしたが、もう遅い。

為すすべなくして、エランドの体はもう一度地面を這うしかなくなった。

体が燃えるように熱い。


巨人が熱を帯びたダイアモンドの上で立っていられるのは、皮膚が分厚いからか。


ムニンをみると、羽を焦がしてしまわないように熱心に羽ばたいている。


さっき倒れたのはフレキの方だった。

ゲルがなけなしの力を振るって(それでも怪力だが)、相棒の体を持ち上げた。

瞬時に、フレキが倒れた理由がわかった。

逃げ遅れたのでは無い、グルムが壊れないように、その上に覆いかぶさったのだ。

物体はグルムを狙って、光線を発射したのだった。

......馬鹿野朗が!

それで、エランドの闘志が満たされた。


次の照射まで......良くて一分か。

エランドは巨人の追撃を振り切り、グラムへと走った。

ゲルはフレキを抱え、最後の力を振り絞るかのように弱々しく闇に溶けた。

だが、所詮は姿を消しただけ。やはり、光線に当たるときは当たるのだ。

グラムを引っ掴むと、ムニンの指示を仰ぐ。

ようやくホバリングが安定したところで、決定打が下された。

(光線を発射する間際、奴の障壁は消えた)

それで全てを悟った。

しかし、いくら障壁がなくっとも、ダイアモンドなのだ。こんなオモチャでは壊れない。

そして、先程、巨人の攻撃でダイアモンドの柱が砕け散ったのを思い出した。

次の光線が発射されれば、間違いなく全滅だ。

まずは一本。

巨人の胸に当たったそれはカツン、と落ちた。障壁の効果だ。

だが、それでいい。十分注目を引きつつ、こちらに誘導させる。


物体の目が、赤く光り始めた。


もう、時間がない。

エランドは是が非でも、と思い物体を押さえつけた。


巨人は頭が悪い。時には仲間にも危害を加えるものだ。


物体を握る左手が溶け始めても構わない。

皮膚がただれ、血が吹き出して来た。

「痛いってのォォォォォォッッ!」

思い切り叫んだ。


悪夢が終わった。

左手の感触がなくなり、ガッシャン。という音を聞いた。


そして、悪夢が始まった。

先の無い手首から血が吹き出し、これまでに無い痛みがエランドを襲った。

それでも幸運だったのは、巨人が倒れたことだ。

ウゥゥゥゥン、と低い振動を聞いて、目の前を見ると、巨人の頭が砕け散っていた。どうやら、巨人もダイアモンドでできていたようだ。


バリーーーーン

ガッシャン!!!


耳をつんざくような音が聞こえ、巨人が倒れた。

巨人のそばに、巨大な鈍器が転がっていた。

あまりにも話が進まないので、今回から異界編と現実世界編の二つに分けて話を進めます。


ちなみに、メインとなる次回作に続くお話は異界というか、ラグナロクでどーなったか、だけなので、ルフトルやらは一切関与しません(一応、現実世界編でのお話は多少次回に受け継がれる)。


ありゃ?今おもったのですが、そういえば現実世界の方に神が二人紛れ込んでるのを思い出しましたね。

これじゃやっぱり話進まないじゃん


※挨拶は省略させていただきます。


投稿が遅くなったのには特に理由がありません。

まあ学生って忙しいし、多少はね......?

三点リーダーを二つ繋げて打つのに、...を二回(つまり一つの点を六回)打たないといけないのがすごくめんどくさいと思い始めている今日この頃です。

7個とか5個とかになってるところがあるかもしれませんね。


暇すぎます。

書いてるこっちでもあくびが出てくるのですが、なんというか戦闘が少ないのかな?ずっと歩いてるっていうのだけでほぼここまで来てしまいました。

ボッサ編では、ほとんど戦闘シーンは無く、ただただ退屈な描写が延々と続くかもしれません。

何つーかやりたいことやり尽くしたのよね。


今回のエランド編は結構力入れたつもり。

ダイアモンドには詳しくないんだけど。

まあ、勉強になりました。

ダイアモンドって結構もろくて、ガスバーナーで炙ったくらいでもとけますし、ハンマーで叩いたくらいでも粉々になるそーです。


そして恒例の補足です。

今回はちょっとしたネタを挟んで見たのですが、どうでもいいと思うので、ぱぱぱっとネタバラシして終わり!


蛇が宮殿に道を繋いだってのがありますが、作者は一応、これを伏線?的な意味で書いてます。まあそれが分かった方は凄いですね。

どういうことなのかというと、話は遡ること十二話。


蛇が、三つの泉を回って啓示受けろ、との嘘の命令を下して、消えるシーンがあります。

ですが、実はこの蛇がいる泉が最後の泉。だって奥にはヘルの宮殿しか無いからね。

つまり、ほかの二つは下層にあって、ここ最下層には蛇の泉しか無いのです。

しかし、蛇は突き返すことなく、エランドに道を開けた......。

蛇は最初から諦めかけてたってことです。

オーディンには逆らえませんからねw

まあ分かりにくすぎるお話でしたが、参考になれば幸いです。


easy_Xさんでした〜。

それではこの辺りで、さいなら〜〜〜っ。

拍手喝采。

って言ってもこのネタは伝わらんか。


ただでさえ掃き溜めの残飯を食った犬がお腹壊してだした液状のうんこから出てきた微量の菌を形成する微粒子くらいの価値しかないお話ですが、次回作とかこれもうわかんねぇなぁ......。

まあ、展開としてはだいぶ決まって来てるんでね。

あとは地理的な問題なんで。

やっぱり大陸とか考えるのは面倒臭いので、次回作の大陸はマインクラフトというゲームで形成されたワールドを利用しようと思ってます。

こういうことにだけは頭回るからね。


まあ、その分背景描写とかも期待しない程度に期待しといてねって事でまた次回。


一目で尋常でないネーミングセンスだと見抜いたよ(現実世界とか無の空間ってくそだせえ)。

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