行き先でなにやら盛り上がりが起きている。
「俺は?つまりは別の誰かがしていたと言うことか?」
「まぁ、そんなとこ。でもこの場にいるのは俺とマスターの2人だし、その別の誰かがいないわけだからイカサマのしようがない。そして俺は20分の1でしか勝てない圧倒的不利な状況。」
男は盤を見ながらそう言う。
「それに、マスターこそイカサマしてんじゃん。儲かるマスは端に配置して、盤は真ん中に行きやすい様傾けてる。この事をバラしてないだけマシだと思え。」
白黒男は溜息をつく。
「そうだな。ここで負けて6兆Rも支払わされれば、この店は赤字になる。イカサマがバレればそれ以上の損害が発生する。ここは戦っておくのが正しい判断だろう。だが、これが終わった後は一切この店に出入りしないで欲しい。」
男は頷いた。そして、手を盤へ傾ける。
「どうぞ、回してくれ。」
白黒男は銀色の玉を盤上に置き、転がした。
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「シュンペイ、あれを見てください。モンスタークエストのスライムですよ!」
モンスタークエストとは、シリーズ1から絶大な人気を誇るRPGゲームだ。現在ではシリーズ13まで登場している。勿論俺もお世話になった作品だ。
「へぇ、なんか俺達の住む本当の世界みたいだな。」
「せっかくだし、何かを食べていかないか?」
クリスがそんな提案をする。ここはお言葉に甘えるとしよう。
「そうだな。どこで食べるんだ?」
そう問うと、クリスは人混みを指差す。
「あそこである条件を満たすと、リヨールの全ての食事店の食べ物を無料に出来るらしい。それさえ手に入れればどこへでもいける。」
「どんな条件かはわかりませんが、行って損はありませんね。やりましょう。」
こだまは乗り気になり、人混みへ向かって走って行く。相変わらず子供にしか見えん。
「「「うおおぉぉぉ!!!」」」
突如人混みの中から声援が聞こえる。人混みの中にいたのは薄いオレンジ色の髪の毛の少女・いのりだった。
いのりは目の前の巨大な岩に手をかざし、こう言った。
「爆歌!!!」
その一言と共に、凄まじい爆風が巻き起こる。先ほどまであった岩は跡形もなく消し去られていた。
「素晴らしい。それでは、最終難易度だ。これをクリアすればお食事店全店無料券を差し上げよう。」
髭を生やした男は杖を傾ける。すると、先ほどの岩よりも黒澄んだ色の壁が出てきた。
「エルムン鉱石で作られた壁だ。そこらの爆弾では傷一つ付けられんぞ?」
いのりは頷き、再度壁に向かって手をかざす。
「強歌・・・」
いのりがそう言うと、いのりの右手に赤いオーラが宿る。いのりは続けてこう言った。
「集歌・・・。」
今度はいのりの右手に無数の光が集まる。
「絶歌!!!」
いのりがそう告ぐと、一点に集められた光が閃光へと変わり、壁を一瞬にして貫く。
シュコオォォォン!!!
直径20cm程の円の穴を開ける。いのりは笑顔で髭を生やした男に言う。
「これでおっけーですよね?」
髭を生やした男は頷き、お食事店全店無料券をいのりに渡す。
「おめでとう。君は実に素晴らしい。」
するといのりはにっこりと笑い、「ありがとうございます!」と言ってその場から去って行く。
「凄いですね。そういえば最近知り合った子がとんでもない実力者だったって、よくある敵対からの仲間フラグですよね。シュンペイ、クリス。これ以上パーティメンバーを増やす予定はありますか?」
元々このパーティは4人構成だった。しかし、ある事件により1人が味方でないことが発覚してしまった。
「確かにDEATH SENTENCEを除いても私達と関係を持つ人は何人か心当たりがあるな。」
クリスがそう言うが、俺はこう答える。
「これ以上仲間を増やす行為はまずいかもしれないぞ?ついこの前知り合った双子少女だって元々はDEATH SENTENCEの一員だったわけだし。」
俺が返すと、こだまは「それもそうですね。」と頷く。
「さて、あの条件をこなすのは誰にしましょうか?1パーティにつき1人までだそうですよ。」
こだまがそう言うと、クリスはこだまに向けてこう言った。
「お前がやったらどうだ?現在のこのパーティなら、最大火力を叩き出せるのはお前だろうし、この章においてまだお前は活躍していないだろう?」
このツッコミはいつ以来か分からないが、とりあえず言わせてくれ。メタい話はやめろ!
「まぁ、クリスがそう言うのなら私がやりましょう。しっかりと見届けてくださいね。」
そう言ってこだまは人混みの中に足を向けた。
引き篭もりの俺が刑務所で変な労働を受けている。を投稿しているうすたくです。まぁ、ここまで来てる時点でそれは分かっていることかと思われますが・・・
私は「夢喰少女」と当小説をローテーションで投稿しております。こちらの小説は1章につき4話、夢喰少女は1章につき3話なので、引き篭もりの方が投稿頻度が高くなりがちですがね笑
次回は夢喰少女の投稿週間です。
先日、この引き篭もりの俺が刑務所で変な労働を受けている。のユニークユーザー数が100を越えたのを記念して、短編を投稿しました。それがもう嬉しくて嬉しくて、一日で70人もの方々が目を通していただきました!ありがたや〜。
今後もペースを安定させながら投稿して行くつもりなので、どうか生暖かい目で見て行ってくださると幸いです。それでは、次は夢喰少女で!さいなら!




