離別
使用お題ふたつ
手を離したら会えなくなる予感がした。
「貴方ではダメなんですよ」
静かに君は言う。
「自分では貴方を幸せには出来ないんです。貴方の力にはなれない。貴方が役に立たないように」
君はどこまでも正直。
そう、僕は君の役に立てることなんかなかった。
だから、笑おうと思う。
「ありがとう。いままで」
手を離そう。それが君のためになるのなら。
僕では君の役に立たないんだ。
「わかってくれてありがとうございます」
君はさわやかに笑う。
「貴方が好きです。それでもそれだけではいけないのです。お互いに支えられないんです」
ああ。
なんて君はうそつき。
君は僕なんか好きじゃない。
「だから、どうか」
君は微笑む。
僕は君が気にしないで済むように笑顔を作る。
甘いリップサービス。
気にしないで。僕はちゃんと身を引くよ。
「恨んで、苦しんで、救われないまま生き抜いてください。そうして始めて役に立ってくれるのですよ?」
「うん」
僕は笑顔で答える。
「大好きですよ」
どうして君はこんなに酷いのだろう?
君の笑顔に僕は。
君を忘れることすら許されない。
泣き方を忘れた色男とさらっと人を蹴落すサラリーマンが「お別れ」するまでの話書いてー。
http://shindanmaker.com/151526
悲恋ものを創作するならお題は/①「貴方では駄目なんです」/②手を離したら会えなくなる予感/③うそつき です
http://shindanmaker.com/153653




