水の檻
使用お題ひとつ
一人でいることは寂しくなどなかった。
それはごく普通のことだったから。
ごはんに困ることもなく生活に困ることもなく。知りたいと思えることを知る時間すらたっぷりとあふれていた。
友人もいた。
彼はふらっとやってきてふらっと去っていく。
それが普通の日常。
寂しくもなく充実した日々。
変化が訪れていたことに気がつかなかった。
その変化は少女の姿で訪れていた。
躍動的な少女。
くるくると動き、きらきらとその瞳を輝かせる。
僕とは違う思考。異なる成長。異なる種族。
伸びやかにしなやかにじっと見守る。
少女はいつしか僕の元から飛び出してその声は僕に届きにくい。
「探さないのか?」
友人が聞いてくる。
僕は首を傾げる。彼女の居場所はわかっている。探す必要などなかった。
彼女は僕が思わぬ行動をたくさんとる。
見ているのが、楽しいと知った。
少女に伸ばす手。
払われる。その眼差しは無理解。
「君は僕のものだろう?」
「私はあなたを理解できない。あなたとは生きれない」
僕は微笑む。
「じゃあ、他に微笑むことなど許さない」
ぱちりと瞳が見開かれる。
きれいな瞳。
「僕と生きれなくても構わない。でも、他の誰かとも生きさせない」
なんて素敵なことだろう。
きれいな水槽を飾って君を閉じ込めよう。
拒否なんて認めない。
君は僕のもの。
嬉しいけど、素敵だけど、どうして、……胸が痛いんだろう。
僕は君を感じる。
僕は一緒に生きてない。
それでも君は笑わない。
お題は「寂しさを知った日」です。2時間以内に4RTされたら書きましょう。 http://shindanmaker.com/160701
RT数は無視でw




