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大和さんの異世界漫遊譚【完結】  作者: 桒田レオ
《第八章・超越者VS超越者》
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第五証人「七騎士序列五位・ジーナ&???」

 憎い。

 憎い憎い。

 私の大切な人を、未来を、奪った。


 あのサムライが、憎い。


 しかし、サムライはいなくなってしまった。

 追う手立てはない。


 追ったとしても殺されるだけだ。


 革命軍も壊滅。


 ならばどうする。

 死ぬしかない。


「待ってて、蔵人……今、そっちに行くから」


 私はそこらにあったガラスの破片で頸動脈を切る。

 ああ……蔵人。


「ごめんね、私が、もっとアンタに、素直だったら……」



 ◆◆



 私は荒れ果てた世界へやってきた。

 むせかえるほどの血臭が土煙を赤く染め上げる。


 ふと見つけたのは、青年と抱き合っている少女だった。

 死んでいる。

 頸動脈を切っていた。

 自殺、それも遂さっき。


「……ッッ」


 大和様。

 あなたは、本当に変わられてしまった。

 昔のあなたなら、この無残な光景を見て、涙を流した筈だ。

 それなのに、今はこの光景を作る元凶になっている。


「……どうしてですか、師よ」


 あなたは私に剣術を教えてくださった時、こう言いました。

 人を助けるために剣を振るえ、悪を滅ぼすために剣を振るえ、と。

 あの言葉は、嘘だったんですか?


 あの頃の、サムライマスター・ヤマトはもう、どこにもいないのですか?


 ……あなたはあの日、私以外の全ての仲間を斬って、姿を消した。

 何故、私を斬らなかったのですか?

 私に見せつけるためですか?

 この、惨い光景を。


 それとも……


 ……大和様。

 あなたは必ず斬ってみせます。

 私がこの手で。

 それが、あなたにできる、唯一の恩返しですから。


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