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自縄遊戯  作者: とにあ
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君は一人で

使用お題ひとつ

 


 サラサラと音を立てて川は流れていく。

 緑のカーテンが川面に影を落とし熱を切りとる。

 見上げれば、空の高い位置で鳥が旋回していた。

 俺はひとつ息を吐く。

 頭上から鳥の鳴き声が時折り降ってくる。

 眩しい静寂が世界を占めていた。

 陽射しに熱せられた大小の石の上に寝そべり、青い空に高く盛り上がる白い雲を見上げる。

 肌を焼く熱を感じる。足を冷やす流れが心地よく、川に飛び込みたい欲求を抑えるのが一苦労だった。

 風が樹々の梢を揺すり、渡っていく。

 誰もいない。

 ここにいるのは俺だけで。

 だから、俺は。

 誰もいない川べりで、石と陽射しに焼かれながら自分の腕に隠れて涙を落とす。





「君は一人でどこに行くの?」

 思い出す君の言葉。

 俺は正しく答えなかった。ただ、笑って「冒険さ」と上っ面で笑って見せた。

 そうさ。

 精一杯の強がりだったさ。

お題は〔君はひとりでどこに行くの?〕です。

〔直喩禁止〕かつ〔季節描写必須〕で書いてみましょう。

http://shindanmaker.com/467090



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