引き篭もりの少女が最強のゲーマーになっている
先週は諸事情により休みました。
謝罪致します。
カタ…カタ…カチッ!
ズバッ!・・・テーンテテテンテンテーン!
パソコンに浮かび上がる<WINNER>の文字。
「これで7900連勝か・・・そろそろ飽きてきたな。あ、また挑戦者だ・・・」
カタ…カタ…カチッ! カタカタカタ…カタカタ…カチッ!
「また勝っちゃった。いい加減楽しませてくれる相手が現れてくれないかな。」
彼女のパソコンに映されていた非現実的な数字、それは、どのオンラインゲームでも知られていたある噂と関係があった。
オンライン戦績<万戦万勝>の実力者、生涯負けたことがない。オンライン順位は2位と3倍のポイント差をつけて勝つ。まさに彼女、<リトルボール>だった。
「そろそろやめようかな、えーと、プレイヤーメッセージを変えて…はい、完了。」
現在プレイ中のゲーム<〜閃〜>は彼女なりにかなりハマったが、結局は無敗で終わってしまう。新たなゲームを探しにネット通販を漁る。
彼女の手にかかれば、2ヶ月程度の遅れなら取り戻せる。2ヶ月程度の遅れなら3日あれば上位100位に入れる。
しかし、彼女の求めるゲームは見当たらなかった。
そこで1通のメールが届く。
「新着ゲームの招待?まぁ、暇潰しにはなるかな。」
この手のメールは既に数百件来ている。
マウスを動かして体験版を購入する。詐欺メールである事がたまにあるが、今のゲームに飢えている彼女にはまったく関係ない。
「体験版プレイヤー数は6000人か・・・」
いつも通りユーザーネームを<リトルボール>に設定する。
ゲーム名<ゴットバトラーズ>シンプルな名前だが、少しは楽しめそうだ。
早速チュートリアルをこなし、初回ガチャを回した。
「おめでとうございます!レアキャラです!新たな仲間と共に高みを目指しましょう!」
ゲーム字幕が現れた。このタイプの字幕はレア度だけの雑魚でも出てくる。今出てきたキャラはいかにも弱そうだった。リセマラというものが存在するらしいが、彼女はそれが嫌いだった。どうせならそんな手間のかかる作業はしたくないし、最初のパートナーだからこそというこだわりの持ち主だからだ。
「製品版発売日は2週間後か・・・」
ゲームをプレイしてみると、純粋に楽しかった。戦略型ボードゲーム、簡単にいえば、駒が能力を持ったチェスだ。
チュートリアルをこなしてすぐさまオンラインへ向かった。初期デッキなのにも関わらず、わずか4巡目で試合を終わらせた。
「ふん、コンピューターの方がよっぽど手強かったぞ。」
その後も何度か試合をしていた。その時、画面上にリトルボール(現在719位)VSエターナルエンド(現在63位)の文字が映る。
「63位か・・・少しは楽しめるかな・・・」
結果は圧勝。相手も20連勝近くしていたらしいが、あっさり倒せてしまった。
「まぁ、今までの相手に比べれば手強かったな。でも、このレベルなら初期デッキでも充分勝てる。」
ピコーン。
パソコンから可愛らしい音が鳴る。
ゲーム内メッセージだ。
「え・・・と、内容は・・・」
メールの内容は「あなた、本物のリトルボールですか!?」とのメッセージだ。さっきの相手からのメッセージのようだ。
この手の質問は好まない。3000連勝辺りから突然自分の名前が有名になったらしい。
とりあえず「それは秘密です」とだけ返信しておく。
次はフレンド申請が来た。
「なんだ?こいつ、しつこいな。まぁ、多少は楽しめるし、承諾しておこう。」
いつしかこいつとは毎日通信する様になった。気付けばわたしの順位は1位、そいつは2位になっていた。
「製品版発売まであと2日ですね!」
メールだった。そうか、製品版の発売だっけか・・・思い切り忘れてた・・・
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「ゴットバトラーズ発売まで、残り2時間か・・・そろそろ並びに行くか。」
しかし、その行列は異常なものだった。新作のスマホでも発売するのか?というレベルの行列だったのだ。
まぁいい、わたしはゲームショップの穴場を知っている。どのゲームショップでも売り切れているものを、あの店なら必ず15個以上残していてくれる。恐らく知られていないだけだろうが・・・
案の定あっさり手に入った。
「あれ?あなたもゴットバトラーズをプレイするんですか?やっぱりここは穴場ですよね、基本売り切れてない。」
突然話しかけて来た男は、いかにも引き籠りでニートだろ!という感じの身のこなしをしていた。私も大概そうなのだが・・・
「あはは、そうですね、確かに人気ゲームもここで買える。絶対に誰にも教えたくない場所ですよね。」
とりあえず話を合わせておけば問題ないと思う。
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あの男がなんだったのかはわからない・・・が、それよりも、ついに買えてしまった!ゴットバトラーズ製品版!
発売日には体験版プレイヤー数500万人を突破していたので、購入は相当困難であった。まだ、わたしには関係のないことだが。
「さて、早速プレイして行くとしますか。」
念願の<ゴットバトラーズ>には、体験版のデータ引継ぎ要素がある様だ。
わたしはやらないが!引き継ぎをしたら最初から1位になってしまう。その座は一時的に<エターナルエンド>に譲るとしよう。
しかし、ヌルゲーすぎた。ゲーム開始2日目にしてすで3400位プレイヤー数は50万以上いるはずなのに。
そこで再びゲーム音が鳴る。画面に目を向けると、そこにはVSエターナルエンドの文字があった。
「久しぶり、また戦えるとは思わなかったよ。」
あとがきは書かないつもりだったのですが、一応書いておきます。
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