引き篭もりの俺が再び家に引き篭もる為の作戦を立てる様です。
前期最終章です。俺、この章が終わったら結婚するんだ!! あ、まだ彼女すらいなかったわww
部屋に来てみれば部屋がとんでもなく広く感じた。裏切りが発覚し、カナはいなくなり、洗脳されたシュンペイはいなくなってしまった。残り2人になってしまったその屋敷はとてもと言っていいほど広かった。昔は1人で住んでいたというのに・・・それだけあいつらといる時間が楽しく、そして長かったのだろう。脱獄計画は明日だそうだ。なら今はしっかり休んで明日、シュンペイを引き留める事に最善を尽くそう。
「クリス・・・思い切りましたね。あのタイミングで告白とは・・・」
「い、今はそんなことどうでもいいだろ!そ、それにあれはシュンペイを引き留めるための作戦の一つだ!」
「作戦・・・ですか・・・あの時私はなにもできなかった。シュンペイは本当にこの結末を望んでいるのかもしれません。可能性が低い事なんて分かっていますが、もしもシュンペイがそれを望んでいるのなら、私はシュンペイに自分の道を歩んで欲しいです。でも本当にあれがシュンペイの答えなんだとしたら、私は心が痛いです。クリスもそうですよね?」
「あぁ。辛くない訳がないだろう。こだま。DEATH SENTENCEの本拠地の特定はできるか?」
クリスの突然の命令にこだまは黙り込む。
「無理だと思います。いくら魔法使いでもそこまでは身につけられません。」
「じゃあどうすれば・・・」
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「どうだい?ここが俺らのギルドの本部だ。こういう雰囲気、悪くないだろ?」
ガタイの良い男が馴れ馴れしく話しかけてくる。
「そうっすね。」
「おい、ビュタン!初対面の男にすぐに話しかけに行くの、良い加減やめろよ。お前の体じゃ誰も怖くてまともに話せねぇよ。」
爽やか風な男がこのビュタンとかいう男を止める。
こんな良い人そうな人もこの殺人ギルドの一員なのか。見た目だけに惑わされたらダメなんだな。
「おう?俺、そんな怖えぇかな?どう思う?新人」
ビタンッ!
先ほどの爽やかな男がビュタンを殴る。
「あぁんなにすんだよエナル。」
「さっきやめろって言ったばっかだろ!新人君も困ってるじゃねぇか!」
そういえば、こいつらってカナさんやクリスの妹と同じギルドなんだよな?
「聞きたいことがあるんですが、いいですか?」
「どうぞ。」
「このギルド内でのカーナラルやアリスってどんな感じなんですか?」
返ってきた答えは考えたこともなかった事であった。
「カーナラル班長もアリス班長もかなり強力な戦力の持ち主だよ。カーナラルは魔法使いの神族で、アリスは剣士の魔族。アリスに関しては剣を使わずに素手で敵を殺すし、その姿はまさに暴君だよ。」
隊長だったのか!?いや、その前にアリスって何者なんだ?
「アリス隊長といえば、少し前に警察所のポリス達30人くらいを1人で全滅させたよな?」
化け物じゃねぇか!
「カーナラル班長とアリス班長が手を組めば怖いもの無しだと思うんだけどな。」
「手を組まない理由ってなにかあったんですか?」
すると男達は顔を強張らせる。
「仲間割れだよ。どちらが上の存在であるべきか、あの2人は戦ったことがあったんだ。それはもう激闘だった。」
「け、結果は?」
「アリスが勝った。いくら魔法使いでも、アリス班長の攻撃は耐えられねえよ。」
あのカナさんが?こだまを打ち破ったはずなのに・・・
「話が過ぎたな。そろそろ俊介さんが脱出経路の確認をすると思う。」
そっか、本当に脱獄するんだよな・・・
仲間と過ごした日々が走馬灯の様に蘇る。
なに悔いてんだ!俺は脱獄するって決めたんだ!
「お前ら!脱獄経路の確認を行う!」
俊介が大きな声でギルド中の注目を集める。
「今回の目的でDEATH SENTENCEの活動の最終目的達成となる。それは、私の息子である俊平をこの世界から連れ戻す事だ!」
えっ!?このギルドの本来の目的は俺を救う事?そのために何人の人間を殺したと思ってんだ!
俺の考えを見抜いている様に俊介は続ける。
「疑問に思った者もおるだろう!何故ゆえに人々を殺す必要があったのか、それは、俊平の脱獄の際にお前らに警察の目を集中させるためだ。これほどの大量殺人ギルドのメンバーが一斉に現れ様ものなら警察はそこに集中するはずだ。その間に俊平はフェノールタウン裏口を通して元の世界に戻ってもらう。」
たったこのためだけに人を殺したのか・・・
俊介はゆっくりと俺の目の前に駆け寄る。
「最後にこの世界を見届けるか?」
「結構。もう未練なんてないよ。」
ギルドの一員達はその場を離れてそれぞれの部屋に帰る。
こだまの夢を見て思った事がある。世界を救うとはどういうことなのか
聞くべきかどうかは分からないが、この世界に残るかどうかの最後の判断材料にしたい。
「父さん。こだまの夢にあった、世界を救うってどういう・・・」
俊介は黙り込んだ。
「これも言うべきかは分からない。しかし、聞きたいのだろう?」
そっと頷く。
「ならば教える。この世界は神よっていつ破壊されるかわからない状況にある。人々はその神を倒すために日々修練に励んでいる。そんな時、神に対抗する2つの手段が見つかった。」
俺は口に含まれた唾をグッと飲み込む。
「<七聖剣>というものだ。この世界に君臨する7体の天使の持つ聖剣。たった1本で規格外の力を誇るのだ。それを7本用意することが唯一の神に対抗する手段だと言われている。加えて、その神にも好敵手がいるらしく、その好敵手の持つ最強の槍<グングニル>が世界の崩壊を防ぐもうひとつの手段だと言われている。しかし、<グングニル>を手に入れるのは・・・」
「七聖剣以上に難しいだろ?」
次に言うことなんて分かっていた。事情は分かった。そんな理由で息子を失いたくないと言うことなんだろ?
「分かっていたか。その通り。つまり神に対抗する術は七聖剣を手に入れる事なのだ。」
成し遂げられる気なんてしない。グングニルを持っているのはおそらくオーディン。しかし、オーディンはどのゲームにおいても強力な戦力を誇っている。勝てる気なんてしていない。
「話が長引いたな。明日に備えるためにもう寝てくれ。」
「分かったよ・・・」
俺は用意された部屋に入り、そっと目を閉じる。
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「リエル様!ガブールから決闘の申し出がありました。」
赤髪の天使は下部から紙を受け取る。
「ガブールは相性の悪い相手だ。戦いたくはない。しかし、売られた喧嘩は買う。聖剣・エクスカリバーを用意しろ!これはチャンスだ。聖剣・クレイモアをガブールから奪うのだ!」
リエルの指示によって数百もの妖精兵が一斉に飛んでいく。
「七聖剣・クレイモアは俺のものだ。」




