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君の名前を僕は知らない
使用お題ひとつ
僕はスプーンを真っ白なアイスに差し込む。
口の中で解ける味は林檎味。
買ってきてくれた君の笑顔を僕は見つめた。
「おいしい?」
「はい」
「これはジェラートの専門店で買ってきたんだ。本場イタリアで修業した職人の技。少し柔らかくしてからどうぞって言われてねぇ」
君の薀蓄豆情報は楽しげに続く。
「付けられた名前も凝っていたんだ」
口の広いグラスに盛られた真っ白なアイス。
そっと寄り添うミントのグリーン。
「アイス」と呟けば、「ジェラート」と修正される。
なかなかアイスの名前に辿り着かない。
だから、君の名前を僕は知らない。
お題は〔君の名前を僕は知らない〕です。
〔推定表現(~らしい、~ようだ)禁止〕かつ〔味の描写必須〕で書いてみましょう。
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