引き篭もりだった俺が冒険者とかいう仕事をする様ですよ。
「ただいま・・・さぁ味を選べ!」
俺は二人に2つの選択肢を出した。
①ボリボリ君たらこスパ味
②ボリボリ君明太子焼きそば味
「すまない、そんなに大きな違いを感じないのだが・・・」
「ごちゃごちゃうるせぇ!こっちは買ってきてやったんだ!文句なく選べ!そして食え」
「偉そうに!こだまはどっちがいい?」
「わたしはたらこスパがいい!」
声の高さとかほんとに子供みたいだな。
「じゃあ私は明太子焼きそばだな!」
物欲がないのか余った方を選び取るクリス。なら俺は遠慮なく・・・
「じゃあ2人は決定だな!俺はこのハイパーカップのデリシャスホワイトチョコ味♪」
「そういうのを私らに買って来い!」
「ほんとだよ!なんで私らはボリボリ君なのに一番年下のお前がハイパーカップなのさ!半分分けろ!」
何でこいつら怒ってんだ?(ゲス顔)
「あーもう!年下年下言いやがって!この体はエロいけど性格クソな女とロリ体型の二十歳の魔法使い(笑)!」
「く、クソ女だと!?こんな美女にそんな事を言うのか!」
「事実だろ!」
クリスは何かを言いたそうにしているが言葉にできないらしい。
「クリスはいいとして私をディスるのはやめてください!」
「ロリ体型はいい加減認めろよ!いつも言われてんだろ!?」
「な、なんでそれを・・・」
いや、さっき自分で言ってただろ。
「もう!いい加減静かにしろ!いいじゃねぇか!アイスを買ってきてもらったんだからよぉ!」
「お前が正直に良いアイスを買ってくればこうはならなかったぞ!」
「いや、お前らはそれに異議なしって言ったろ!」
「でもお前だけ200Rのハイパーカップはズルいだろ!こっちは60Rだぞ?」
「その安さが取り柄なんだろうが!」
「それはただ単に会社側に欲がないだけでしょ?」
いや、儲けるためだろ。
「あっ!たらこスパ意外とイケる!クリスも買ってきてもらったんですから正直に食べたらどうですか?」
「さすがこだまちゃん!分かってる!」
「おい、ヒキニートブタゴリラ!私をいつまでも子供扱いするな!」
ひっ! 急激に声の低くなったこだまに少し怯んでしまった。
「ていうかブタゴリラ!?そんなあだ名今まで無かったぞ?というかお前はどっちの味方なんだよ!」
「正義の味方です。」
「うるせぇ!」
そんな喧嘩はアイスが溶けてしまう程に続いた。
「ま、まぁ喧嘩はこの辺にして、場直しにダンジョンでも行きましょ!」
こだまの唐突な提案であった。
「お、それいいね!ついに初ダンジョンか」
「シュンペイは薬草が最初で最後の冒険だったな・・・」
「あれは冒険に入らん!」
「どこにいく?まずは簡単にゴブリンやスライム?それとも大きくハイドメウスドラグナイトでも?」
おい最後の・・・
「フフ、今まで誰も退治した事のない史上最高のドラゴンよ!報酬はなんと王の冠!売却値は約60000000Rにも昇ると言われている。おそらくこの小説の読者数より多いぞ。」
「おい、かなりメタい話になってるぞ。」
「読者が増えて欲しいものです。」
「メタイ話はその辺にしろ!」
今後はメタイ話を持ってこない様にしないと・・・
「全く、これだからヒキニでロリコンでエターナルエンドのシュンペイは・・・」
「こっちのセリフだよ!」
「エターナルエンドか・・・どこかで聞いた事があるような・・・まぁ思い出せないって事はその程度ってことですね。」
なんとなく傷ついたんだが。
「んで、結局ダンジョンはどうするの?行くの?行かないの?」
「行くに決まっているじゃないか・・・こだまちゃんは?」
「もちろん行きます。」
「おいシュンペイ、お前武器を持ってないじゃないか・・・」
そういえばそうだな。
「私の行きつけの店があります。」
「本当か?早速行こう!」
そしてついた店の名は「武器売買店」
予想を遥かに上回るレベルでつまらなそうな店なんだが・・・
「ごめん、こだまちゃん?こういうのって
「リ○ベッド武具店」とかみたいなカッコいい名前がつくもんじゃないの?」
「シュンペイさん、それは著作権侵害ですよ?私の行きつけの店にそんな事言わないでくださいよ」
やべ、俺の方からメタイ話を持ってきちまった。
「ごめんごめん、じゃあ入ろうか。」
俺達3人は武器売買店に入った。
「ん?これってやっぱり職業毎に使用可能な武器が違うよな・・・」
そんな事を言う俺にクリスが・・・
「ええ、シュンペイは剣士だから片手剣、双剣、太刀、短刀、ナイフの5種よ」
「なんとなく二刀流って憧れるよな。」
目の前にあった武器には強そうで明らかに上級者臭がする物がたくさんあった。
双龍の眼・デストロイド 神秘の双剣・アスピタル 蒼海の宝玉・アクエリアス 業火爆風・メディウスなどなど、とても初心者には手の出せそうにない名前であった。
「じゃあ俺はこの双極刃・イクセントにしようかな。」
ま、強そうなのを選ぶが。
「へいまいど!値段は16万Rですよ!」
なんか最近急激に金が減ってるな・・・
「ほぼなくなってるよ!」
「あ、あの、何がですか?」
少し動揺する店員さん。
「あ、いやいやこっちの話です。」
「あ、そうですか・・・」
俺は店員に16万払って店を出た。
「ついに俺の剣ができた!」
「じゃあゴブリン狩りに行きましょ!」
「おう!早くいくぞ!」
「なんで急にノリノリに・・・」
「俺は最初からノリノリだ!」
受付前にて・・・
「あの、このゴブリンを殲滅させてくれというミッションを受注していいですか?」
「どうぞ!えーと、契約金1650Rね」
「よし、行くぞ!クリス、こだまちゃん」
なぜか3人の間に沈黙が過る。
「なんでノリノリなのかしら?多分トラウマになるかもしれないミッションよ?ゴブリンの数まで見た?」
「ん?いや、見てないけど」
俺の台詞にクリスが溜息をつく。
「あんたが選んだミッションは特殊ゴブリンを1540体討伐。」
「1540!?それにその特殊ゴブリンってなんだよ」
「ゴブリンには複数種類があって、レッドゴブリン、ブルーゴブリン、グリーンゴブリン
コブリン、武者ゴブリン、武者コブリン、ナイトゴブリンなどがいるの。ナイトゴブリンはその中でもトップクラス、並の兵士じゃ一人で6体程度しか仕留められないわ。」
「はっ!?そんなのを1540体!?」
そこにこだまが・・・
「一度受注したらもう取り消せません。シュンペイさんにはちゃんと責任をとってもらいますよ。」
クリスは何かを察した様に俺に告げる。
「えーと、数的には一人513体だけど、シュンペイには責任取ってもらうから・・・私らは308体でシュンペイは残りの924体だな」
「きゅ・・・!?」
「上等な数ですね!」
「それで報酬金は山分けよ!」
そんなに倒して山分け?ざけんな!
「俺が死んだら?」
「死なせません。ヒールで回復させてはゴブリンの攻撃を受けての永遠ループを行います。」
そんな事をいうこだま・・・
「こだまちゃん?冗談キツイよ?」
「これが冗談だと思われたのなら心外です。とにかく行きましょ!」
え・・・マジでやるの?とりあえず俺たちは手配された馬車に乗った・・・
気が付いたら見知らぬ場所に来ていた。
「ついた・・・のか?」
状況を把握してない俺にクリスが
「ああ、二分前にな・・・」
「おい、それじゃあ俺が熟睡してたみたいじゃ・・・してたのか。」
「皆さん、ゴブリンがやってきましたよ。」
こだまが指さす方向に目をやると
「はっ!?あれがゴブリン?多すぎね?」
「えぇ、ゴブリンは基本的に群れで行動します。あれは大体450体位でしょうか。」
「4・・・!?」
驚愕する俺の隣でこだまは・・・
「アレダイトハームナイトボレンロバイトソレムホレオ・・・」
何かの呪文を言って
「ボルケーノサンダー!」
こだまが技の名称を言った途端、目の前が真っ白になり、目を開くと黄色い炎をまとった龍がゴブリンに真っ直ぐ突っ込んでいく。
カッ!という音と共に響き渡る轟音。それが消えた時にはさっきまで大量にいたゴブリンがいなくなっていた。
「!?こだまちゃん?こんな強力な技持ってたの?」
「もちろん、魔法使いですから!そんな事よりまだ油断はしないでください。今のはただのゴブリンですよ?」
「ただの?」
「えぇ、さっき言ったゴブリンの他にも数十種類にも及ぶ種族があります。龍を操る「ドラゴブリン」。装備を完璧に整えた「武者ゴブリン」。魔法を扱う「マジックゴブリン」など・・・」
最近のゴブリンは種類が豊富すぎるだろ!
「また来たみたいだな・・・次は私が」
クリスがゴブリンの群れに弓を当てる
「くらえ!ポイズンアーチ!」
紫帯びた矢がクリスの弓から出てくる。その弓はゴブリンの群れに一直線に進み一体のゴブリンに当たる。するとクリスは
「バースト!」
その言葉を発した瞬間爆破が起こり周囲にゴブリンが飛んで行く。
「今のすげぇ!」
「さて、次はシュンペイの番だぞ。」
そんな事をいうクリスに俺は
「俺、技持ってないよ?」
「「は?」」
俺の台詞に驚きの表情を浮かべる二人
「いや、だってどうやってやるか分からないし。」
「お前本当にゲーマーか?お前はゲームを買ったらすぐにプレイするタイプだろ。まずは説明書を読め!よくそんなんで<別次元探険隊>を勧められたな。」
そういえばここは刑務所だったな。
「とにかくカードを貸せ!」
「カード?ナニソレ?オイシイノ?」
何も分からない俺にクリスが
「あ、あれだよ、職業選ぶ時に一緒に貰った
あれ!」
あたかも俺がもらっているかの様にいうクリス・・・いや、確かに貰った気がする。急いでそのカードをバックから取り出す。
「剣士のスキル一覧を見るのは初めてだな。
まぁとにかくこの「ストリームクロス」というやつでいいかな。双剣専用スキル。二本の剣を斜め下にバッテン状に振るう事でふたつの巨大な竜巻が生まれる。」
クリスの説明を受けて俺は
「強そう!それにしてくれ!」
「ストリームクロス」を習得した俺はさっそく剣を持ち
「遂にイクセントを使う時がきた!いくぞ!
ストリームクロス!!」
少し厨二をこじらせながら剣を振るう。今の俺すげぇカッコいい。後ろの2人は俺に惚れたも同然だな。俺がそんな事を考えてる中後ろでこだまが・・・
「アゴダールソメニールボアロドガリヴド」
俺の打った竜巻が雷を纏う。それに続いてクリスが
「焔豪射!」
突然発射した弓が俺の竜巻に入り竜巻が火を吹く。
「おい!俺の初必殺技に何してくれてんだ!
俺の感動を返せ!」
俺の激怒を批判する様にクリスは
「ゲーマーなら効率を求めろ!」
それを言われちゃ何も言い返せない。そんな事をしてる間にその竜巻はゴブリン達を一掃していたそうだ。
「あぁ!俺の初技がゴブリンを一掃する瞬間を見逃した!」
そんな事にショックを受ける俺にこだまが
「残り623体です。しかもその殆どが特殊ゴブリンです。」
「まだ623体も!?あんなに頑張ったのに。ま、まぁ、俺は頑張ったよな!」
一人で満足する俺にクリスが
「おい、まさか924体の約束を忘れてないよな?」
「うっ・・・」
コイツ、憶えていやがったか!
「こだま、クエストカードを見てくれ。」
「はい。」
クエストカードを見るこだま
「えーと、私は458体でクリスさんは469体・・・シュンペイさんは・・・ゼロ・・・」
だんだん小さくなっていくこだまの声に
「もう一回!」
「シュンペイさんは0体です。」
俺は少しの間状況を理解できなかったが、その3秒後
「はぁ!?0体!?じゃあさっきのストリームクロスは!?」
「おそらく私達の追加攻撃で消えたのでしょう(笑)」
「ぶっ!ははは!」
後ろで吹き出すクリス。
「大体お前らが追加で攻撃するからいけないんだぞ!」
「まぁまぁ、初攻撃はよくカラブルヨ」
他人事の様に言うクリスに
「お前らのせいだからな!」
「まぁまぁ、報酬金の1割をあげますから。」
「なんで1割なんだよ!少なくとも山分けにはしろよ!」
「と、とにかく馬車から出よう。地上の方がモンスターに遭遇しやすいからな!」
「そ、そうですね!」
その場しのぎにクリスが言った言葉に賛成するこだま
「よし、行くか!」
クリスの点呼に「おう!」と答える。だが、ゴブリン狩りはかなり辛いものだった。
「あ!あれは鬼神ゴブリンです。ゴブリンの中で最も攻撃力が高いと言われています。」
そのゴブリンはいかにも鬼のような顔をしていた。
「うほぉぉ!」
ゴブリンが襲いかかってくる。そこにクリスが「私に任せろ!」と言う。
「くらえ!グラディウスショット!」
三本の矢が鬼神ゴブリンをめがけて飛んで行く。するとゴブリンは「うがぁ!」と言って矢を燃やす。
「なっ!」
少し怯むクリス。そこにこだまが
「アールライトソイムダイドールマナタイートショルダード!」
一筋の閃光が走る。ゴブリンは怯む。そこに俺が「ツインアフレイド!」と新技を叩き込む・・・予定だったがクリスが技を繰り出す。
「今度こそ!ハイドロアーチ!」
水を纏った矢が高速で飛んで行く。
シャ!
小さな音だったものの、その矢はゴブリンを突き抜いていた。しかしゴブリンの顔はこのうえないくらい赤く染まっていた。
「おい!あいつ完全に怒ってるぞ!」
クリスの台詞を打ち消すかの様にゴブリンが飛んでくる。そして持っていた斧を振り下ろす。
ズシャァ!
響く嫌な予感を漂わせる音。後ろを振り向くと馬車が壊れていた。
「なっ!俺たちはどう帰ればいいんだよ!」
熱くなる俺にクリスが
「死ななかっただけマシだと思え。」
そんな台詞を吐くクリスに俺は
「え?死ぬとかあんの?」
「ああ、だが死んだからといってもこの世界でだけだ。ただ、死亡ペナルティとして持っているアイテムとスキルが一部消失する。まぁ、レベルというものが存在しないこの世界には上等なペナルティだろう。」
説明をするクリスに俺はある事を疑問に思う
「この世界ってレベルがないの?ペナルティって経験値が減るのが基本じゃない?」
「知らなかったのか!レベルなんてあったら
鬼神ゴブリンなんてもう倒してるよ!」
普通に考えりゃそうだ。こいつらの持っているスキルの数を見れば分かる。
「あれ?じゃあどうやってスキルポイントを貯めるんだ?」
素朴な質問にクリスが
「敵を倒すとスキルポイントが貰える。設定されたモンスター危険度で貰える量が変わる。二人以上で倒した時は貢献度によって振り分けされる様な感じだ。ただ初回は10ポイント程あるが・・・!」
俺はゴブリンの方を向いた。するとゴブリンは赤いオーラを纏っていた。
「キレてんな・・・」
「あぁ。」
そんな会話をしている内にゴブリンが斧を振り回しながら襲ってくる。
今度は俺が!
決心した俺は剣を構えた。
「ツインバスター!」
そのスキルは16連撃スキルの大技。使いこなすのは初心者じゃまず無理と言われていて、一発でも外したら反動により10秒程動けなくなりゲームオーバーと言われているらしい。だが今の俺は外す気がしない!だが、俺の振るった剣は4発目で外れた。
「うぎゃあ!」
蹴っ飛ばされる俺。良かった、斧じゃなくて。ほっとする俺。そこにクリスが
「全く、お前は今回活躍してないじゃないか。」
「本当ですよ。」
クリスに続き俺に言葉で攻撃してくるこだま。
「来たぞ!ストームドイアド!」
弓を飛ばすクリス。それを弾くゴブリン。
そこにこだまが
「エーシェードラービアイズソールダイトージエルメイム!」
緑の気が飛んでいく。その気はゴブリンに着く。そこにこだまが
「6・・・5・・・4・・・」
数を数える。
「3・・・2・・・1・・・」
カウントダウン終了した瞬間こだまが「破ッ!」と唱える。
緑の気が紅くなり奮発する。飛び散る赤い液体・・・血?そこにいたゴブリンは跡形もなく消え去っていた。
「アレ?ゴブリンハドコニイッタノ?」
衝撃のあまり言葉がカタコトになる俺
「殺したよ。あっという間に」
俺は最初、その言葉を解釈できなかった。
「は!?殺したの!?早くね?」
俺の反応にどや顔をするこだま。そこにクリスが
「そういえばあの詠唱って何なんだ?」
「あ、それは俺も思ってた。」
クリスの素朴な疑問に俺も入る。
「あれはですね、この国の古代の言語。魔導図書店にある「王の魔導書」に記載されている詠唱を唱えると魔法を使えるんです。魔法使いだけが・・・」
「ふーん、じゃあ俺たちには関係ないな」
少し残念な気持ちで返事する俺にこだまが
「そんな事もないですよ。あそこにはそれぞれの職業のスキルなどの説明や特殊能力の習得が記載されている本がありますから。」
「よし、行くか!」
「その前にゴブリンを倒せ」
せっかく元気を出した俺にクリスがみずを刺す。
「そんなシュンとしないでください。私達も手伝いますよ。」
「ま、そんな会話をしている暇はないぞ。ミッション残り時間2時間もないぞ」
注意するクリスに俺は
「でもあと622体もいるんだろ?しかも全部特殊のゴブリン。それって全部さっきの鬼神ゴブリン並なんだろ?」
「でも結局は勝ったじゃないか。」
「まぁそうだけど・・・」
質問に即答するクリス。
「そんな事言わずにゴブリンを探しましょう。」
5分程度探してみるとそこには
「竜騎士ゴブリンだ!しかも10体も!」
「竜騎士?ドラゴン使い?」
イマイチわからない俺にこだまが解説する。
「竜騎士ゴブリンはドラゴンを操る能力を持つゴブリンで、飛行できるドラゴン、高速移動できるドラゴン、攻撃的なドラゴンなど、
多種多様なドラゴンの上に乗っています。ドラゴンによっては「ナイトゴブリン」を遥かに上回ります。」
説明するこだまに俺は質問した。
「それで、あいつらは何に乗ってんの?」
「6体程がレッドドラゴンで3体程がカムイ、
残りの1体が・・・!?」
何かを見てこだまの顔が青ざめる。
「どした?」
「あ、あ、あれは・・・祖龍・ワイバーン?
嘘だ・・・初めて見た・・・」
いかにもやばそうな名前だ。
「おい、そこの2人、何を話している。奴らはもう向かってきてるぞ。テレポートアーチ!」
クリスの打った矢が消える。と思った瞬間レッドドラゴンに乗っているゴブリンが吹き飛ぶ。クリスはもう一発打つ準備をする。
「くらえ!サンダーアー・・・ぐあっ!」
クリスの防具が少し焦げている。
「レッドドラゴンですね。こっちも反撃しましょう」
こだまは詠唱を唱える。
「エラーブレーデット、ソールズナイト」
詠唱が一時的に止まる。
「フルバースト!」
竜騎士ゴブリンの群れが爆発する。残ったゴブリンはレッドドラゴンに乗ったゴブリンが2体とカムイに乗ったゴブリンが1体と祖竜に乗ったゴブリン。
「やはり祖竜は倒せないか・・・」
暗い雰囲気の中空気を読まずに俺は
「それより祖竜・ワイバーンってどんなモンスターなんだ?」
「それは後にしてください。攻撃が来ますよ。シュンペイさんはクリスさんの治療をしてください。」
「お、おう。お前、1人で大丈夫か?」
「いえ、無理です。でも時間稼ぎくらいなら出来ます。」
「じゃあ3分くらい稼いでくれ。」
俺は応急処置道具とクリスを抱きかかえて大きな岩場に隠れた。その間にこだまは数々の多彩な魔法を使って時間を稼いだ。
「すまない、まさかドラゴン相手に耐久できるとは思わなかったよ。」
感動する俺にこだまは「魔法使いをナメるな」と息切れしながら言ってくる。
上を見上げてみれば残っているのは祖龍・ワイバーンに乗ったゴブリンだけだった。
「あとちょっとだな・・・」
「何を言っているんですか?数は残り1匹でも戦力的にはまだ1割も倒していません。」
「じゃあこいつって1匹だけでさっきの奴等全員より強いって事か!?」
驚愕する俺に「それでも足りない位です。」とか言うこだま。
「足りないって・・・」
「モタモタしないでください。そろそろ閃光弾が切れる頃です。」
「閃光弾?何それ?」
何を言っているのか分からない俺に説明するこだま。
「閃光弾と言うのはですね、魔法によって生成された黄色い玉がその場で光を放って少しの間相手を怯ませる技です。最も、効かない相手に意味はありませんが・・・」
あぁ、モ○ハンでいう閃光玉か・・・
納得した事を察したらしいこだまは敵の方に向き直る。
「雑談をしている暇はありません。戦いますよ。アーヌトライドソークフォーズオラービスド!」
詠唱を唱え終るとワイバーンの下に水色の煙が湧いていた。直後、落ちてくるワイバーン
「眠って・・・いるのか?」
「はい、今のは強制的に眠らせる魔法、<スリープクロード>です。」
「そんな技があんなら最初から使えよ!」
瞬間的にツッコミを入れる。
「それはストーリー上気にしちゃ駄目です。そんな事より一斉攻撃をします。クリスを起こしてください。」
とりあえずメタイ話はやめてくれ。命令を出された俺は直ちにクリスを起こしにいく。
ある程度回復したらしいクリスはすぐに来てくれた。
「早く、とびっきりの技の準備をしてください。効果時間は残り1分ですよ。」
「何をすればいいのだ?私は」
状況を把握出来ていないクリスは俺に尋ねる。状況を説明し納得したクリスは弓を構え、こだまは詠唱を唱える。・・・俺ってそういう技持ってないよ?
3話目です!3話目ですよ!意外と早いもんですな。今回は現在登場しているキャラクターのちょっとした紹介をしていきます。あ、でもストーリーが進んだら登場人物紹介をすると思います。でも今回は主要キャラ3人の紹介をします!
シュンペイ
ヒキニートでアニオタ、かつゲーマーという色々な属性を持つ主人公。オンラインゲームではランキング2桁〜2位までしか叩き出した事がない。しかし、それらのゲームにおいて1位を獲った事がない。どうも勝てない不動の1位がいるようだ。そんな所から周りからは<永遠の2番手>と言われているらしい。<エターナルエンド>という名にはどこか思い入れがある様子。
クリス
金髪美少女かつ巨乳。職業は<アーチャー>でこの生活が始まってから一度も矢を外した事がないらしい。何かとキャラが安定しておらず、知られざる過去がある様子(2話参照)
こだま
ここまで読んでて分かる様にロリキャラ。職業は<魔法使い>でかなりの実力者の様子。自分なりに行きつけの店を見つけた様だ。
<エターナルエンド>という名になんとなく憶えがある様だ。