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【7人で】集まって書いてみた【合作小説】  作者: 倉間鴇 棗草 瑞水鈴 継霧音汰 雪星茜音 藤田稔 飴玉
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雨の街

初めまして、(とき)です。

この街の雲は低く、いや、地面が高いのか、なんにせよ僕が生まれてこのかた霧が晴れたことがない。気候の問題もあるのだろうが。

小さい頃町の書物保管庫で読んだ満天の夜空を、思い出し憧れてる。


僕の朝は多分、早い。

この建物の管理人は日が昇る少し前に一回目の目覚ましを放送してくれる。

それで起きるのは血気な幼児か、僕のように用事のある若者。


頭を掻きそのまま後ろで三つ編みにする、この髪はいつか金に困ったときに売る為の髪だ。

--湿気ってるせいで汗が乾かない。フケは向こうに行ってから流そう--

母譲りの緑の輝きをフードにしまった。


部屋は暗く、いくつかの熱帯魚の水槽だけが小さく強いブルーライトを放ってる。


全盛期にここは熱帯魚の店だったらしい。今では空っぽな数十個の水槽たちにも光が灯ってたのだろうか。

ーーあ、点滅し始めてる。もうそろそろ変えのライトを買っといたほうがいいかーー

その光は水槽の小さな熱帯魚にまるでスポットライトのように当たり、僕の手元は照らしてくれない。


そのせいで今日も全貌の見えない閉め切った部屋から鞄、つまりは僕の全財産を背負って出た。

廊下の集団スペースには働かない大人が屍のように積み重なって朝を待っていた。

ーー本当の屍もたまにいる。大人になったらこうして死んでいくのがここでの自然な死に方だと思うーー

それらをできるだけ除けながら、でも無理せずたまに誰かの手の甲なんかを踏みながら、僕はふと、小さな音に気づいた。


「…雨。」

雨が降ってるなら屋上か、または、まだ浸かっていない上層階の窓しかこの建物から出る手段がない。とりあえずより確実な屋上へ階段を登った。


ぐっと力を込めて建てつけの悪い扉を押す。雨の音は実感を与え、僕の体にほぼ垂直に叩きつける。

ーー僕はこの感覚が嫌いではなかったーー

風も強いので一旦扉を閉め、建物に常備してある公共のボンベ付き潜水服を装着した。


ゆっくりと扉を開き外に出る。屋上は少し広く、二十歩くらい進むと淵についた。雨のせいで街は水に沈んでる。今日は三階分くらいの飛込み台だ。はしごで降りることもできるが、そんなことするのは晴れてる日の幼児くらいだ。

ーーそもそも彼らは雨の日は外出しないーー


実際飛び込むと五階分くらいは落ちた。

その辺の感覚は小さい頃から鈍かったから。



ボウン。



水に飛び込むとさっきの雨音が嘘のように静寂で、僕から出る気泡と小さな月の光が水面を教えてくれた。


見慣れた街のいつもより高いところを泳いで目的地に着いた。窓の向こうで人影が揺れてる。

僕はノックして、彼女が僕に気づいたのを確認すると屋上へのはしごを登った。

扉を開けると、階段を登り待っててくれた彼女は「シャワーどうぞ。」とだけ言って笑った。

彼女の名前はリリィ。

頑張りました。一人目ということで、かなり思い切ってやってしまって、すいません。

霧のかかった街にしたかったのと、台風何号とやらが横浜に近づいていて雨が降ってたので速攻街は思いつきました。かなり貧富な街だけど、歴史は長い感じが伝わったら嬉しいです。

リリィという登場人物に関しては、私は全く想像できてませんので次の方たちに託しますww

緑色の髪の僕、果たして男の子か女の子かも楽しみにしてます。

次は棗さん。

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