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あ1  作者:
19/35

十八話:予言。

祝!初の4000文字突破!

タイトルの三文字制限に厳しくなったら句読点等、記号を使うことにしました

___ゲベール城___


いつも通りの朝だ。

ルフトルらを使いにやってから一週間と少しが過ぎたが、未だに連絡はない。

ゲベールの王は起き上がった。

全てがいつも通り過ぎて、平和ボケしてしまっている。


一つ気がかりがあるとすれば、先日、ドル砂漠で火の柱があがった、ということだ。


伝説によれば、異世界の道具を拾い上げると、それにこの世界の自然の摂理が反発して膨大なエネルギーを巻き起こす。とされているが、何千年も前の書物だ。確証はない。

それに、この世界以外にも別の世界があるというのは、にわかには信じられない。

だが、それがルフトルらが出発した日と同じ日に起こったというのだから、一大事なのだ。無事だといいのだが。

護衛として、騎兵隊の精鋭と放浪の賢者オルキルを従わせた。炎の柱は、彼の魔法だったのかもしれない、と思い直すことにした。

そんなことを考えながら、テラスに出て朝のひと時を楽しむ。


ゲベール領全土が見渡せた。

下に広がる城下町には、ゲベール領の人口のうち大半が住み着いている。人々はそこで生活を営んでいる。何千年も前からそういう文化があったのだろうか。身分の違いで人々を従わせるような、そんな文化が。

少なくとも、この城がつくられた時より前にはあったのではなかろうか。元々、この城だって、名高い貴族が設計したとされているのだから。


町の門を出ると、ドル砂漠に出る。この砂漠を真北に行くと、人里離れた村に出ると言われている。そこを越えれば、キルティとゲベールを壁立たせる、サモステル峠にあたる。


砂漠を北東に行くと、一つの大河が流れている。

ワイド河と言うらしい。

なにぶん、砂漠を一つ越えていかなければならない上に、整備もされておらず、朽ちた橋が架かっているだけなので、もう何年も人は通っていないのだろう。

その奥に、更なる人の文化があるというのだから驚きだ。

レベ城。ゲベールに通ずる組織、反乱軍が拠点としているところだ。

定期的に補給物資や、帝国の情報が、行商などと共に流れ込んでくるのだが、今回はやけに遅い。


そんなところか。

とは言っても、ゲベール領は、このフリオスの大地の5分の2程度しかない。

それに、そのほとんどが砂漠だ。

つまり、都市部と言えるような場所は、この城下町と、レベ城の周辺にある小さな村が群衆しているところくらいだった。

フリオスの『北側』と『南側』。そのあんまりな格差が、争いを更に悪化させている。

今は、闘うという意味での争いは起きていないが、互いに睨み合っているような状況だ。

日々コソ泥が、双方の領に出入りしては、自分の領土にブツを持ち帰っている。

冷や汗が流れそうになるほど、冷たい戦争をしているのだ。


キルティは軍事力や生産性を高め、脅しをかけるように、ゲベールの劣等感を引き立てている。

ゲベールも負けじと、盗んだ情報をうまく活用し、技術を真似したりして対抗している。こちらの売りは、国民からの信頼が厚いこと、といった感じか。しかし、それも所詮は形だけ。民は自分たちが安心して生活を送れるようにとゲベールを盾にしているだけなのだから。


こう言った具合だ。


王はため息をつくと、日課に戻った。

私室に設けられた作業場に行き、この国の資源や財産、また、民の裕福、貧困の差についての管理など、日々そういった仕事をするのだ。

そして夜になると、広場で演説を開き、民に心を開かせたりもしなければならない。

今は1人でも多くの民をゲベールに引き留めておきたかった。



突然にして、日常をひっくり返すようなことが起きた。

バタン!

いつも通りの、見張りの召使いだ。

だが、品を無くし、冷静さを失っている。

戸を思い切り開けた衝撃で、立てかけてある肖像画が倒れても気にしなかった。


そして、早口でまくし立てた。

どんな事よりも心配していた、後ろ盾であるレベ城が何者かの襲撃を受けたこと。


すなわち、これは、戦いに負けたことを意味していた。



___無の空間・上層___


フギンの先導を頼りに、狭く薄暗い通路を進んで行く。

だが、妙だ。魔物の気配が無い。まるで、この空間自体が眠っているかのようにひっそりと静まり返っていた。

だが、ボッサにはそれよりも気にかかることがあった。

確かに、感じ取っていた異様な風景。

魔方陣に飛び込む前。スリプニルの背中から見た景色を思い出す。

どれもこれも、自分が住んでいた世界とは違う幻想が生み出した産物のようだった。だがしかし、それらは皆、輝きが失せていた。

僅かながら空気はどんよりと重たくのしかかるような感じだったし、そもそも、空が暗かった。昼間だというのに、陽が照っていない。


シンモラも、同じことを考えていた。ユグドラシルからは、いつもの神々しく照りつける光が、最近は感じ取れないのだ。

あの方の影響か、それとも...。



__異界ヴァルハラ___


全知全能の神、オーディンは焦っていた。

一ヶ月前、醜い雄鳥がユグドラシルの頂を占領してから、辺りの雰囲気は次第に悪くなっていた。

まずは環境の変化だ。

次第に気温が下がり、夏にもかかわらず、よく雪が降ることもあったし、大いなるミーミルの泉にさえ、氷が張っていたことがしばしばあった。

地上に住む無名の神たちはやせ細り、輝きを無くしていた。

しかも、その影響は、この神殿にまで訪れることとなった。


シンモラらを送り届けた直後、門番をしていた白き神ヘイムダルは、異常を訴え、玉座に引き返して来た。

見ると、何かに取り憑かれたかのように、巨人族の無名の巨人たちがこのヴァルハラに向かって行軍していた。

その時は流石に、神殿の者達に召集をかけ、退けることに成功した。が、巨人たちはワラワラと地の底からはい上がり、キリがない。

神殿の者達は、攻撃こそ受けていないが、次第に疲労がたまっていた。矢筒は空になり、魔力も底をつき、剣や矛の刃は欠けていた。

ヘイムダルは後方で魔法の旋律を奏で、味方を支援しているが、弦が切れそうだ。

こんなやり取りを何時間も続けている。


じわじわと、ヴァルハラの軍が後退し始める。それを好機に、巨人たちは続々と行軍を開始する。


巨人たちは、神殿のテラスから遠目で見えるくらいの距離まで接近していた。久しぶりに、恐怖を味わった気がした。


これを見たオーディンは焦って、書斎に移動した。

咄嗟に古の呪文をつぶやく。

『見破り』を念じると、奥への扉が開いた。狭い正方形の部屋の中央に机がある。

机の上に、乾ききった目玉が安置されていた。限りない叡智を得るための代償だ。

過去に、自らの目をくり抜いたことがあった。これを、大いなるミーミルの泉に持っていくと、ミーミルから助言を得ることができる。

ミーミルは巨人でありながら、神に分類される、特別な存在だ。


オーディンは目玉を小箱に入れ、書斎を抜けた。

急いで宮殿を出て、裏門へと向かう。


そこで、立ち止まった。

古の呪文をつぶやく。

『大いなる光への帰還』

体が光に包まれ、消える。1秒の間に、大いなるミーミルの泉へ転移した。

古の魔術は、最も強いと言われているいくつかの元素を組み合わせることで、物理的に不可能な移動や攻撃を可能にする。限られたものだけが使うことができる。


オーディンは泉の中央、光の神殿に入った。

鍵は空いていた...いや、扉が破られていた。

ハッと我に帰り、魔槍グングニルを取り出す。魔力を込め、自らの周りにバリアを貼った。気休め程度にはなるだろう。


「おお...ミーミルよ!」

オーディンの声は震えていた。


そこには、あるはずのパーツ...

がなく、胴体だけが血に塗れた状態で放棄されていた。


「ミーミル!ミーミル!!」

オーディンは叫んだ。


「おお...力を、知恵を授けたまえ...!」

呼びかけには、応じない。


辺りを見回した。

神殿を支える柱の数本が折れ、天井が傾いていた。

聖なる水は溢れ出し、紅に染まっていた。


そして、首が、あった。

そう、ミーミルの、首、だったものだ。

オーディンは首を抱えこんだ。

顔の半分が食いちぎられ...酷い有様だ。


オーディンは、グングニルで、自らを突き刺した。

その部分から、金色の液体が溢れ出る。

「ミー...ミル」

と一声かけ、虚ろな目をしたミーミルの首に、液体を注ぎ込む。


ミーミルが息を吹き返した。

息も絶え絶えになりながら、目をゆっくりと開け、半分しかない口を開けた。


「フェンリル...奴は...お主を...!」

ミーミルが喘ぐ。


オーディンはグングニルに突き刺されたまま、そこから溢れ出る液体を首に注ぎ続けた。

顔が、再生される。小箱から取り出した眼球を、顔に空いた穴に入れる。

オーディンの消耗は激しくなった。


「我...予言する..、、、、」


「フェ、フェンリルは...飢えている!今にでも、神々を喰らい尽くし!』


「...喰らい尽くすことになるだろう」

ミーミルは苦しそうだ。


オーディンはゆっくりと槍を引き抜き、自らの治療を始めながら、口を開いた。


「フェンリル...忌々しい、奴め。アンクルボダの子供。我々の敵」


ミーミルがかわって、言葉を続ける


「ロキは、アンクルボダを呼び出し、フェンリル、ヘル...、そして!」


「そして、ヨルムンガンドを生み出させた、、、これにより、ラグナロクが始まる...。三体の悪しきものは、『無』で目を覚まし、巨人を率いて総攻撃を開始、する...これによ!」


「...これにより、アース、ヴァンの神族は敗れ去り、ユグドラシルはまもなく崩壊する!」

ここで、言葉を途切らせ、血を吐いた。


また、続ける。


「また、フェンリルは全能の神、ヨルムンガンドは賢き神を喰らう。ヘルは『無』にとどまり、神具の所持者とせんものと対峙する」


「神具所持者は敗れる。一人は世界を崩壊させ、9つを乱す。また、一人は悪におちるだろう」


「ラ...ラグナロク。これにより世界の秩序は乱れ、神々の復活は永久に亡き者となるであろう。神具は5つ揃わず、主要神はバラバラに引き裂かれる。巨人は『天』を破壊し、『無』を解放する。邪なるものは『地』に解き放たれん...!」


そこまでだった。

ミーミルは、長い一生を終えた。

オーディンは、ミーミルの死と、神々の敗北を悟り、ただただ、永遠に泣き続けた。




もうこの物語を早く終わらしたい気持ちでいっぱいです。

何故なら、次回作の物語の構想を練っていて、早くそれを形にしたいから。


※挨拶は省略させていただきます。


早く終わってほしい...。

いやー、この物語は本編の前の話っていう設定だから、ぺっらぺらの内容でいいんだよ〜...。

もうやることもないですし、ぶっちゃけ現実世界でルフトルがどーのこーの動いてキルティがどーのこーのなって。ユグドラシルの方ではラグナロクが訪れてどーのこーのなって。っていうので終わりなんですよw

なんでこうも思い通りに進まないかなぁ。


本文中、ミーミルが9つを乱すと言っていますが、これについて。

本作の9つの世界は、

異世界であるユグドラシルの内のアースガルズ、ヴァナへイム、ヨトゥンヘイム。

無の空間(原作の北欧神話では二ヴルヘイム、ヘルとされています)の内の上層・中層・下層。

そして、現実世界(フリオス)のゲベール、キルティ、レベの集落です。



じつは、ラピュタを見ながら小説書いてたんですよw

リアルタイムで見ていらっしゃった方もいるかと思いますが、何度見ても、よく出来たストーリーですよね。

ジブリ作品の、あの不思議で神秘的な感じが大好きです。


でも、パズーは凄いですね。

作中では、何度も落ちそうになったりしていましたが、その度に立て直していますもんね。

ラピュタから落っこちそうになって、咄嗟にツタを手づかみして、登って行くシーンはおもしろかったですよ。普通、落ちるからなw

いやいや、そこじゃなくて。

とっさの判断力がすごいな、と。

普通なら、空から人が降ってくる時点で、思考回路が追いつかなくなりませんか。だって、ありえないもん。

しかし、この人は違った。落ちてくるであろう場所へ行き、なんと抱きかかえて、帰ったのですから。

自分が置かれている状況を冷静に判断し、嵐の中でも必死に舵を取ってましたし。

ラピュタ上陸シーンでは、ここが、昔はこうだった。とか、こうなっちまった、とか。あれについていく、とか。ここがどうなってるのか。とか言うのをパパッと判断して、シータを優しく引っ張って言ったりもできる子。

あと、予め親方に断りを入れて置いたり、女の子を気遣ったりしているシーン。

この子、絶対できる子だよ、ほんと。


それはそうと、野獣先輩ウイルスなるものが出回っているのですね。

画像見させていただきましたが、笑いました。

えっなにこれは...(ドン引き)


まあ、パパパっと書いて終わり!ということで、今回もこの中途半端さでシメたいと思います。


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