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大和さんの異世界漫遊譚【完結】  作者: 桒田レオ
第六章《冥界編》
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第三証人「新人死神」2

 大和さんが去っていった後、冥界は平和になったと思う。

 死者達が安心している。

 特に第五フロアの住民が。

 大和さんに散々切り裂かれていたいたものなぁ。

 ところで……


「ハァ……」


 デス様の調子が最近おかしい。

 溜息ばかりついている。

 僕はこっそり先輩に聞いてみた。


「大和が去った後は何時もああなんだよ。理由はわからないけどな」


 だそうだ。

 ふぅむ。

 大和さんのデス様って、どんな関係なんだろう?

 恋人同士だったりして?

 あっはっは、そんなわけないよねぇ。

 あのデス様が、恋人なんて。

 あっはっは。



 ◆◆



 デス様と二人きりで仕事をしている最中、デス様が唐突に僕に呟いた。


「お前は、死神達の中でも恐れることなく大和と話していたな」

「ええ、まぁ、大和さん、案外優しい人ですし」

「どうかな。アイツが優しいのは子供だけだ。強者であれば女子供であれ嬉々として殺すし、女の想いに応えることはない。ただ寝て満足する。どうしようもない屑野郎だ」

「……」


 デス様は遠い目をしていた。

 その瞳は、恋い焦がれる乙女のものだった。

 もしかして、デス様って、本当に、大和さんのことが……


「さぁて、新人。ぼさっとしてないで資料を片付けろ」

「……」

「返事」

「は、はい!」



 ◆◆



「へっくしゅん!」


 おおう?

 誰かが俺の噂でもしてんのか? 

 ま、どうでもいいか……

 じゃあな、冥界。

 じゃあな、デス。

 また会おうや。

 ククク。



 《完》


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