引き篭もりの父が脱獄の為に変な作戦を立てていてる。
「本当にこの世界に・・・本当にこの仲間たちに満足をしているのか?」
思いがけない言葉だった。満足しているに決まっている。まだであってそんなに長くないかもしれないが、こいつらといる日々は本当に楽しかった。だから、おれの出す答えは一つだ。
「満足してる。親父なんかの・・・お前なんかの言いなりになってたまるか!」
「続けよう。過去を見た通り、クリスは一生この世界から出る事はない。お前に残された期間はあと1年と半年。別れを告げるなら早い方がいいのは当然だ。1年半後、必ず、お前から別れを告げなければならない。しかも、その長い月日を超えた時、それは今以上の友情関係を抱いていることだろう。」
あと1年半。思い知らされた。この労働の本当の意味を・・・この世界にいれば、引き篭もることなんて出来ないし、いつか必ず誰かと友好関係を気付く事になるだろう。そんな人と別れを告げる辛さ。この世界にいる人達の犯した罪は誰か大事な人に危害を加えたのが大半なのかもしれない。現にクリスも、こだまも・・・
「クリスだけではない。お前はエターナルエンドとして、リトルボールであるこだまに絶望を味合わせた。お前のせいでこだまはこの世界にいる。刑を受けている。お前はそんな人と知らず知らずの内に特別な関係を抱いていた。こだまには裏切られた事もあったろ?あの時はクリスが助けていたが・・・」
あの時だ。この街が<DEATH SENTENCE>の騒動に悩まされていた時、こだまは俺たちを裏切った。あの時はなにか理由があったのかもしれない。でも・・・
「あれは、俺の仕業だ・・・」
えっ!?今、コイツ・・・なんて?
「カーナラル、お前には説明していなかったが、気付いていたよな?」
するとカナさんは笑顔を見せて頷く。
「もちろん、こだまさんの記憶から探りました。」
「なぜこだまを操れたのか・・・それはな?俺が洗脳技術を持ってたからだ。雑談が過ぎたな・・・さぁ、お前にはこの世界から抜け出してもらう。家族の為に・・・」
家族・・・か・・・
「さぁどうする?この世界に残って、1年半後にかつてないほどの絶望を自分どころか、仲間にも及ぼすか・・・それとも、早い段階で別れを告げてダメージをある程度和らげるか・・・後者の方がマシなのは一目瞭然だな?」
確かにそうだ。仲間に辛い思いはさせたくない。悔しいがこいつの言うとおりだ。
「・・・わかった・・・仲間の事を思って俺はこの世界から出て行く。クリス・・・こだま・・・俺の事は絶対に追わないでくれ・・・お前達との日々は本当に楽しかったぞ。」
「ダメだ!シュンペイ!行くな!」
クリスは決死の思いでそれを止める。
「お前らに辛い思いはさせたくないんだ・・・」
「父親の言うとおりになっていいのか!」
「そうですよ!シュンペイ!未来の事なんて考えちゃダメです!」
こだまも俺を止めるのに必死になり始める。
「ゲームでもお前は次の展開を予想して行動するだろ?俺はそれを考えた上で行動するんだ。」
「・・・っ!?」
こだまはその場で黙り込む。
「もういい!この場で告白する!シュンペイ!私はお前の事が前から好きだったんだ!いつからかは分からない。でも、たとえこの先どんなに辛い事があったとしても私はお前と一緒に、今を生きたい!だから待ってくれ!」
衝撃の告白だった。知らなかった。クリスが俺の事をそんな風に思っていたことを
「今よりも先の関係を築いたらそれこそ別れが辛くなるだけだ。俺はそんな事なんて望んでない。出来ることなら辛くない内にこの場から去りたい・・・だから、止めないでくれ」
クリスは必死で止めようとするが、俺の意見によってなにも言うことができないでいる。
(駄目だ・・・完全に洗脳されてる・・・このままじゃシュンペイが・・・どうすれば・・・)
「諦めろ。俺の洗脳は一度操られたら解けない。俊平がお前らと暮らす事はもうないぞ。脱獄決行は明日だ。それまでは俺についてこい。それなりの家は用意してある。」
シュンペイは俊介の思うままに連れて行かれていった。
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「もう、行きましたね。それでは、バインドを解きますよ。」
カーナラルは指をパチンと鳴らし、バインドを解除する。
「お前・・・っ!」
バチン!
クリスはカーナラルの頬を本気で引っ叩く。
「カナ・・・お前には聞きたいことが沢山ある。」
「いきなり殴った上に質問責めとは・・・そんなんじゃモテませんよ。」
「それは関係ないだろ!それより、なんで貴様はこのパーティに来た?」
カーナラルは即答する。
「スパイです。シュンペイさんの行動や心理状況をリアルタイムで見る為のね・・・」
カーナラルは不敵な笑みを浮かべながら嘲笑うかの様にクリスを見つめる。
「続けて質問だ。なんであの俊介という男について行った?」
するとカーナラルは少し悲しそうな表情をして答える。
「命の恩人なんです。私は親元を離れてから早くにして借金を負いました。家の建設料等々で借金ができてしまったのです。しかし、借りた人が悪かったのか、毎日家に訪問して借金回収を強要し、眠れない毎日でした。そんなある日、私は夜逃げをしました。しかし帰る所などなく、ついには力尽き、床に座り込みました。追って来た借金取りに責められている時、そこにやってきたのは俊介さんでした。当時の目的はシュンペイさんを救出する為の犯罪だったのですが、俊介さんは借金取り達を片っ端から倒していきました。私の為ではなかったにしろ、その時私は決めたのです。この人の為に尽くそう。命の恩人のためにこの身を授けようと・・・」
「つまりは俊介とかいうやつの為に自分を捨ててでも働いていたというわけか。」
カーナラルにも辛い過去があったことは納得した。でも、その程度の理由で脱獄の促しのの為の理由が整うはずがない。
「事情は分かった。でも私はシュンペイを諦めない。カナ・・・いや、カーナラル!貴様の思い通りにはさせないぞ・・・」
久しぶりのあとがきです!
実は先日、寝室の模様替えをしましてですね、大きく形を変えた結果、とってもアニメが見やすい空間になりました!それまで溜まりに溜まっていたアニメが少しずつ少なくなっていきます。
来季のアニメ、なにを見るかはわかりませんが、それなりの容量を確保しないと危ないですからね。
さてさて、休暇までの日付が眈々と迫って参りました。夢喰少女の方は既にある程度完成しています。
それまでに引き籠りの方の展開をしっかり考えないと・・・
なぜ休暇を取ることにしたかはですね、まず1週間ペースはキツイ!という点です。これまで1週間でやってきましたが、やはり投稿日ギリギリ終わらせるということが多々ありました。ペースを落とせばという話になるかもしれませんが、実はもう一つ理由があるんです。
伏線を張ったは良いものの、どうやってそこに持ち込むかが決まっていないっ!
既にラスボスはどうするか、今後どの様なキャラが登場するかなどはできているのですが、どうしても全てを繋げることができなくてですね・・・
まぁ、そんなこんなで休暇を取ります。って言っても夢喰少女を書くんですけどね。
ということで、次回をお楽しみにー




