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あ1  作者:
10/35

九話:グラム

現実世界キルティ

異世界アースガルズ

無の空間


この物語の世界観をはっきりさせる話です。

この三つの世界に、三人の主人公パーティがいて、それぞれ行動する。

そんなありふれたストーリー。

___キルティ北東___


はあっ...はぁっ...はぁっ...

息切れが激しい。まさか、この城に侵略する者がいるとは...。父上に知らせなければ


エランドは勢いよく玉座に続く扉を開けた。唖然とした。

衛兵たちは串刺しにされ、絨毯は血で染められ、国旗は引き裂かれた。

城中のいたるところで炎があがっている。


「何者かがこの城に侵略...」

「父上...?」

エランドはぐったりと項垂れた体を揺さぶった。

「父上!気を確かに!父上ーーーっ!!!」

返事がない。


王の手には、異彩を放つ鎌剣(れんけん)が握られていた。


「父上!あなたが死んだら、誰がこの王国を守ると言うのですか!」

エランドは尚も揺さぶり続ける。


エランドは顔を崩した。

しかし、間を空けず、扉が開く音がした。


「御機嫌麗しゅう...、エランド」


死神のような声が響く。


「エランドと知って、何故剣を向けるか!」

叫んだ声が響く


かつての活気溢れた空間は、跡形もなく崩れ去った。今はもう、紅に染められ、吐きそうになるほどの臭気が漂うだけの地獄のような光景が残るのみだった。


「意外と、そなたも甘いようで。」

抹殺部隊を指揮する男が言った。


兵士たちは、レイピアを突きつけるようにエランドへ向ける。

じり、じりと間合いを詰めるが、兵士たちは立ち止まった。


エランドは父の手から鎌剣をもぎ取った。


「これが何か分かるかっ!

剣だ!鎌剣グラム!」


高々と鎌剣を掲げると、黒の柱が立ち上った。

周りの兵士はそれに怖気付く。


「父上、お借りします...」

エランドは呟くと、鎌剣グラムを構えた。


「あの男こそ、我らが裏切り者よ!

だが、恐るるに至らず!奴は、戸惑っている。鎌剣グラムは臆病が持つ剣!我々に勝ち目など無いわ!」

男はレイピアを取り出した。


兵士もレイピアを持ち直した。


4対1だ。


エランドはグラムを投げ、1人目の兵士をなぎ倒した。兵士は二人掛かりで束になり、レイピアを突き出す。

エランドはそれを避けるのに精一杯だ。

男はレイピアを構え、狙いを定める。


2人目の兵士が鎌剣グルムを叩き落とす。3人目の兵士は左手にレイピアを突き刺した。


エランドの悲鳴があがるが、助けに駆けつける者は誰1人としていない。

加えて、3人目の兵士が突き刺したレイピアから手を離し、手足を拘束する。

2人目の兵士は鎌剣グルムを確保する。


事は一瞬にして進んだ。


「言い残しておくことは?」

男が問いかける。


「は、はなs


エランドの言葉を待たずして、切っ先が喉を捉えた。


「立てるな?ムニンよ」

男は1人目の兵士に問いかける。

だが、グルムにより、すでに命は絶たれていた。


「...」

男は、口を噤んだ。


「...!」

男は、いや、ロキは感じ取った。


「や、奴は...生きている...。

儀式をはじめさせる訳にはいかん!俺にグルムを差し出せ!」

誰も返事をしない。


「フレキ!俺にグルムを寄越せ!」

ロキは振り返った。

そこにいたはずの、グルムを確保した兵士フレキはグルムもろとも消えた。


「ゲル!ゲル!!ヤツの居場所を探れ!」


ロキは兵士ゲルもいなくなったこと、同時に、操りの術が切れてしまったことを悟った。


「くっそーーー!!!

忌々しいオーディンめ!俺の術を見破りやがったか!」

ロキは憤慨した。


「とにかく、鳥頭に報告だ、鎌剣グラムと、保持者に選ばれたヒトは消えた!

俺がエランドを逃したんじゃ無いぞ!

オーディンがエランドを逃したんだぞ!」

ロキは一人でそう叫び、焼け崩れた城を後にした。


城下町と城は一晩で焼け落ちたが、霧に包まれたこの土地の悲劇を知る者は1人としていなかった。


___異世界___


「フン、しょぼい奴が来よった。」

鳥男は言った。

「創造主ロキよ、お前は二度失敗した。

1度目はアンクルボダを使いにやるが、失敗。

2度目はお前自ら出陣して、神具を取り逃がすだと?」


ユグドラシルの枝がざわめく。

鳥男は体から発する光を強めた。


「知ったことかい!

1度目はシンモラに阻まれた。

2度目の失態はオーディンのせいだ!俺は悪く無い」

ロキは反論し、そっぽを向いた。

だが、内心ではこの鳥を殺し、自分がユグドラシルの頂にたとうかと考えていた。


「余を見くびるのも大概にせい!幸い、レーヴァテインの所持者はアースガルズに、グルムの所持者はオーディンが無の空間に飛ばしたことがわかっている。

直ちに始末せんとな。

ラグナロクまでに、余がこの世界の頂点に立つのだから。」

鳥男は光を弱めた。


「安心しろ、そなたは知らんだろうが、オレはヘマをしないぞ。

グルムに呪いの指輪を取り付けておいた...。これで、その保持者へ災いが降り注ぐだろうからな。」


鳥男は笑った。

誠、滑稽な男よ。そう言うと、鳥男は姿を消した。


ロキは分かっていた。

自分が鎌剣グラムと王を目当てに襲撃をしたせいで神々の注意をひいてしまったこと。

そして、オーディンが好機を逃さず、保持者もろとも、デルタクスでグルムを無の空間へと送り込んだこと。


悔し紛れにユグドラシルの枝を折り、地上へ投げつけた。

すみません、1日も投稿が遅れました。

本来ならば、きのうの12頃に投稿するはずだったのですが、寝る前までロボットアニメを見ていたんですよ。しかも、途中から眠たくなって、白いロボットが青いロボットにボッコボコにされるシーンくらいからの記憶がありません。

シねばいいのに。


※挨拶は省略させていただきます

九話は、ちょっと視点を変えてみました。

深い意味はないです、次の話はボッサとオーディンがどーのこーのするつもりでしたが、話が思い浮かばなかったので代わりに新しいヤツを登場させました。


グラムという剣、最初はストームブリンガーとして出そうと思っていましたが、流石にそこまで馬鹿では無いので躊躇しました。


デルタクスは、δ(デルタ)と、アックス(斧)を組み合わせたもの。

大体こいつのせい。


それと、疑問に思われるかもしれないので、一応。

二話で、『5つの秘境には5つの神具あり』と書いてあったと思うのですが、このグルムの場合、王が持っていた鎌剣グルムを成り行きでエランドが預かり、保持者となった。というだけです。


補足です。

兵士であるムニン、ゲル、フレキはオーディンが所持していましたが、本作品では、ロキにより操られ、兵士として姿を変えさせられます。


補足2。

今回からタイトルが三文字になりますが、特に深い意味はあります。


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