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あ1  作者:
18/35

十七話:反乱軍

あいことばは「のばら」 。


よくおぼえておくのですよ 。

どすん。

高さはあまり無かったらしいが、勢いよく落ちたせいであざは出来たんじゃないだろうか。

無意識に打ち付けたところをさすったりして、目をあける。


「す、すまない。やり過ぎた。加減が分からんもんで...」

バツが悪そうに、大柄な男が立っていた。


2mはあるかもしれない大男は、背中に大剣を、右手にはロッドと言われる短杖を持っていた。

ロッドは2、30cmの、巨体には似合わないちっぽけなものだったが、さっきの魔法がこのロッドを伝って発されたことは疑いようが無かった。


「いいんだ。あなたは?」

と、ルフトル


この男は、表向きはキルティ帝国の組織だが、裏でゲベールを支援する、反乱軍という組織らしいのだ。

地下に巨大なパイプがあり、そこを抜けるとサモステルの裏側、つまり、ゲベールの城下町に出ることができるらしい。

パイプと言っても、坑道のようでロクに整備はされていない。道に沿って、レールが敷かれているからか、不思議と迷うことは起こらなさそうだった。


男は名乗りこそしなかったが、不思議と信頼できた。

父さんの名を使ったからだ。彼が言うには、あまりに帰還が遅いもので、心配したラフカン王が反乱軍に、もし見かけたら保護してやってくれ。と頼んだらしいのだ。


この男は、ついてこいという仕草をしてドスドスと道を歩く。ルフトルもそれに続いた。


もう、オルキルやヴァナディースのことはどうでもよくなってしまっていたのかもしれない。少なくとも、それに気付いたのは随分後のことだった。


道を進んで行くと、前方の道の他に、左に取ってつけたような木製の梯子が立てかけてあった。

そこから、暖かい光が溢れている。

男は、ルフトルを先に行かすように促した。

「どうも」と、梯子に手をかける。朽ちてはおらず、キキキ...と音を立てながら、恐る恐る登り始めた。

そう言えば、あの牢屋から、何故こんなにも簡単に脱出できたのだろうか。

捕まえたからには、もう少し警備を置いておいたらいいのに。と思った。...開けっ放しの穴のことは気に留めないことにした。


やがて、視界が広くなった。

どこにでもある、普通の家庭があった。

何故、こんな家がパイプで繋がっているんだろうか。聞きたいことが山ほどあったが、肝心の本人がいないと始まらない。

男は登るなり、「金をやるから、今日はどこかで宿を借りるといい。」と言った。


「何から何まで、感謝しています...。」

自分の口調に不慣れを感じながら、そう言って踵を返す。


「待て」と、ストップがかかった。


「上で子供達が寝ているから、静かに頼むよ。これに住所を記しておいた。明日、来てくれ。全てを説明しよう」

と言った。


子供を置き去りにしてまで、助けに来てくれたか。いや、利用するためなのか。

どちらにせよ、自分が助かったという事実に変わりはない。

再び礼を言うと、ルフトルは街区地図を受け取った。



宿に着いた。

地図のおかげで、割とすぐに場所が分かった。

ルフトルは、久々のベッドと風呂に心を弾ませながら、部屋を借りて、荷物を降ろす。


清い湯が、心身まで温めてくれた。疲れ切った身にとって、これほどのご褒美はなかっただろう。うとうとしそうになったルフトルだったが、睡魔に襲われないよう、早めにあがることにした。

そのままの格好で寝床につく。ここ一週間で、色々なことがあったな。と思い出す。

オルキルに叱責され、ヴァナディースと出会い、峠を越え、野宿して...。

全て昨日のことのように思い出せるが、やはり気になることはあった。

ドル砂漠での、例のあの事件だ。


自分が無謀だったせいで、多くの兵士を死なせて、時間も割いた。それについて、ルフトルは痛いほど承知しているつもりだったが...。やはり気になるのだ。

キルティの軍が今、どれほど準備を進め、または、行軍を開始しているのかは分からない。けれども、あのままドルームを無視して、馬の足でここまで来ていれば、2日、3日で突破できたはずだ。

それに、オルキルや騎兵隊のみんなも付いていてくれて、これほど心強いことはなかったように思えた。自分がやってしまったことについて、いつもより、深刻そうに頭を抱えるルフトルだったが、時間をかけても結果的にはここまでたどり着けているんだ。と自分に言い聞かせ、余計な考えを捨てた。


ふと、魔法について考える。

ヴァナディースが言ってたっけ。魔法はイメージで生み出すとかなんとか。


鞄からクルタナを取り出し、また寝床に戻る。

ヴァナディースがやっていたように右手で柄を持ち、左手を刃に添える。

炎...炎。

めらめらと燃え盛る火をイメージした。

それが空気と一体化して、なにもない空間に想像の火を投影する。

そのエネルギーを左手に寄せ集め、一気に剣へ流し込む。


うん、悪くないだろ。


だが、剣のほうは微動だにしないし、ルフトル自体疲れていたせいか、集中出来なかった。


きめ細かく織られた繊維が素肌に触れて心地が良い。

知らず知らずのうちに、クルタナを握りしめたまま、闇へと誘われた。

抵抗することもできず、目を閉じて体を闇に任せた。

なんでこんなに投稿が遅い!?

これでは、手がかじかんでタイピングしづらくなる!

リアルでの冬が来るぞ!


easy_Xは自分自身のことしか考えていない!

だから嫌がらせをすると宣言した!


気温が人体に影響を与えるなどと...ッ!


フン、この気温で人間達を粛清しようというのだ。


エゴだよ、それは!

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