俺も巻き込まれたあの事件に終止符を!
投稿忘れて寝てしまったぁ!
はい、0時に投稿する予定でしたけど、寝てしまったので急遽7時に変更です。
<始まりの街>にて、シンが殺害されました。
<光の都>にて、アルブが殺害されました。
<アグライプ>にて、永吉が殺害されました。
<聖都市ノーズ>にて、煜が殺害されました。
「何だこれは!死亡情報が急激に増えたじゃないか!」
「これはDEATHSENTENCEの仕業と思われます。先日の謎の赤髪少女に続いて金髪の女、そしてフェノール塔周辺を消し飛ばした魔法使いなど、最近は被害の大きい事件が多過ぎます。」
1人の男が手を上げる。
「林田君、どうぞ。」
「はい。とあるパーティの話をします。そのパーティのメンバー数は4人で、そのうちの3人が赤髪の少女・カナといい、金髪の少女・クリス、そして先日のフェノール塔事件の実行犯と思われるこだまの3人がおります。よって、この事件の黒幕はその3人を仕切っているシュンペイという男かと。」
シュンペイのいるパーティと事件の実行犯の見た目が合致していると男は言う。
「それは少し考え辛いだろう。金髪の少女はフェノール塔の実行犯と戦っている。そのうえ、警察側とコンタクトを取りながら捜査の手助けをしている。赤髪の女はその金髪の少女に助けてもらっている上、フェノール塔の事件で金髪の少女の処置を行っていた。黒髪の少女はその2人と仲間の模様。たしかに外見は一致しているが、ここまで意図的にこなすのは難しいだろう。」
男は部下の意見を否定する。
「つまり、自作自演ではないと。でも、黒髪の女の根拠が少な過ぎます。確かめてみる価値はあるのでは?」
何か言わないとと言わんばかりの表情で男は口を開ける。
「分かった。あそこのパーティのメンバー内に犯人がいない事を願おう。」
仕切り役は目の前のモニターに目を向ける。
「どうして急に死亡者が・・・」
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「ぐっ、まだしばらくは出かけられないな。」
松葉杖を持ってリハビリを行うクリスにこだまは何も知らない様子で
「どうしてそんな大怪我を負ってしまったんですか?」
「思い切り転んでしまってな。落ちてた画鋲が刺さってしまったのだ。」
「なんですかそれ、とっても痛そうです。」
明らかな嘘も信じてしまうこだま。
「カナさん、クリスの記憶は消さなくて大丈夫なのか?」
「はい、むしろ消してしまうと今後に困る気がするんです。」
ピンポーン。
突然家のチャイムが鳴る。
「はい、どちら様でしょうか。」
ドアを開けると、青い服の男性達がいた。まるで警察の様な衣装だ。いや、これ、警察だ!
「なんで警察の方々がここに?」
「急に押しかけてしまって申し訳ない。単刀直入に問う。おまえ達はDEATH SENTENCEの仲間か?」
「「「「っ!?」」」」
「いえ、違いますけど。だいたい、俺等はこれまでの事件にも関与してたじゃないですか。」
「確かにそこは間違いない。この写真を見てくれ。先日警察を襲った人物2人とフェノール塔事件の犯人の写真だ。」
その写真のうち、ひとつはこだまの写真。のこり2枚の内片方は以前俺に「お前がマスターの」と囁いた人だ。
「この写真がどうかしたんですか?」
「仲間の髪の毛の色と比べてみるが良い。」
俺は後ろを振り向いて3人の髪色と写真を見比べる。全て一致した。
「見ての通り、君達の仲間の髪色とピッタリなんだ。我ら警察は君が主犯なんじゃないかと見ている。」
「なんで・・・確かにこだまがやった事は認めます。でも、彼女は誰かに意識を盗まれていた様子でした。洗脳されたかなんかでしょう。でも、カナさんとクリスはやっていないと思います。」
自分の罪を晴らす為でもあるが、それ以上に仲間を守りたかった。それ一心で言葉を口にする。
「黒髪の少女の犯行は認めるのだね。」
「はい。あ、でもこの事は本人には言わないでください。彼女は本当に憶えていないんです。」
「信用できると思っているのか!」
男は急に大きな声を出す。現地を含めて、周辺に沈黙がよぎる。
「応答要請!応答要請!<アルムス8番地区>にて、写真の金髪の少女と思われる人物が暴れております。顔は隠されておりますが、既に8人もの警察が重軽傷を負っております。至急、手の空いている警察は<アルムス8番地区>へ!」
突然トランシーバーがなり始める。緊急事態の様だ。いや、その前に
「これでクリスの疑いは晴れましたね。」
寄ってきたカナが嬉しそうに言ってくる。
「完璧ではないが、一応な。」
良かった。1人でも疑いが晴れたのならとても嬉しい。
そういえば<アルムス8番地区>っていったよな。
「なぁ、カナさん、<アルムス8番地区>ってどんなとこなんですか?」
「また行くんですか?」
俺は少し考え込む。確かに今回はクリスが負傷してるし、行ったところで意味は無いだろう。
「そうだな。今日はゆっくり休むとしよう。」
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「ほう、また警察か。既に24人警察を殺しているのに、いまだに追跡をするとは、アホにも程があるな。情けは無用だ。本気でぶっ潰す。」
「総員、銃を構えろ!トドメのあれも用意だ!」」
警察官は銃を展開する。
「奴は素手で数十人にも登る人間を殺してきた。遠距離でないと殺される。だが、屈する事はない!今回は万全の準備をしてきた!」
「いい加減黙れよ・・・」
リーダー格の警察の真横に金髪の少女が現れる。
「いま、なにを・・・」
バキィ!
警察官は20M先のコンクリートの壁に叩きつけられる。
「人間じゃねぇ!う、う、うてぇ!」
パシュ!パシュ!パパパパパン!
30人もの警察が一斉に弾を放つ。
「遅い・・・」
ドカドカドカドカ!
少女は上から4人の警察を蹴っ飛ばす。
「30人の警察が犯人を捕まえる為に銃を構えた。リーダーの警察は鳩尾をやられ29人になった。怒った29人の警察は躊躇いもなく銃を撃つ。見切られた弾はあっさりと避けられ4人が奇襲され、25人になった。不意をつかれた25人の警察は・・・」
少女は口を動かし始める。
警察は銃を上に向ける。
「総員、フォーメーション21、<包囲網>!」
警察は少女を中心に銃を構える。
「戦術を使って1人を倒そうとする。全てが避けられた後、7人が窒息し18人になった。」
ドパパパパ!
25方向から弾が飛んでくる。弾の先に少女はいなかった。25人の内7人の口にタオルがつけられ引っ張られる。
「「「ん〜!ん〜!んあ〜!!!」」」
もがく警察。25秒が経過し、7人の警察は全員倒れる。
「18人の警察はあまりの戦力差に怯え、少し距離を取る。すぐに間合いを詰められ14人になった。」
再度少女は何かを言う。
後ずさりをした警察の目の前に少女は姿を現す。1人は少女に向かって弾を放つ。
「死ね!死ね!死ねぇ!」
少女は弾をことごとく避け、他の警察との間に入る。止める事なく警察は銃を撃つ。少女がある一つの弾を避けた時、その弾は一直線にもう1人の腹部に直撃する。
「っ!!」
警察は倒れこむ。
それでもなお、警察は銃を打ち続ける。同じパターンによって、3人追加で倒れこむ。
「14人の警察は味方を殺してしまう。八つ当たりによって、トドメの大砲を放ってしまう。行動が読まれていた為、大砲は打ち返され、誰もいなくなった。」
少女は何かを予知する様に口を開ける。
「うるさいうるさい!今すぐ楽にしてやる!トドメの大砲を打て!」
ズドォォン!
大砲の弾が飛んで行く。
「黒渦」
簡易魔法<黒渦>によって大砲は吸い込まれる。
「転移」
黒い渦は一時的に姿を消し、警察の真上に現れる。
「解放」
吸い込まれた弾が渦から出現し、地面に触れる。
スウゥゥゥ───
風を吸い込む音。
「や、やめろぉ!」
ドッカァァァァン!
赤帯びた爆風は円状に広がり、<アルムス8番地区>を跡形もなく消し去る。
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「あの爆発は?」
シュンペイ達の下から離れた警察達が<アルムス8番地区>へ向かっている時、前方に爆音と共に爆発が起きた。
「あの方向は・・・!?」
「やられたか・・・」
何かを察した警察。
「引き返すぞ。今行ったところで被害をもたらすだけだ。」
警察達は来た方向に車を走らせる。
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「いやぁ、危なかったな。お前等が捕まったら俺一人になっちゃうもんな。」
「でも、今回の件を証明できるのはクリスさんとシュンペイさんだけですよ。」
「確かに・・・そうですね。」
こだまはカナの言葉を理解する。
「「なんでだ?」」
声を合わせて質問する。
「簡単にいうと、私たち2人はまだ疑いが晴れてませんから。疑いのある人の発言のすべてを信用するわけにはいかないでしょう。まして、私達は犯罪を犯してここにいるんですから。」
カナの細かい説明を受けて納得する2人。そう言われれば当たり前の事だ。
「とにかく、今回の件はお二人さんにかかって───」
バキィ!
何かが突き破られた音。
「DEATH SENTENCEの偵察斑班長、虎髪だ!誰かいるんだろ?出て来い!」
「一体だれ────」
「静かにしてください!これはそうとうめんどくさい事になりました。」
様子を見に行こうとする俺を止めるこだま。
バリィン!ガシャァン!
ガラスを割る音、花瓶を壊す音、明らかに家を荒らしている。
「全く、どいつもこいつも人の家を好き勝手に荒らしやがって。」
クリスは立ち上がって部屋を出る。クリスの家であるからこそこんなにキレるのだろう。
「ちょっ、クリス!そっちは危険です!」
こだまの静止などに耳も傾けず、歩み寄って行く。
「おい、貴様ら。」
「まさか、自ら出てくるとは。アホにも程があるんじなねぇか?」
「お前達、人の家をそんなに荒らして、なにが楽しいんだ?」
殺気の様なオーラを出しながらクリスは虎髪に問う。
「貴様如きに教えるもんでもねぇが、まぁ、マスターからの指令ってとこだな。」
「マスターか。よく聞くな、その言葉。」
マスター、確かに今までに何度も聞いた言葉だ。赤髪の少女も以前俺の目の前で言い放っていた。結局誰なのかは理解できていないが。
「さて、お仕置きだ。私の家を荒らした償いをしてもらうぞ。」
「やれるもんならやってみな!」
「そうか。」
クリスは矢を手に持ち、虎髪の腹部に寸止めする。
「これでもまだやるのか?」
「油断してんじゃねぇよ!」
虎髪はクリスに膝蹴りをし、クリスは天井にぶち当たる。
「ぐっ!」
お腹を抑えながら倒れ込むクリス。
「やっぱりまだブランクがあるか。」
クリスは自分の足を見る。カナのおかげで傷は塞がったものの、痛みが完全に引いた訳ではない。とても強敵と渡り合える状況ではなかった。
「まずいですね、クリスさんはやられました。こだまさん、私と一緒に来てください。この場所では魔法を使えません。家を破壊するだけです。ですが、あの方達と渡り合えるのは私とこだまさんだけです。」
「そうですね。」
そう言われるのも仕方ない。俺は経験が少ないうえ、この世界の秩序すら理解してない。勝てるはずが・・・はずがないのか?
俺はその場でヌッと立ち上がる。
「シュンペイ?」
「お前達より、俺の方がいい勝負ができるかもしれない。」
俺はイクセントを手に持ち男達の前に出る。
「やはり、まだいたのか。」
男達はあたかもいると分かっていた様に言葉を発する。
いや、いると知っていたから待機していたのだろう。
俺は自分のカードを確認し、<鬼神>を習得する。
「覚悟しろ。」
人生で初めて言った。少し喜んでいるうちに俺の剣は紫色のオーラを纏う。
「ほう、剣士か。んじゃ、俺も。」
虎髪は何もない異空間からハンマーを取り出す。
「ちょっと待ってくれ」
虎髪の後ろにいた少年は戦闘を一時的に中断する。
「こいつ、おそらくマスターの・・・」
虎髪は俺の顔を見つめる。
「そうだな。今日はこの辺にしておこう。貴様、いつかマスターの下に・・・」
最後まで聞き取る事はできなかったが、確かにマスターと言っていた。
その前に・・・
「こだま!」
「はい。バインド!」
こだまの魔法によって男達は黄色の縄に包まれる。
「よし、通報だな。」
とってもいやらしい捕まえ方だが、こいつらは殺戮ギルドの一員だ。どんな手を使おうとも捕まえるしかない。
「お前らぁ!ずりぃぞ!」
「勝負にズルいも糞もあるか!」
今の俺、完全に悪者だw
数分後、家の前に警察が来て、男達は逮捕された。また、男達を警察に通報した事からこだまとカナの犯罪の疑いは晴れた。
「一件落着って事でいいのかな?」
俺は満足のいかない様子でそんな事を口にする。
「まぁ、boobleのトップニュースにDEATHSENTENCEの関係者計24人逮捕と書いてありますし。」
DEATHSENTENCEのマスターに当る人物とその他有力手配犯は捕まらなかったものの、活動を一時的に休止させる程の数の犯罪者は捕まえた。しかし、捕まえた人数と失った物の数とでは圧倒的に損害があり過ぎた。完全に俺達の負けだ。
俺がずっしりとした雰囲気をかもし出してる中
「とりあえずお前らはマイハウスを買おうか。」
復活したクリスは言葉を吐く。
「そ、そうだな!明日はモンスターを狩りに行こう!」
気を取り直して俺達は再び依頼をこなしに行く。
・・・これによって、DEATHSENTENCEの騒ぎは一時的に治まった。
前書きの通りです。もう書く事はありません。