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二十話:城下街

はよ終われや...

___キルティ城下町・宿___


天窓から、光が差し込んでくる。


それを受け、ルフトルは起き上がった。

実は数分前に起きていたのだが、寝起きというものは体がだるいもので、ごろごろしていた。

思えば、一人での生活?は今日が初めてなのかもしれない。誰にも何も言われないということが、こんなに素晴らしいことだと感じたことがなかった。この十四年間、常に指図をされるがままに生きてきた。年頃の彼にとっては、新鮮だと思えた。


早速身支度を整え、外に出た。

いや、ちょっと待てよ。

昨日、この街へやってきた(強制的に)ときは真夜中のことで、人通りも少なかったから無事だった。

しかし、今はどうだ?昼間なら、人通りも盛んになるだろう。顔を知られているかもしれないのだ。今ここで、ゲベールの王子が潜入している...なんてバレたらまた牢屋行きか。それだけではなく、死刑になるかもしれない。それだけは避けたかった。

仕方がないので、着ていた服を脱ぎ、それを頭に巻き付けた。目の部分だけ見せ、あとはすっぽり覆ってしまう。

肌を露わにして歩き回るのは恥ずかしかったが、死ぬよりはマシだ。しばらくの辛抱と思い、思い切って外に出た。


昨日もらった地図を頼りに、街を歩いていく。


驚いたのは、そのスケールだ。ゲベールの城下町といえば、町に流れる3つの大河でそれぞれの区が決められ、市民が住む住宅区、工場や市場が立ち並ぶ工業区、貴族が住まう住宅区に分かれていて、身分の違いが激しかった。


ルフトルが知る限りでは、キルティに対抗するべく、市民たちは強制的に肉体労働を強いられる反面、貴族は町中を闊歩した。市民の唯一の心の拠り所である酒場が占領されることも多く、そのせいで暴動は日常茶飯事。国の治安維持部隊の懐は、たちまち豊かになっていった。

そんなこんなで、国を統括する父ラフカン王は何とかして市民を引き留めようと、税の負担を減らしたり、演説を行ったりと気苦労が絶えない。

こんなゲベールが何とか持ちこたえられているのは、北東に位置するレベの反乱軍の協力のおかげだった。


それに比べ、ここの街は道が整備されていて、綺麗だ。ゴミが散らかったり、路地裏から悪臭を放つようなことがない。

人々の目は活気にあふれ、そこら中でそれぞれの会話に励んでいる。

治安もよく、暴動が起きたり、人が死んだりするというようなことは想像しづらかった。


なるほど、キルティとゲベールでは天と地ほどの差がある...。

悔しいが。


地図に目線を合わす。

...よく見ると、隠れ家の他にメモがしてある。

微笑した。まずは装備を整えてこい、と書かれてある。

流石に、擦り切れた服一枚と、役に立たない剣だけでは心許ないのだ。

粗い字で装具屋の位置がマーキングされており、そこに向かった。


途中で何度もぶつかったり転びそうになった。

よく見ると、人々は体を右に寄せ歩いている。

なるほど。方向が決まっているのか?今日は、気づかされることばかりだ。ほかにも、相当な数の法律があるに違いない。だから、こんなに規則正しい生活が送れるのだろう。


そうこうしているうちに、店を見つけた。入口には細やかな細工が施されている。

看板が掲げられ、リリエの装具屋と書かれていた。


これ以上耐えられない...!

すぐさま店に入り、適当に衣服を掴んで購入の手続きを済ませた。

一息つき、恐る恐る服を着てみる。

サイズは?見た目は?いや、何より...値段は...?

そうだ。昨日貰った額は5000ギルド。宿で500ギルドを使ったから4500ギルドだ。懐を探り、金をばらまく。

ショックだった。手持ちの金は3000ギルド。つまり、1500ギルドという大金を服一枚のために使ってしまったことになる。

見れば、上質の素材を使っているらしい。これで1500ギルドを消費するとは...。


忘れていた。キルティとゲベールでは技術力にも天と地ほどの差があるのだ。

ゲベールのでの服といったら、麻なんかで作られた質素なもので、300ギルド前後で買えたはずだ。

キルティのものは、どうやら絹を使っているらしい。運が悪いことに、ルフトルが選んだものは高級な品質のものだったらしい。

同じ服を買うだけで、こうまで違うのか。

更に気づいたことがある。盾や剣なども、ゲベール製の物より高く、下手をすれば10万ギルドするものも少なくなかった。

咄嗟にほかの棚に目を走らせると、最低の剣でも3000ギルド。

手持ちの金を、全て使ってしまうことになる。


仕方なく、それを買うのを諦め、小ぶりの盾を一つ買うことにした。

こちらはなんと2000ギルド。かなりの大金だ。実用性は低そうだが、ないよりはマシ...。


残りにと1000ギルドをとっておき、ルフトルは店を出た。

自分がいかに買い物下手であるのかよく思い知らされた。

服を買えただけでも、ありがたい収穫だろうか。


盾を鞄に入れ、地図を見て今度は隠れ家に直行する。


見覚えのある通りに出て、立ち止まった。

このあたりのはず...。

注意深く探すと、端のほうに一軒の小さい家が建っていた。...あれか。


特別な雰囲気はなく、ごく普通の家だ。周りの建物が大きいせいで、これだけが小さく見えてしまう。が、それでもゲベールの一般の家の1.5倍はあると見えた。

玄関前で、少女が駆け回っていた。こちらを見つけると、一目散に家に入った。



その家には、男と、一人の娘、一人の息子がいた。


娘が扉を開け、走りこんでくる。


男が「なんだ、どうした」と言うと、娘はこういうのだ。


「おじちゃん、お客さんだよ」


「あー?オレに客?どんなやつだった?」

と男。


「若いおじちゃん。」

若いおじちゃん...?


娘は話を続ける。


「その人が、おじちゃんを呼んでたの。」

娘は言った。


男は微笑み、娘の頭を撫でた。


この娘は特別な存在...。公にすることのできない、特別な何かを持っているのだ。傷つけるわけにはいかない。


男は、その一部始終を心配そうに見ていた兄に向かって言った。


「さ、上へあがってなさい。おじちゃんは今から大事なことをするから、仲良くしてるんだぞ」

といい、二人を追いやった。


二人はしぶしぶ、二階へとあがった。

それを見届け、男は玄関を開けた。


「やや、すまない。遅くなってな」

と男はいい、退屈していたルフトルを中に入れた。


「どうも。お名前をお伺いしていませんでしたね」

と、ルフトル。なんて呼べばいいのかわからない。これでは失礼な気がした。


「名前なんて...簡単に聞くもんじゃないぞ」

男は言い、話題を変えた。


「その服と盾は?」

昨日とは違っていた。新しい服に身を包み、下げた鞄からは無造作に突っ込まれた盾がはみでている。


ルフトルは恥ずかしながら、いきさつを説明した。

男は豪快に笑った。


「そりゃお前、ばかなことをしたもんだ!ここの連中は戦争になんぞ興味すら持ってないぞ。お前が思ってるのとは逆に、世間知らずで退屈するような連中ばかりだ!両国とのいざこざを気にしてるのはお偉方さんだけだし、そのお偉方さんは国民に心配をかけないように、隠し通しているからな」

ヒーヒーと苦しそうだ。


...そこまで笑わなくたっていいのに。

ともかく、顔を隠す必要はなかったのだ。あまり、有名ではないらしいから。

1500ギルドという大金を無駄に失ったのが、痛い。


「そ、そうなのか...てっきり、みんな知っているものだと。ゲベールじゃ...。」

と、ルフトル。


キルティは案外良いところなのかもしれない。ゲベールには、余裕がない。国民を満足に従わせてやれるほどの余裕が。


「それほど、ゲベールは焦っているんだな」

男に心を出し抜かれたようで、ギクリとする。


「立ち話もなんだ、座れよ。」と席を勧めた。


「さて、話を聞くに、お前さんは武器を買い損ねたろ?そのクルタナは、お前さんにはまだ早いのか?」

と、男が言った。


「クルタナを知っているのか?」

これについて、男は喋らなかった。仕方なく、魔法の修行中だ、ということと、武器がほしいことを話した、


「魔法...か。ま、生まれ持ってのもんっていうところもあるんでな。気にするなよ。1000ギルド残ってるんだろ?武器をくれてやろう」

そういえば、この男も魔法を使えるんだった。少々荒削りだったが、助けてくれた。って、え!?


「せ、1000ギルドでいいのですか!」

飛び上がりそうになる。

装具屋では、考えられないことだった。


「もとはと言えば、5000ギルドだって俺の金だ。つまり、両方に特も損もないんだ。」

男はそういうと、ちょっと待ってろ、と奥へ姿を消した。


数分ほどで、光り輝くものをもってきた。鉱石、だろうか。


「こいつはミスリルだ。ここらじゃあんまり取れないんだがな。レベ場のあたりでとれる。銅のように打ち伸ばす事が出来、磨けばガラスのように光る。銀色に光るが、いつまでも曇る事が無い。そういわれている、優れものさ」

みすりる...?聞いたことのない響きだった。


いや、聞いたことはあるのだろう。何せ、反乱軍が技術提供をしているのはゲベールなのだから。

そういえば、騎兵隊。ミスリル隊とか、いろいろ...。詳しくは覚えていない。


「いいだろ?俺は鍛冶屋だ。1000ギルドくれたら、こいつで最高の剣をつくってやろう。」


もちろん、すぐに了承した。

男はニンマリと笑い、すぐ終わる。と言い、姿を消した。


日は暮れ、一日の半分が過ぎようとしていた。

今日はいろいろなことがありすぎた。

いや、聞いたことはあるんだろう

21話目ということで、一話からここまで見返してみました。

最初のころは相当ひどかったですねw

展開も急ですし、5話なんか特にひどいw

内容のほとんどが会話文...。

吐き気がしてきました。いつか、書き直したいのですが、面倒くさくて。


※挨拶は省略させていただきます


最近は、3000文字以上がやっと安定してきました。

まだ3000文字ですよw

上手い方なんか、普通に数万ページ書いていらっしゃいますから...。作者には頑張っても4000、5000が限界です。

まあ、初投稿だし、多少はね...?


今回はのどかにお散歩パートです。

この世界の通貨、迷いましたねw

セントやドルのように、これがいくつあつまったらこれになるで、とかそういうの考えるのがすっごい苦手です。

FFやDQなど、RPGはすべてギルやGで統一されてるからいいですよね。という訳で、さんざん迷った挙句、ギルドにしました。ギル+ゴールド。

なんと捻りの無い...。荒唐無稽とはこの事か...!


裸で街中を歩くプレイなんて興味ないですよ。

いや、そういえばこいつらキルティの一般市民に敵国の王子じゃね?ってバレたらどうしようって思って急遽適当に考えた結果です。

服で顔を隠す以外の最善の選択肢が思いつかない。


こんな作品ですが、一度でも、ミスタッチでも見てくださった方々には感謝です。

やはり、作者はアホなので、文章になっていないと思うし、そもそも、このサイトは傾向として異世界とか恋愛とかそういうジャンルが好まれがちですよね。

序章を投稿した時はビクビクしていましたが、20話まで漕ぎ着けてみると全然緊張しませんね。

評価されるものは評価されるものは評価されますし、されないものはされないってのが分かってからは気楽にやっております。


そうそう、この前、ディープブルーっていうサメ映画を見ました。

是非皆さんも見てみてください。

ムッサおもろいんで。


ジョーズより好きです。

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