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引き篭もりの俺が刑務所で変な労働を受けている  作者: うすたく
引き篭もりの俺がいろいろ面倒な事に巻き込まれている。
9/43

引き篭もり仲間がおかしくなってしまったようですよ。

「クリスさん!DEATHSENTENCEの一員が脱獄しました!さらに、警察が19人程殺られました。」


 朝早くウチに訪ねてきた警察官がそんな事をいう。ん?殺られた?


「19人もか・・・それはまずいな。誰がやったかの確認は?」


「いえ、ただ、DEATHSENTENCEという事と女性という事は確認済みです。」


 警察は知っている限りの情報を話すが、


「あまりにも情報が足りなすぎるな・・・私の予想では今週中に20人は殺されるだろう。とりあえずこの街の者達には忠告しておいてくれ。」


「はい。」といって警察官はその場を後にする。


「おまえ、いつの間にか警察側に指示を出す様になったんだな。」


 あの事件からはや2週間で合計35人もの人が殺されているらしい。3桁にもなる殺害数でも証拠を残さぬ才能をなぜそんな物につかってしまうのだろう。


「少々行ってくる。三人は待っていてくれ。」


「お、おう。」


 あいつ、最近一人で突っ走ってんな・・・


「クリスさん、凄い頑張ってますね。シュンペイさんに何かしてあげられる事はないのですか?例えば・・・デートとか?」


「ぶっ!カナさん!?いきなり何を言ってんの?」


 唐突過ぎて口の中のトマトジュースを吹き出す。


「いやいや、たまには心を休めるのも大事だと思いまして・・・嫌なら私と・・・」


「私、ツムラと一緒にお出かけ行ってきます!」


 なぜか顔が赤くなっているこだまは空気に耐えられなくなったのか外出してしまう。


「やっといなくなりました。2人きりになれましたね、シュンペイさん!」


 やばい!この人最初からこれが狙いだったのか!


「以前はシュンペイさんがベッドに潜っちゃいましたもんね。なので今回はこの前の続きです。」


「い、いや、俺はそういうのは───」


「シュンペイさんは全裸か下着か何か一つだけ身に付けているかどれがいいですか?」


 俺の話を聞かずに勝手に進める。


「いや、だからおれは・・・」


「どれがいいですか?」


 同じセリフを続ける。ナニコノヒトコワイ。


「じゃ、じゃあ下着で・・・」


「控えめですね。やっぱり警戒しているのですね。」


「い、いやそういう訳じゃ・・・」


 いやそうなんだけどもね!


「そんなに我慢しなくても全部脱ぎますよ!」


 ただの変態だ!カナさんは自分の服に手を当てる。ボタンを一つずつ外して行く。


「カナさん!?下着は!?」


「最初からこの展開を予想してましたから着けてません。」


 ほんとにヤバイよこの人!そんな中でも容赦無く服を脱ぐ。って、もうピンクのアレが見えてる!


「次は下ですね。」


「ストップ!それ以上はいいです!寒くて風邪引きますよ!」


「引いたら看病をしてくれますよね。」


 この人の看病!?想像しただけで怖い。


「まさか私の看病をするとエッチな行為をされると思っていませんか?」


 それを察する事ができるあなたは超能力者でしょう。


「しませんよ、風邪の中服を脱いだら悪化させてる様なものじゃないですか。」


 それをやりそうだから怖いんだよ!


「それよりカナさんはどうしてそんな変態に?」


「変態って・・・まぁ、強いて言うなら遺伝子でしょう。私の父は定期的に性行為をしないと発狂し爆発する体質をもっていますし」


 一体どういう原理だよ!


「まぁ、それとここに来てしまった理由はまった───」


 ズドォォォ!


 突然の爆発音。


「緊急事態発生、緊急事態発生、緊急事態内容NO.069、起爆テロ。腕に覚えのある者は直ちにフェノール塔の前へ。繰り返します、緊急事態内容NO.069、腕に覚えのある方は直ちにフェノール塔の前へ。」


 機械音声が鳴る。フェノール塔か・・・


 俺は咄嗟に立ち上がり家を出ようとする。


「どこに行くつもりなんですか?シュンペイさん。」


「どこって、フェノール塔だよ!」


「行かないでください。嫌な予感がします。」


 なぜか引き止めるカナ。


「今回の事件はタイミング的にDEATH SENTENCEだ!チャンスだろ!」


「恐らく違います。あのギルドはこれまで緊急事態音声を発令させる様な事はしませんでした。それを急にフェノール塔の前で起こすとは考え辛いです。」


「じゃあ誰が!」


「分かりません。」





「フフフ、アハハハハハ!この感覚だよ!思い出した!ありがとう、マスター。次はお前の番だ。そこの緑の服の男。」


「ひっ!」


 ビビる男。それもそうだ。フェノール塔一帯を荒地にする程の実力者だ。勝てるはずがない。


「行くぞ。アルーブローズ、メーギルドギオン、ローシャルメンズ・・・」


 魔法の主の目の前に水色の波紋が出来上がり、その後姿を消す。同時にフェノール塔の前にクリスが現れる。


「一体何の──!?」


 クリスの目にはこれまで一緒に過ごしてきた少女が写る。


英姿颯爽(ヒロイック)!!」


「待てぇ!」


「誰だ?」


「こだま、一体どうした。なんでこだまがそんな事をするのだ?」


 クリスの目に映った少女はこだまであった。


「クリスか・・・もうお前達とのお仲間ごっこは終わりだ。私は思い出したんだ。この刑務所にくる前、私のしていた事を・・・それをマスターは思い出させてくれた。もう貴様らと遊ぶ必要もない。クリス、前に来い。力の差を証明する。」


「そうするしかないのか。」


 クリスは人混みの中そっと出て行く。


「私はこの世界を卒業する。今この場で力の差を見せつけて。」


「どうしてこんな事に・・・」


「一つ言っておく。決闘ではない。生死を懸けた戦いでだ。」


 こだまはいつもとは全く違った口調でクリスに告げる。


「はなっから戻るつもりはないって事か。」


「先手必勝、ヘルズライズ、インズアニーブ、オロドール・・・」


「ヘブンズアーチ!」


 こだまが魔法を発動する前にクリスは白い光を纏った矢を放つ。が、こだまの魔法の完成速度は普段よりも遥かに早く、一瞬だった。


氷結界(アイスバリア)!!」


 こだまを囲う様に水色の半球が浮かぶ。クリスの矢は半球に入ると2つに折れてしまう。


「この能力は対遠距離用魔法。クリスとは相性最悪。飛び系攻撃を一切通さない。」


「くっ、どうすれば・・・」


 あまりの劣悪な状況にクリスは何も出来なかった。


「ズルいだのなんだの言っていろ。何と言われようが負けるつもりはさらさらない。」


「エンジェルズストーム!」


 3本の光の矢がこだまに向かって飛んで行く。案の定矢はあっさり折られる。


「言っただろ。飛び攻撃は通らないと。」


「ん?」


 クリスは何かに気付く。


(飛び道具は通さない。ならば飛ばさなければいい?)


 ごくごく当たり前の事だがクリスはこれに賭ける事にした。


 クリスは矢を手に持つ。


「すまない、こだま・・・くらえーっ!」


 クリスは全力ダッシュでこだまに向かって走って行く。


「忘れてた、さっきクリスは英姿颯爽(ヒロイック)を止めたよね。つまりそこを踏むと・・・」


 カチッ!


 ズドォォォ!




「またか!やっぱり行こう。」


「ですから、DEATH SENTENCEではないと────」


「どうでもいい!そうだろうがそうじゃなかろうが行くしかないだろ!」


 シュンペイは家を出る。


「優しいですね。」




 クリスは倒れていた。足の一部はえぐられていた。体中出血し、至る所から肉が出ていた。


「アッハッハッハ!まさか地雷にやられて瀕死になるなんて!惨めだね!」


 もうこだまにはいつもの姿はなかった。


「はぁ、はぁ、うぐっ!はぁ、こだま、今のお前がどんな気持ちでこんな事をやっているかは知らないけど、決していい気持ちではないだろう?」


「絶好調だよ!そんなんで動揺でも誘うつもり?もうあんたの体は持たないでしょ?早く楽になっちゃいなよ!」


「イカれてる・・・こんな事をしてもなお、こんな正気を保っていられるなんて・・・」


 どんどんおかしくなっていくこだまはクリスに杖を向ける。


「案外すぐに終わったね、トドメを刺してあげる。アムルニド、ベルツロイド、アバルズアーズ」


 こだまの周りに無数の結晶体が出てくる。


「飛んでけ、リトルスカイズ!」


 その結晶体はクリスの傷という傷に入り込む。


「ぎゃあああ!」




「この声は、クリスか!」


「みたいですね。」




「どうせならもっと痛がってよ!私も辛いんだよ!前にこんな雑魚達と一緒にワイワイやってた事が、昔の自分からは全く考えられなかった。お前達は私を悪い方向に変えてしまった。私はその過去を許せない。それを思い出すと心が辛くなる。だから私は今ここで力の差を見せつけて昔の自分に戻る。」


「こだま・・・お前はそんな風に思っていたのか・・・」


「いつまでも正義ぶってんじゃねぇぞ!」


 こだまはクリスにいきなり怒鳴りつける。


「トドメだ・・・アームズパフュム、ニドリムキグズ、レベノモドラリウス・・・」


「私ももう終わりの様だな。今までの罪を償うならそれでもいいかもしれない・・・」


 こだまはクリスに杖を向ける。


「今までありがとうございました。エクストリ────」


「こだま!クリス!」


 こだまとクリスは声の方へ目を向ける。


「「シュンペイ?」」


「カナさん、今はどういう状況だ?」


「無理です、体の一部に頭を当てないと記憶を読み取れません。」


 人混みの中にいる2人に近付くのはとても困難だった。


「来るなシュンペイ!!今のこだまは危ない!」


 状況を知らないシュンペイはなんでとしか言えない。


 シュンペイが人混みを超えた時、現れた景色は身体中のあらゆる所から血が出て、肉がはみ出て、足がえぐられているクリスとそんな中でもピンピンしてるこだまだった。


「こだま、これはどういう?」


「別に、私は昔の自分に戻ったんだ。」


「昔?それは一体・・・って、カナさんは!?」


 シュンペイの後ろにいたはずのカナはいつの間にか消えていた。


「はい、ゲームオーバー」


 カナはこだまの腕に頭をつける。


「シュンペイさんはあそこの塔に隠れた犬を助けてあげてください。」


「松村!?」


 俺は塔の陰に隠れて震える松村の方へ近寄る。


「お前、ずっとここにいたのか。」


「クゥ〜」


 悲しい声をあげる松村。それだけの事があったからなのだろう。




「離せ!」


「離さないですよ、記憶の隅々まで全部見ちゃいますからね!」


 こだまをがっちり捕まえてるカナは言う。


「記憶を中を見させてもらいますよ。やっぱり操られていたんだ。どうすればいいのかな。まぁ、記憶を消しておけば問題ないかな。」


 こだまはその場に倒れ込む。


「これで少し安静にしておけばっと、次はクリスさんの治療を行わないと。」


 カナはクリスの方へ歩く。


「とんでもない目に合いましたね。」


「全くだ。うぐっ!」


 傷が痛む様で、クリスはその場でうずくまる。


「キュアー!」


 カナは魔法を放つ。その時、クリスの傷は緑の光に包まれて、少しずつ塞がっていく。


「傷が・・・」


「痛みはしばらく残るかもしれないから1週間は安静にしてね。」


「分かった・・・ありがとな。」


 クリスの突然の感謝に戸惑うカナ。


「いえいえ、大丈夫ですよ。帰りましょ、お家に。」


 クリスは助けてくれた2人の仲間を見てホッとした。




「ブレイブスター!」


 木が赤く染まり燃え上がる。


「どうどう?すずも強くなったでしょ!」


 黒髪のAI(少女)は金髪のAI(少女)に言う。


「いいんじゃない?ただ、すずりはまだその技しか持ってないでしょ?しずりはもう6種類位持ってるんだよ。すずりも頑張らなきゃ!」


 黒髪のAI、<すずり>と白髪のAI<しずり>。そして金髪のAIの3人は木の茂みの中で特訓をしている。


「まぁ、私には才能があるからね。」


 クールな外見からは予想できない毒舌キャラのしずり。


「いっつもすずをいじめる!しずり嫌い!」


 見た目通りの温厚な性格のすずり。


「こらこら、2人とも喧嘩はやめておきなさい。」


「菊姉はいつもそんな事ばっかり。」


 そしてお姉さんという名に相応しい外見と性格を持つAI菊乃。


「全く、双子なんだから相性がいいものだと思うんだけど・・・」


「いえ、こんなクズみたいなすずりじゃあ私の相棒は務まらないわ。」


 しずりはすずりの存在自体を否定する様に言う。


「まぁまぁ、そんな事言わないで・・・すずりはしずりの魔法を一回見てみたらどう?」


「やだね!すずはすずなりにすずだけの最高の魔法を身に付けるんだから!しずりなんかに教わってたまるか!」


「そうね、あんたみたいな失敗作に教える程価値は低くないわ。」


「しずりだって完璧ではないんだよ。しずりにはしずりのいいところがあるし、すずりにも勿論いいところは沢山ある。それをお互いに認め合って、探し合って、仲良くしようよ。」


 菊乃はなんとかして2人を説得しようとする。


「仕方ないわ、すずり、これから10回私に攻撃していいわ。1回でも私に攻撃を当てる事ができたら教えてあげるわ。でも、一度も当てる事ができなかったら一生見せてあげない。」


 しずりは条件を出してすずりに挑発する。


「いいもん!すずはしずりになんか教えてもらわなくても強くなれるもん!」


「一回試してみれば、当てられればしずりより強いって言い張れるかもしれないよ。」


 なんとかして戦わせようとする菊乃。


「菊乃姉がいうんなら仕方ない。受けてやる!」


「あら、いい度胸じゃない、なにもできない雌豚。」


「ブレイブスター!」


 すずりは指をパチンと鳴らす。すると一面に火の海が出来上がる。


「フリーズ」


 しずりは手を前に出して氷を出現させて炎を打ち消す。


「ブレイブスター!」


 再度一面に火の海が出来る。


「ほんとにこの技しか持ってないの?」


「うるさいうるさい!すずはすずの力だけで強くなるんだから!」


「はぁ、だからあんたはいつまでも弱いの。いい加減菊乃に教えてもらったら?そんなプライドはマイナスになるだけだよ。」


「うぅ、すず帰る!帰ってウインナー食べる!」


 ふてくされたすずりはそっぽを向いてその場を立ち去る。


「しずり、いくらなんでも言い過ぎじゃない?」


「菊乃が甘いだけ。双子の姉としてすずりを育てないと」


 しずりと菊乃も自分の(研究施設)に帰る事にした。




 この時はまだ、彼女等はもちろん、シュンペイ達もまた、あんな事件が起ころうとは予測もしていなかった。


7話目です!休みをほとんど摂らずにやってきたのですが、私、新たな小説を書きたいなと思ってしまいました!いつ頃になるかは分からないのですが、2つ目の作品を書いてしまうと、この作品の投稿ペースが格段に下がってしまいます。そこらへんの方、よろしくお願いします!

本題です!12月になりますね!12月はイベントが盛りだくさん!夜は暗くなり、クリスマスに近付くにつれイルミネーションが綺麗になってゆき、25日にはあちこちにカップルが!私もデートに行くとしますか!・・・やべ、彼女いねぇ!あっ、いや、いますよ!いますからね!最近ではエロゲのキャラが嫁になりましたからね!でも、デートに行くとなると・・・あぁ、もう!この話は終わりだ!虚しくなる!

8話は12月2日に投稿予定です!

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