砂街の雨
使用お題みっつ
そこは砂漠の街だった。
今にも埋もれそうな砂の上に細い塔が突き出てる。
街はその塔を入り口に地下に広がっているのだ。
夜の砂漠を見渡しながら捻った草に火を付ける。
風の音がうるさく鳴いていた。
『幸せはいりませんか?』
そう囁いた自称天使。
幸せなんか簡単に手に入るし、同じくらい手に入らない。
そんな押し売りは不要だった。
拒否した俺に残ったのはなぜか膨大な借金。過去をよみとって資料を作るという仕事をしている俺には返しきれない金額だった。
呆然とした俺に回された天使の手。
「これから先もあなたと一緒にいたいの」
そして、俺は気がついた。
この女は天使なんかじゃなく、悪魔だと。
幸せを拒否した俺に贈られたのは膨大な借金。
返せるはずのない金額に俺は逃げ出した。
逃げて逃げて。
辿りついた砂漠の街。
そこには俺がかつて求めたいまだ見いだされない過去が眠っていた。
天使を名乗る悪魔はにこにこと笑っている。
神の怒りに触れた街は砂に沈んだ。
天使も悪魔も人が呼ぶだけ。
彼女は違うこと無く天からの使い。
砂が雨のように降ってくる。
この街は砂に沈む。
「これから先もあなたと一緒にいたい」
背中にあたる体温。
「ああ。これからも一緒だ」
ねーとにあ、膨大な借金を抱えることとなった物書きと自称「天使」の女性が、掴めなかったはずの未来を掴む話書いてー。 http://shindanmaker.com/151526
とにあさんは20RTされたら、好きなCPで【これから先もあなたと一緒に】と【突然抱きしめられて】のお話を書きます。 http://shindanmaker.com/393707
「砂街の雨」
http://shindanmaker.com/518455




