2話:グノス村へ
2話投稿の方、遅れて申し訳御座いません。
また随時修正を入れていきます。これからもよろしくお願いします!
10分後
拓也はゆっくりと目を開けると、
「ここは...どこだ...?」
「拓也が起きました!」
「それは良かったですね!私はてっきりもう死んじゃうのかと思ってましたー♪」
「いやいや、流石にそれは無いですよ...なんでそんなに能天気なんですかw」
ん?この声は航琉...?それにこの女の子の声は..?
そうか...俺は異世界に入って、ギャルゲーをして、気絶したのか....。何故気絶したんだ...?まあ、それは良いとして。
「おはよう!」
「お、おはよう」
「おはようございます!今はお昼ですけどね!」
「なあ航琉?俺何時間ぐらい寝てた?」
「え?10分ぐらい?」
なんだ。10分か。
「さ、拓也も起きた事だし、王様にご対面と行きますか!」
「ちょっと待て!お前仮にも人間からは敵扱いされてる人を連れて行っても良いのかよ!?」
「敵がいるから良いんだよ。」
「はぁ!?」
意味が分からない。絶対門を開けてくれないよね。それ。
「ふふふ」
「詩織ちゃんも笑ってないで...はぁ...」
「で、どうやってその『王城』まで行くんだ?」
「ああ、それはお前がお亡くなりになっている間に町の住民に聞いておいた」
「で、どーやって行くんだ?」
なんだか嫌な予感がするぞ....城まで何個もの村や町を経由しなければならない気が...
「この地図を見てくれ。まずは今いるここがアイム町だ。ここからグノス村を経由して天界城へ向かう」
意外と近かった。それにしても、城の名前だけ漢字なんだな...しかも天界ってなんだよ。天使でも居るのか?それか天界への入り口とか?
「それと道中にはモンスターも出現する。詩織さんが居るから大丈夫だとは思うが、拓也と俺もレベリングをしないといけない為、詩織さん。すみませんがこちらがピンチになるまで手を出さないで頂けないでしょうか?」
「良いですよ!」
「ありがとうございます。では拓也。どんどん斬っちゃって良いぞー!」
「お前は撃たないのかよ」
「え?あー撃つよー!大丈夫。いいとこ取りしてあげるから!」
おい。もう言っちゃってるし!『いいとこ取りする』って!絶対させない。させなくって「お願いします!なんでもしますんで、モンスターを分けてください!」って言わせてやる...!
と言っていたらもういかにもモンスターが出てきそうな森の中に入っていた。すると、「前方から2体のゴブリン。後方から1匹のスライムが来てますよ。」
と詩織ちゃんの声がしたが、それよりも
『ここに来てやっとスライムと出会えたぁぁ!!』
「何回も言ってるけど、声に出てるから。」
なんか言ってるけど、そのスライムは俺が貰ったぁ!!
と言って走り去った拓也による惨殺場にこの森はなるのだった。
ーーー
航琉は、拓也が惨殺している中で取り残した物を始末していた。
最初は横取りしようとしたのだが正直言って、あんな速度じゃ間違えて拓也に当たってしまうかもしれない。最初ゴブリンを倒したのは拓也だから、その時にレベルアップしたのだろうか?
いずれにせよ、航琉がやらなければならない事は、ただ一つだ。
『拓也よりも多くの敵を倒す』ことだ。
でも、どうすれば...?
そうだ!敵の弱点を見極めて、そこを銃で撃てばなんとかなるのではないのか!?よし。拓也!すぐに抜いてやる!!
「航琉さんも頑張ってくださいね!」
ーー
そんな3人の様子を遠目から見てる人がいた。
「こんな所で真面目に"レベリング"してる人がいると聞いてやって来たにですが..あの巨大なゴブリンを前に怯えないとは。ここでレベリングしてるのなら低レベルの冒険者の筈。村長には観察するだけ。と言われてますが、少々試すぐらいなら問題無いでしょう。」と言って何処かへ去っていった。
今誰かに見られてた気が....でも、冒険者は通ってませんし、航琉さんと拓也さんも別の方向を向いてます...
「詩織さん!先に行きましょう!」
「航琉....覚えとけよ...」
「あの、さっき誰かと会いましたか?」
「あってませんよー!」
「かわいいスライムとならあったよぉ〜!」
「そうですか.....じゃあ皆さん行きましょうか。」
と、詩織は見られてる事に気付かないのだった。
ーー
「出口だぁ!!村はどこだ!?」
なんだこいつは。小学一年生ぐらいの子供か?
「まだもうちょっと歩くから...」
「早く着きたいですねー!」
と言っているとこっちに向いた拓也の顔が急に変わった。
「ん?どーした?拓也?」
「う、うしろ。」
と言われるがままに振り向くと、
そこには身長10mぐらいの大きさの"ゴブリンの主"がいた。
「ボスゴブリン...?なんでこんな所に..?」
「航琉〜!戦おうぜ!」
そう言っている拓也の顔は笑っていた。
「拓也さん。本気ですか?私が魔法で足止めする事も出来ますよ?」
「いや。戦うよ。ちょっと面白い事実が分かったからー!」
「え?面白い事実って?」
「簡単に言うと、あいつは俺らを殺してはこない。気絶はさせるだろうけどね!」
拓也は何を言ってるんだ?
それと、やけにゴブリンが多いなーと思ってたんだけど元凶はこいつだったのか。
と、考えてると、
「よーし!!!!航琉ぅ!!!援護頼む!!!」
「いつも思うんだけど、拓也のその元気はどこから出てくるんだよ...さすがに1日でこんなに戦闘は疲れたぁ....」
「ん?なんか言った〜?」
あいつもう初撃やっちゃってるし。
援護してくれって言われてたけど....
詩織さんが「援護魔法で援助させて頂きます。」って言ってめちゃくちゃ長そうな術式を唱え始めたからなぁ...とりあえず関節を狙って動きを阻害してみるか...。ああ。戦闘中の筈なのに眠くなってきた。
ーー
「"ゴブリンの主"を相手にあそこまで戦えるとは。何者なのでしょうか?村長なら知っているかもしれませんね。」
しかし、と彼女は呟いた。
「何故弱点をあそこまで知っているのにレベルは低いのでしょうか?そこを知っているのに何故戦闘に...?そこも村長に聞いてみましょうか。
...これ以上戦わせると村長が怒るかもしれません。これぐらいにしておきましょう。」
と言って"ゴブリンの主"に術を送ると、またもや何処かへ去っていった。
ーー
「ふぅ。やっとゴブリンが逃げて行ったなー!俺としては仕留めたかったんだけど、相手もそこまで優しくないか。」
「そう言えばなんで逃げて行ったんでしょうね...?」
確かに、何故急に逃げたのかは気になる。
「え!?みんな気づいてないの?あの森の奥にテイマーさんが居たんだよ!」
「調教師?」
「ああ。あそこに居たんだよ!」
と言って拓也が指を指したのは森の中の広場みたいに少し開けた部分だった。
「本当ですか?」
「本当だって!!」
「ゴブリンの長を操れる調教師か...」
「航琉!信じてくれぇ!!」
「いや。誰も信じてないなんて言ってないよ。それにこんな世界に来たから何が起こっても不思議じゃないし。」
「そうだった。それにしても疲れたぁー!航琉!村ってどこだ?」
「あー後ろ見て。そこだから。」
「よっしゃぁぁ!!早く宿屋にGO!さ、早く早く!!」
「テンションの差...」
「ですね....」
と、呆れる二人だった。
読者様「モンスターのダメージは食らわなかったのですか?」
作者「"航琉は"食らっておりません。拓也についての記述はまだ書いておりません。」