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総理大臣のヒットマン  作者: マルクス
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第1話

主人公→名前などは第二話以降に…。

今回はそんなに出番ないしね。

私→今回の視点人物は長女の彩です。


あとは読んでからのお楽しみ!

某日―総理官邸 応接間


「…では、この仕事任せたよ。」

目の前の机に標的の写真と、泊まっているホテルの俯瞰図が渡される。

「はい、分かりました。…二日以内にやればいいんですね?」

「ああ。もう少し時間があった方がいいかい?」

「いえ…私たちなら一日でもやれます。」

「そうか、期待しているよ。」

私たちに依頼した男――内閣総理大臣・泉川 司――が頬を緩めて私を見る。灰色のスーツにワイン色のネクタイ、政治家として若い男だからこその出で立ちだろう。実際笑った顔はそこらのスーパーにいそうな優しいお父さんだ。しかし、目には黒い影がある。歳は44、内閣総理大臣に就任してからもう5年が過ぎようとしている。

なぜこんな長期政権を築けているのか…。それはまあ、私たちがいるからなのだが。

「もう一つ、頼んでもいいかな?」

「…珍しいですね、一度に二人なんて。」

「ああ…違うよ。」

泉川が後ろに目をやると、一人の青年が棚の影から現れた。

「おっと…撃たないでくれ。彼は一般人だ。」

言われて自分が銃を出していることに気がついた。仕事柄、突然人が出てくると出してしまうのだ。

「…すみません。」

「いや、気にしないで。君が素晴らしい暗殺者だという事は私が一番知っているから。」

「…ありがとうございます。」

面と向かって褒められるのは慣れない。顔が赤くなったりしていないだろうか。こほん、と咳をして泉川に目を向ける。

「ところで…なんで一般人がここに?」

しっかりとその青年を見てみる。…本当に一般人だ。仕事柄、私たちのような仕事をする人間とそうでない人間は一目でわかる。ごく稀にわからない人間もいるが、この青年は間違いなく一般人だ。

「その事だが、君たちにこの男を暗殺者に育てて貰いたくてね。」

「はい?」

「心配はいらない、体力に関しては君と同じくらい、自動車やその他の免許もすべて持っている。」

「いえ、そういう問題ではなくて…」

「以前君も言っていたじゃないか、人手が足りない、と。」

「まあ…そうですが…」

「なら、いいじゃないか。」

「ですが…」

一瞬、空気が変わる。私はそれを見逃さない。

「……分かりました。引き受けます。」

「そうか。ありがとう。お前も挨拶しなさい。」

泉川が青年に目を向ける。青年は少しギクシャクしながらも、少し高い声でお願いしますと私に頭を下げた。こちらこそ、と私も頭を下げる。

「当分の間は君たちの家に住ませてやってくれ。こいつは家事もできるから、君も楽になるぞ。」

「そうですか。期待しています。」

時計を見る。もういい時間だ。もらった資料を鞄に入れて、立ち上がる。

「それでは私はこれで。…君、行くよ。」

はい、と青年が私より先にドアを開ける。

「では、頼んだよ。標的も…そいつも。」

「はい…失礼します。…お父様。」

ドアを開けて止めておいてくれた青年に礼を言い、私は応接間を出た。


読んでくださった皆様、ありがとうございます!

こういうサイトに載せるのは初めてなので、とても緊張しました。

一応恋愛モノとしておりますが、とてもゆっくり進行していくつもりですので、暖かい目で見守って頂けたら幸いです!

それではまた2話でお会いしましょう。

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